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written by そよ風 on 98/07/09 06:21


●住の江の 岸に寄る波 夜さへや 夢の通ひ路 人目よくらむ/藤原敏行

解説:−
 藤原敏行は900年頃の人で三十六歌仙の一人です。右兵衛督の地位にありま
 した。書もうまかったとのことです。この百人一首の歌以外で有名な歌とし
 ては次のものもあります。

   秋来ぬと 目にはさやかに 見えねども 風の音にぞ 驚かれぬる

 さて、表題の歌を見ていきます。「住の江」は住吉(海の神様)のことで、
 「住の江の」で「岸」に掛かる掛詞です。そして「岸に寄る波」と言った所
 で「夜」を出してくる。寄る−夜という同音語を利用して、言葉を導き出し
 ています。つまり「住の江の岸による波」までが「夜」の修飾語です。

 「よく」は「良く」ではなく「避く」。人目を避けてしまうということ。つ
 まり、(昼も)夜も、そして夢の中でも、あなたの所へ通うのに人目を避け
 ようとしてしまいます。と言っている訳で、つまり、なかなかあなたと会え
 ませんと言っている訳ですから、要するに女から「ごぶさたね」となじられ
 たのに対して、「ついつい人目が気になって」と下手な言い訳をしているこ
 とになります。

試訳:−
 Thousand of waves of surf
 Coming to the shore;
 Like that my heart wants to come to you
 Even in night, even in dreams,
 Unless people see it.



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