
ツァラトゥストラ(4)
アナーヒータはゾロアスター教において最も人気の高い女神です。この神は 水の神、川の神、そして大地母神であり、インドのサラスヴァティ(弁財天) に相当すると考えられますが、観音菩薩の原型とも考えられます。
アナーヒータを讃える経典(ヤシュト)は「アルドゥイー・スール」と呼ばれ 30節132項からなる、非常に長いものです。
アナーヒータは川そのものであり、水そのものと考えられており、川の水が世 界に広がって行くように、アナーヒータは全ての場所に遍在すると考えられて いました。アナーヒータは治癒力を持ち、また軍神でもあって、悪魔に対抗す る存在であり、
・潅漑を増大する神聖なるもの ・家畜を増大する神聖なるもの ・耕地を増大する神聖なるもの ・富を増大する神聖なるもの ・領土を増大する神聖なるものと讃えられています。
「アルドゥイー・スール」に記述されているアナーヒータの性質は他に次のよ うな感じです。
・四頭の獣(風・雨・雲・霞)に引かれた戦車の手綱をとり、車を駆り進める ・1900人の軍隊を従えている ・美しい乙女の姿をしており、力強くて光輝があり、背が高い ・腰はくびれていて、形よい胸を持つ ・華麗な髪飾りを付け、黄金の四角な耳飾りを付け、黄金の長上衣を着る ・首飾りを付け、黄金の胸当てを付け、帯を締め、黄金の紐を結んだ靴を履く ・川をわたる時にいったん流れをとめて干上がった道を作ってわたることができる ・安産を守護するこの軍神としてのアナーヒータの側面は結構強く、「アルドゥイー・スール」 においても、半分くらいの記述がアナーヒータに捧げた戦争の勝利祈願の形 を取っています。その意味からして、アナーヒータには、ギリシャ神話の アテナの性質をかいま見ることができるように思います。
