アフラマズダとミトラ・キリスト教

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キリスト教がゾロアスター教から受けた最も大きい思想は「最後の審判」でしょう。

ゾロアスター教の基本的世界観では、世界には善と悪の対立があるが、やがて善が悪に打ち勝って、理想の世界がやってくる、と考えられています。その時に「最後の審判」が行われます。

現在は善と悪が混合している時代なので、人々は自由意志によって、善神であるアフラマズダとも、悪神であるアンラマンユとも契約できます。そして死んだ後は、アフラマズダと契約した人はアフラマズダが管理する死後の世界に行き、アンラマンユと契約した人はアンラマンユが管理する死後の世界に行くことになります。

アフラマズダが管理する死後の世界は「天国」, アンラマンユが管理する死後の世界は「地獄」と考えられます。

このゾロアスター教における善神との契約、という考え方もキリスト教において神との契約という形で輸入されています。ただしキリスト教では悪魔サタンとの契約という考え方は本来はなかったようです。

この「神との契約」と「最後の審判」の思想は、正確にいうと、ゾロアスター教から直接来たものではなく、ゾロアスター教と3000年以上前から互いに影響しあってきたミトラ教(あるいはミトラ思想)から来たものです。

ミトラ教はキリスト教以前のローマにおいて国教の地位を占めていました。

ミトラはマイトレーヤ、ミロクなどとも呼ばれており、日本では弥勒菩薩(みろくぼさつ)の名前で信仰されています。中国・朝鮮・日本における弥勒菩薩信仰では、弥勒菩薩は釈迦(しゃか)が亡くなってから56億7000万年後に兜卒天(とそつてん)に登場して、世界を救済するとされています。

だいたい5〜7世紀頃の朝鮮ではこの弥勒思想が非常に強く一種の社会現象になっています。その影響を受けて飛鳥時代の日本でも、この思想はかなり普及していたようです。一般にこの手の思想は世が荒れた時などに世紀末思想・終末思想として繰り返し流行します。

昔から、新興宗教ではしばしば教祖がキリストの再来とか釈迦の生まれ変わりなどと自称することがあります。中世の西洋にもそういう新興宗教はたくさんありましたが後世には「偽キリスト」などと呼ばれています。こういった思想も新たな救世主の出現を期待するミトラ思想の焼き直しという部分があります。そして、この手の教団は新時代を渇望する余り現社会の破壊をしようとして、危険な反社会的集団になりやすい面もあります。

ゾロアスター教においてもミトラは信仰されており、契約の神と考えられていましたが、ゾロアスター自身はそういう属性もミトラではなくアフラマズダに属すると考えていたようです。またササン朝ペルシャでは、最後の審判が行われるのはゾロアスターが登場してから3000年後と考えていたようです。その場合は最後の審判が行われるのは2400年頃ということになります。


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