世界の神話(6) インド神話とペルシャ神話

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インドとペルシャは同じアーリア人の国です。このためこの両国の神話には 色々と対応するものがあり、対応する神様もいます。但しここに重大な相違 があります。

インドでもペルシャでも善神と悪神たちの対決というモチーフがあります。
しかし、ここでペルシャでは善神がアフラと呼ばれ、悪神はダエーワと呼ば れているのに対し、インドでは善神がデーヴァと呼ばれ、悪神はアシュラと 呼ばれています。つまり善悪が反転しているのです。

これは恐らくインドに来たアーリア人はデーヴァの神々を奉じており、ペル シャに来たアーリア人はアフラの神々を奉じていて、両派が対立していた為 相手の神々を悪神ということにしたのではないかと思われます。

ペルシャの宗教というと現在はイスラム教ですが元々はゾロアスター教でし た。現在そのゾロアスター教はインドで「パールシー教」と呼ばれ、かろう じて命脈を保っています。「パールシー」は「ペルシャ」のことです。

元々古い宗教があった所にゾロアスター(現地名ザラスシュトラ, ドイツ語 読みツァラトゥストラ)が登場して経典や教義の整備を行ったとされます。
すなわち彼は宗教改革者と考えられます。

一方のインドでは元々インダス文明が栄えていて、その文明に属する神々が いましたが、そこにアーリア人が侵入してきて、現地の人々を支配するとと もに宗教的にも元々の神々と自分たちの神々の融合を図りました。そうして 成立した宗教がバラモン教ですが、ここに釈迦たち何人かの新興宗教設立者 が現れ、それに刺激を受けてバラモン教側も自己改革していきます。そうし て生まれ変わったのがヒンズー教です。

その釈迦が生み出した仏教にはそのヒンズーの神々が取り込まれて行きまし た。結果的にはインドに対応する神のいたペルシャの神々も取り込まれてい ます。この為、日本−インド−ペルシャ−メソポタミア−ギリシャ−ローマ とつながる神々のチェーンが出来ているケースも多々あります。

日本や朝鮮で弥勒菩薩(みろくぼさつ)と呼ばれ、インドやローマでミトラ と呼ばれた契約の神もそういった広い範囲で信仰された神の一人です。また 日本の愛染明王とローマのキューピッド, 日本の市杵島姫命とペルシャの アナーヒータなども関連があります。(前者は多分同じ起源。後者は役割が 近いことから後世に関連づけされてしまった)

(1999-03-31)
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