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written by Lumiere on 96/01/09 05:07



さて、大将のヘクトルが倒れた後、トロイ側は城壁の中に立て篭って最後の抵
抗を試みていました。そんな中、アキレスはプリアモス王の娘ポリュクセネを
見初め、彼女に求婚をします。プリアモスはもし彼女がアキレスと結婚して彼
が自分の義理の息子になれば両軍を仲介して和平を成立させてくれるかも知れ
ないと期待し、この縁談を進めます。しかしパリスは和平が成立すれば当然ヘ
レネを返さなければならない為これに抵抗、二人がデートしている所に忍んで
行き、アキレスのかかとに毒矢を放ち、彼を殺してしまいます。アキレスはこ
こだけが弱点でした。目の前で恋人が兄に殺されたポリュクセネは泣き崩れ、
発作的にアキレスのかかとにささった矢を引抜き、自分の胸に突き立てて自殺
してしまいました。

また、アキレスが死んで危機感を抱いたギリシャ側は、ヘラクレスの矢を持っ
ているピロクテスを戦場に呼び出していました。彼の放った矢は見事パリスを
射抜き、問題の人物は倒れました。

一方一時の気の迷いでパリスに付いて来たものの何とか逃げ出して夫のもとに
帰りたいと思っていたヘレネは、トロイ陣中に忍んで来たオデュッセウスにば
ったり会います。彼はディオメデスとともにトロイを守っているパラディオン
の像を盗み出しに来たのです。彼女は二人に協力して像を町の外に出し、これ
でトロイに神の守りが及ばなくなりました。

そこまでやっても篭城しているトロイの城壁の守りは固く、小競り合いは続き
ましたが、ギリシャ側もなかなか決定打を出せず、せめあぐねていました。

しかしそろそろ、ギリシャが最後の大攻勢を仕掛けて来るのでは、と待機して
いた時、突然ギリシャの船がみんな帰り支度を始めました。バタバタと船が夜
の内に港を去って行き、翌朝トロイの城壁の外には巨大な木馬が残されていま
した。一人のギリシャ兵が捕らえられました。彼は拷問に合うと、シノンと名
乗り、この木馬はギリシャ人がアテナに捧げたもので、これが万一トロイの町
の中に入れられてしまうとトロイが戦争に勝つことになるので、絶対に中に入
れられないような巨大な像を作ったのだと申立てました。(シノンはオデュッ
セウスの従兄弟であるとされます)

この木馬についてプリアモスの娘カサンドラは、それが危険なものであること
を予知し、みんなに告げようとしましたが、アポロンが彼女の言葉を誰も信用
しないようにしてしまった為、彼女の言葉は無視されました。また神官のラオ
コオンもこの木馬にただならぬものを感じ、木馬を廃棄するように主張し、自
ら木馬に1本の矢を放ちました。するとどこからともなく巨大な蛇が現れて、
彼を締め殺してしまいました。人々はこれは神罰だと言い、苦労して町の中に
引き入れ、宴会をして、突然降って湧いた勝利に酔いしれるのです。

そして人々が酔いつぶれた頃。

木馬の中からたくさんの兵士が現れました。彼等は町に火を付け、酔いつぶれ
ている兵士たちをどんどん斬り殺し、あっという間にトロイを壊滅させてしま
いました。

いつしかギリシャの船も戻っていました。アキレスの息子のピュロスも勇敢に
戦いました。彼は最後トロイの王子ポリテスと一騎討ちになり、彼を倒しまし
た。プリアモス王は逃げようとしていましたが、目の前で息子が倒されたのに
動転して彼の死体にすがりつき、無謀にもピュロスに切り掛かりましたが、む
ろん、あっけなくピュロスに殺されてしまいました。

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さて、戦いは終わりました。ヘレネは無事メネラオスの許に戻り元のさやに納
まりました。二人は軍隊とは別にさっさとギリシャへ帰ってしまいました。神
々もこの二人の態度には呆れて、二人の船をあちこちの島に流したりしました
が、全然めげずに無事故郷へ帰り着いたのです。そして二人は娘のヘルミオネ
をアキレスの息子ピュロスと結婚させ、盛大な祝宴を開きました。

これに対して、戦時中さんざん苦労したアガメムノンには悲惨な運命が待ち受
けていました。彼の留守中に妻のクリュタイムネストラはアイギストスと浮気
をしていました。そしてアガメムノンが帰って来ると彼が邪魔であるのと、娘
のイピゲネイアを生贄にしようとしたことに腹を立てていたのとで、アガメム
ノンを殺してしまいます。

アガメムノンとクリュタイムネストラにはイピゲネイアの他にエレクトラとい
う娘とオレステスという息子がいました。アイギストスがオレステスも殺そう
としているのを知ったエレクトラは彼を秘かに他の国に逃し、自分は母思いの
娘を偽って復讐の機会を待ちます。

やがてオレステスは立派に成長し、姉の元に戻ってきます。そして二人は父の
かたきアイギストスと不義な母クリュタイムネストラを殺すのです。この殺害
に復讐の女神たちが異議を唱えました。彼女らはどんな事情があるにせよ親を
殺すことは許されないと言って二人をタウリスの島に追いやります。そこの島
では普通訪れた者は神の生贄に捧げられてしまうのでした。

