日本の地下鉄開業(1927)

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昭和2年(1927)12月30日、日本で最初の地下鉄が開通しました。

現代では「地下鉄の父」と呼ばれる早川徳次(1881-1942)が設立した東京地下 鉄道株式会社によるもので、上野−浅草間の2.2kmの営業でした。

普通の鉄道はもうたくさん走っていますが、地面の下を走る鉄道なんて初耳、 という訳で、開業の初日などはたいへんな人気。乗るのに1時間以上待たな ければならないほどだったとのことです。

なお、この早川徳次はシャープ創業者の早川徳次(1893-1983)とは同名別人です。

地下鉄というものが最初に作られたのはイギリスのロンドンで、シャーロッ クホームズの物語にも地下鉄を利用したトリックが出てきます。ちなみに、 英語では地下鉄のことを、イギリスでは tube といいアメリカでは subway といいます。イギリスでsubwayというと地下歩道の意味になります。

早川はロンドン留学中に地下鉄にふれ、その後ロンドンとニューヨークの地 下鉄を研究。日本にもぜひこのようなものを作りたいと考えて、設立に動き ました。

早川は地下鉄が将来都市の交通の主力になる、という先見の明を持っていま した。そして駅を設置するのに最適な場所を確定させるため、黒豆と白豆を 持って街頭に立ち、交通量調査を行ったとのことです。

この上野−浅草間というのは当然、上野駅で降りて、浅草寺にお参りに行く 人たちを当て込んだものでしょう。

その後、早川はこの路線を新橋まで延長。8kmの路線にしますが、やはり個人 の力では限界がありました。そしてその頃、行政側もこの地下鉄という新し い交通網の重要性を認識してきます。

かくして、昭和16年7月4日、帝都高速度交通営団(現在も同じ名前)が設立 されて、東京地下鉄道株式会社の路線(浅草−新橋)と東京高速鉄道株式会 社の路線(新橋−渋谷)を譲り受け、営団地下鉄が事業を開始しました。
(現在の銀座線)

現在では営団地下鉄は8路線、総延長171.5km になっています。

東京にはこのほか都営地下鉄も走っていますが、そのほか地下鉄の走ってい る都市は日本に札幌・仙台・横浜・名古屋・京都・大阪・神戸・福岡、と 8都市あります。これらの地下鉄の路線の総延長は、日本の鉄道のわずか 2%にすぎませんが、輸送量では日本の鉄道全体の20%をも占めています。


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