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written by そよ風 on 98/08/16 00:30


          ふしのま
●難波潟 短き葦の 節の間も 逢はでこの世を 過ぐしてよとや/伊勢

解説:−

 実は伊勢さんのことを調べるのに、えらく日数がかかってしまいました(^^;;

 877年頃の生まれで、939年頃亡くなっています。美人で、小野小町に匹敵す
 るとも言われたそうです。三十六歌仙の一人。伊勢守・藤原継蔭(つぐかげ)
 の娘であったため「伊勢」の名前で記録されています。

 宇多天皇の中宮・温子に仕え、最初その温子の兄の藤原仲平と愛し合いまし
 たが、やがて別れました。この百人一首の歌はその別れの頃に歌われたもの
 と言われています。

 そして、その後、宇多天皇と愛し合って行明親王を産み、その後今度は宇多
 天皇の皇子の中務卿・敦慶親王と愛し合って、後にやはり三十六歌仙の一人
 となる中務(なかつかさ,のち源信明の妻)を産みました。

 という訳なのですが、伊勢さんが宇多天皇の子供を産んだと書かれている本
 と宇多天皇の皇子の子供を産んだと書かれている本があって、困っていたの
 ですが、結局両方とも事実でした。美人ならではでしょう(^^)


 歌を見ていきましょう。

 難波の潟に生えている葦。その葦の節と節の間のように短い時間でさえ
 あなたと会うこともままならいまま、この世をすごしなさい、というの
 でしょうか?

 節(ふし)と節(ふし)の間のことを「節(よ)」といいます。漢字で書くと
 訳が分からなくなるのですが、この「節」と「世」とが対比されていま
 す。そして、葦の節は短いということから、そういう短い時間も会うこ
 とができないのでしょうか?と相手の男に呼びかけて恨み言を言ってい
 るわけです。

 最後の「過ぐしてよとや」は「過ごしてよ」とや。 最後の「や」は
 疑問の助詞。「てよ」は完了の助動詞「つ」の命令形です。

試訳
 Short knots of short reeds
 Growed on Naniwa Inlet;
 Why you cannot meet me
 Even a short time like them,
 Lefting me lonely in the world?



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