世界の神話(5) 神々の黄昏

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一般にこの世の始まりについて語る神話は多いですが、この世の終わりにつ いて語る神話は比較的少ないと思われます。その中の代表の一つが北欧神話 における神々の黄昏(ラグナレク)でしょう。

発端は主神オージンとその妻フリッグの間の息子バルドルが不吉な夢を見た ことから始まります。その夢を聞いたフリッグはバルドルの身に不幸が訪れ ないように、世界中のあらゆる物にバルドルを傷つけないことを誓わせまし た。そこでバルドルは不死身の体になったため、神々はバルドルの体に色々
なものを投げつけて遊ぶことを始めました。

ここで乱暴者のロキは悪い心を起こし、フリッグに「ほんとうに全ての物に 誓いをさせたのですか?」と聞きます。するとフリッグはロキの悪巧みには 気付かず「ヴァルハラの西の宿り木の新芽だけはまだ幼いのでその必要は無 いと思い誓いを立てさせていません」とうっかり漏らしてしまいます。

いいことを聞いたと思ったロキはその新芽を取ってきて、目が不自由な為に バルドルに物を投げて遊ぶ遊びに参加できずにいたヘズに「ほら、バルドル はあそこだよ。これを投げてごらん」と言って、その宿り木の新芽を渡した のです。ヘズが喜んでそれを投げると、宿り木はバルドルの胸を貫き、バル ドルは死んでしまいます。

この事件に怒ったオージンはロキを捉えさせ、ロキの息子のナルフィを八つ 裂きにして、その腸でロキの手足を縛り、上から毒蛇が落ちてくるようにし て永遠の責め苦を与えます。

しかしやがて長い冬が夏をはさまずに6年間続いた時、太陽や月が狼に呑ま れ、星が全て天から落ちて大地が大きく揺れます。この時、ロキは呪縛から 逃れて、息子のフェンリルやヨルムンガンドらとともに反撃を始めるのです。

フェンリルは天から地まで届くような大きな口を開けてオージンを飲み込ん でしまいます。トールはヨルムンガンドと激しく闘い、ついにこれを倒しま すが、ヨルムンガンドの毒にあたって死んでしまいます。テュールはガルム と、ヘイムダルはロキと相打ちになります。フレイもスルトに倒されます。
そして最後はスルトの炎が全ての世界を焼き尽くしてしまいます。

しかしその炎がおさまった後、海から美しい緑に覆われた大地が浮かび上が り、そこで生き残った神たちや人々が、ながく幸福な時代を刻み始めます。

(1999-03-27)
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