世界の神話(34) 世界の始まり/日本編(ホツマ版)

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明治以降「何故だぁ?」と言いたくなるほど大量の「古代文書」が世に出て きたが、その多くは「偽書」とされ、出版が禁止されたり原本まで破壊され たりして異様な弾圧が行われた。これは明治維新がもたらした一種の開放感 が引き起こしたものであろうが、日本の起源に関して色々な説が出てくるこ とは皇室を形式的な中枢に据えて政治を牛耳ろうとしている勢力にとっては 危険極まりないものであった。故にそれらは弾圧されたのであろう。

そういう「古代文書」としては「上記」「九鬼文書」「竹内文書」「物部文 書」「宮下文書(富士古文献)」「東日流外三郡誌」などがあるが、なかでも 特によく知られ、ファンが多いのが「ホツマツタエ(秀真伝)」である。

これは正確には「ホツマツタエ」「ミカサフミ」「フトマニ」など一連の 「ホツマ文字」で書かれた文書群である。伝承によれば「ホツマツタエ」は 景行天皇(ヤマトタケルの父)の時代に書かれたとされるが、「冷静な」研究 者からはこの文書は江戸時代後期の、国学思想が強い影響力を持ち「古神道」
の流れが登場してきた時期に書かれたものであろうという推測も出ている。
その辺りは実際に直接文書を見て各自判断して頂きたい所である。

さてホツマ版の神話を見ていくとき、いくつかのポイントがありそうである。
まず、最初に出てくる神はクニトコタチの神(国常立神)になっており、こ の神はアメノミオヤ(天御祖)、更にはミナカヌシ(御中主)の転生である としている。この神が更にタカミムスビ(高産霊)神、トヨケ(豊受)神と 転生したとされており、伊勢神宮の外宮の神として知られる豊受神に重要な 地位が与えられている。

その昔何も区別がない所に兆しが出来て、陽の気が天を作り、陰の気が地を 作った。神はその中にあった。最初に現れた国常立神にはたくさんの御子が 生まれ、その御子たちを各地に派遣して、これが国の君の始まりとなる。又 この国常立神の子供の中に、トホカミエミタメの八元の神、東西南北中の五 方位の神があって、前者が政治を後者が地方の管理をした。そして思兼神が 五方位の神に嫁いで、五臓六腑の神が生まれた。

さて、国常立神の次に生まれたのは国狭土神、そして豊雲上野神、と次々と 神が生まれていきやがて伊弉諾・伊弉冉が生まれて、オノコロ島に降り立っ て国産み・神産みをはじめる。この付近は大体記紀の記述と対応している。
成り成りて......の文章もちゃんと入っているし、蛭子が生まれるくだりも そのままである。(この付近2〜3紋,22紋)

ホツマにおいて多くの人が最も強調するのは、アマテル神(天照大神)が男神 として記述されていることである。しかし、そもそも天照大神の性別に関し ては古来より女神説・男神説の両方があったのである。そして江戸時代中期 以降は女神説が優勢となって現在に至るが、ホツマは男神説の系統を引いて いる。このホツマにおけるアマテル神には12人の妃があり、それぞれが1年の 各月の守護者であったとする。(6紋)

ホツマには陰陽思想やトホカミエミタメなど「古神道」の思想が色濃く反映 されている。第28紋には古暦のことも書かれている。その昔「鈴木」または 「マサカキ」という霊木があり、1年に穂が1つ、60年で1枝つき、1000枝出来 た時に新しい種を植えて次の「鈴木」を作る。これによって鈴木1本で6万年 の時を数えた、というから遠大である。

(1999-07-12)
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