世界の神話(36) 世界の始まり/プエブロ編

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プエブロはアメリカ南西部に住んでいたインディアンのグループである。言 語によって4民族に分類されるが、類似の文化を持つ。現在はアリゾナから ニューメキシコにかけての地域に分布する。

初めは「全てを包含するもの」アウォナウィロナだけがあり、その他は真っ 暗であった。

やがてアウォナウィロナから霧と小川が流れ出した。するとアウォナウィロ ナは太陽になった。太陽に照らされて霧は水となり海となった。アウォナウ ィロナは種を孕んで、海の中に入れた。種は生長してやがて海の上に顔を出 した。それは2つあって、ひとつが大地、ひとつが空となった。

大地が海に息を吹きかけると海から雲が浮かび上がり霧が流れて虹ができた。
空が息をすると雲から雨が落ちた。空がてのひらを開けると、中にたくさん の種があった。そのうち光る種を空自身に埋め込んで星ができた。ほかの種 は大地に渡され、これが穀物の元となった。

やがて大地の奥深くで様々な生命が生まれた。彼らを外に導くため、太陽が 大地の回りの泡に光を当てた。ここから「先に行く者」と「後に行く者」の 双子が生まれた。彼らは落雷を使って大地を裂き、その中に降りていって、 生物たちを導いた。その中に人間たちもいた。生物たちは多くの試練を乗り 越え、双子に導かれて次第に地上へと上がっていった。その過程で双子は彼 らに生活の仕方や性の営みを教えた。

人間たちが最初に地上に出た時、彼らは光に慣れていなかったのでシリウス を見て太陽と勘違いした。次いで明けの明星を見て太陽と勘違いした。そし てやがて本当に太陽が出てくると、その明るさに驚いた。彼らは自分たちが 裸であることを恥ずかしく思い服を作って身をまとい、サンダルを作って足 を保護した。

人間たちの中に聖職者ヤナゥルーハが出た。彼が杖をふると4つの卵が現れ た。その内2つは美しい青い卵で、あと2つは普通の白い卵であった。人々
のなかで、美しい卵に殺到したものと、のんびりしていて白い卵で我慢する ことになったものがあった。やがて青い卵は孵ってカラスとなり北へと飛び 去った。青い卵を選んだ人は多人数で「冬の人々」と呼ばれた。彼らは活動 的で強かった。やがて白い卵も孵って色鮮やかなインコとなり南へ飛び去っ た。白い卵を選んだ人は少数で「夏の人々」と呼ばれた。彼らは慎重で思慮 深かった。

プエブロの創造神話はまだまだ続くのですが、この辺で。また実際もっと細 かな話もあったのですが省略しました。一般に創造神話には2つのレベルが あります。つまり、宇宙創造から始まる所と「現在の世の中がどうしてでき たか」を取り扱うものです。今回の一連のシリーズでは前者のものだけを取 り上げています。実はこの宇宙創造神話を持つ民族は全体から言うと少数で す。そしてだいたい幾つかのパターンに分類できそうです。

・無あるいは混沌などから神が現れ、神が世界を創造する ・宇宙の卵が孵るあるいは破裂して、世界が生成された ・無あるいは混沌などから巨人が生れ、巨人が解体されて世界になる

日本やギリシャなどが最初のパターン。ドゴンやプエブロは2番目のパター ン、北欧や次回取り上げる中国は最後のパターンです。

(1999-07-21)
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