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↑ 国産初のパイプオルガン(1932)


1932年(昭和7)1月7日、日本楽器(現ヤマハ)が国産初のパイプオルガンを制作
しました。このオルガンは東京本郷の聖テモテ教会に設置されました(1945年
の東京大空襲で焼失)。

鍵盤楽器は(電子式を除けば)基本的に弦式のものと管式のものに大別できます。
前者がピアノやハープシコードで、後者がオルガンやアコーディオンになります。

オルガンの中で小学校の音楽室などによくあった足踏み式あるいは電動式の
ものは「リードオルガン」と呼ばれるもので、足踏みあるいは電気により
リードと呼ばれる薄い板を鳴らし、その音を管で共鳴させて音を出しています。

これに対してパイプオルガンは、リードオルガンと同様のリード管も持って
いますが、主役となるのはリードを持たない、フルートなどと同様の管だけで
音を出すフルー管です。実際のパイプオルガンには色々な管のセットが揃って
いて、それを「ストップ」と呼ばれる切り替えスイッチの操作で選択し、鍵盤
によってそのセットの中のどの音程の管を鳴らすかを指定しています。

パイプオルガンの原始的な形は古代ローマの時点で既にあったようですが実際
に今のような形に発達してくるのはルネッサンス期ころ以降でしょう。歴史的
な有名な作曲家には『カノン』で有名なパッヘルベル(1653-1706)や、『トッカ
ータとフーガ』『主よ人の望みの喜びよ』など多数のオルガン曲を残したJ.S.
バッハ(1685-1750)などがいます。

うちの母は子供の頃、琴が習いたかったのに祖母(私の曾祖母)から「琴はどこ
かに持っていこうと思っても、そうそう持ち運べないだろう。三味線ならどこ
にでも持っていける」と詭弁らしきもの?を弄されて、三味線を習うことにな
ったそうですが、パイプオルガンは「持ち運べない」楽器の最たるものでしょう。

普通の楽器は買いますということになったら、店頭で買って持ってかえるか、
ピアノやエレクトーンのように重いものは運送屋さんに運んでもらう訳ですが、
パイプオルガンの場合は(小型のものを除いては)概して「現地で建設する」
という感じになります。

パイプオルガンの制作をしている会社は国内に幾つかあると思いますが、教会
などでは外国のメーカーから買う場合もよくあるようです。その場合、その国
から技術者が何人かやってきて何ヶ月か掛けてパイプを組み立て、実際に鳴ら
しながらパイプを削ったりして調律をしたりするようです。

現在国内に設置されているパイプオルガンの中で大きなものとしては次のよう
なものがあります。

             ストップ数 パイプ本数 メーカー
 東京芸術劇場        126    8286   ガルニエ
 東京NHKホール      92    7640   カールシュッケ
 京都コンサートホール    90    7155   クライス
 愛知県芸術劇場       93    6883   カールシュッケ
 東京サントリーホール    74    5898   リーガー
 所沢ミューズアークホール  75    5563   リーガー
 石川県立音楽堂       69    5143   カールシュッケ
 札幌キターラ        68     4976   ケルン
 新潟市民芸術文化会館    69    4843   グレンツィング
 武蔵野音楽大学       66    4644   クライス
 横浜みなとみらい大ホール  62    4623   フィスク
 アクトシティ浜松      64    4478   コワラン
 宮崎県立芸術劇場      66    4035   須藤
 大阪シンフォニーホール   54    3732   クーン
 小倉九州厚生年金会館    46    3029   ヴァルカー

これは別に国内ビッグ15というわけではありません。パイプ数3000を越すオルガン
はまだ他にもかなりあると思いますが、情報が取れた範囲で。

私の手元に1枚の非売品のレコードがあります。これは山口のザビエル教会に
行った時に入手したもので、同教会のオルガニストの方の演奏が収録されてい
ます。このレコードを制作した時のオルガンは当時既に防府の教会に譲られて
おり、山口ザビエル教会には新しいオルガンが設置されていたのですが、これ
が1991年に教会ごと火事で焼けてしまいました。

私が持っているレコードに収録された音を出したオルガンはスペイン製で760
本、あの時、私が見たオルガンはドイツ製で1600本のオルガンでした。教会は
2000年に再建がなり、新しい教会には新しいオルガンが設置されたそうですが、
これはまだ見に行ってません。


(2002-01-06)

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