ところが、このタウリスの島の巫女こそ、二人の姉イピゲネイアでした。3人
は再会を喜び、イピゲネイアは巫女の仕事を放っぽりだして妹弟とともに島を
脱出し、アテナ神に保護を求めます。復讐の女神たちがアテナに姉弟たちを引
き渡すよう要求しますが、アテナは裁判を行ないます。陪審員の票は同数でし
たが、アテナは無罪を言い渡します。

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さて、死にはしなかったものの散々な目に遭ったのはオデュッセウスでした。
この冒険談はホメロスの長編叙事詩「オデュッセイア」に描かれています。
なお、オデュッセウスはローマではユリシーズと呼ばれます。

キュクロプスの島では一つ目の巨人に洞窟の中に監禁され、毎日部下を2人ず
つ食べられていくという目に遭いました。

ライストリュゴンの島では乱暴な住民に襲われ、オデュッセウスの乗った船以
外が全部沈められてしまいました。

アイアイエーの島では島の魔女キルケーに豚にされかかりましたがヘルメスに
助けられました。キルケーは親切にこの後の危険な場所を教えてくれました。

セイレーンの島のそばを通った時は美しい歌声に魅入られてその島に近付きた
い誘惑にとりつかれました。がキルケーの忠告で耳に蝋を詰め、体を帆柱にし
ばりつけておいた為、難を逃れました。

スキュラとカリュブティスのいる海では十分注意していたにも関わらず数人の
船員を失いました。そして、とうとうトリーナキエーの島で、島の神の怒りに
ふれて船が砕かれ、オデュッセウス以外の船員はみな死んでしまいました。

オデュッセウスは船の破片を継ぎ合せていかだを作り、スゲリアに流れつきま
した。その島の王の娘ナウシカが彼を発見し、保護します。オデュッセウスは
ナウシカの父アルキノオスに故郷に帰るため船を貸してくれるよう頼み、王は
快く承知して、船と元気のいいこぎ手を用意してくれました。ナウシカは彼が
行ってしまった後もオデュッセウスのことが忘れられず、一説には自殺してし
まったとも、一説にはオデュッセウスの国まで行って結局彼の子供のテレマコ
スと結婚したとも伝えられます。

さて、そうやってオデュセウスがやっと故郷に帰ったのは彼が故郷をたってか
ら実に20年もたった時でした。その頃オデュッセウスの妻ペネロペは、もう
オデュッセウスは死んだのではないかといって言い寄る求婚者たちに手を焼い
ていました。一説ではオイアクスがオデュセウスが戦場で死んだと伝えた為崖
から身を投げて死んだのを海の女神テティスに助けられたとも言います。また
二人の間の息子のテレマコスは父がなかなか帰ってこない為自らも父を探す冒
険に出てかなり危険な航海をしてきたという物語もありますがここでは割愛し
ましょう。

さて、オデュッセウスは様子を見るため乞食に身をやつして屋敷の中に入りま
す。そして、まずテレマコスに会って帰って来たことを報告し、それから屋敷
の中に押しかけていたペネロペに求婚するものたちを皆殺しにしてしまいます。

そしてペネロペと再会する訳ですが、さすがに20年ぶりであるため、この血
まみれの男が本当に自分の夫がどうか確信が持てません。しかしオデュッセウ
スが二人が出会った時の事などを語ると、やっと本人だと分かり、彼の胸に飛
び込んで喜びの涙にくれたのです。

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さて、最後に負けた側のトロイの人々の行く末を追いかけましょう。トロイが
陥落した時、ごく一部の人たちがそこから脱出できました。その中には歴戦の
勇士でトロイの王族の一人でもあるアイネアスもいました。彼は燃え盛る自分
の国に涙しながらも生き残った者たちの為に新しい国を探す旅に出ます。

彼等の冒険はウェルギリウスの大叙事詩「アイネアス」に描かれています。

彼等もオデュッセウスに負けないほどの色々な冒険をしました。エーペイロス
では、ヘクトルの妻アンドロマゲに再会し、色々な支援を受けました。彼女は
アキレスの息子のピュロスの奴隷にされた後、ギリシャの武将の妻になり、そ
の地にいたのですが、夫の死後はヘクトルの弟ヘレノスと結婚します。

キュクロプス島にも来ました。ここではオデュッセウスの部下でおいてきぼり
をくらった者たちに会い、合流しました。

スキュラとカリュブティスの海は避けた方がよかろうと遠回りをしていたら、
彼等の順調な航海を恨んだヘラが風たちに命じて船を嵐に巻き込みました。し
かしポセイドンは自分が命じた訳でもないのに海が荒れているのに気付き、風
たちに停止を命じ海を静かにしました。

アフロディーテは彼等が目的地に無事たどりつけるよう協力して欲しいとポセ
イドンに頼みました。ポセイドンは承知しましたが、一人だけ船員の中から生
贄を欲しいと所望しました。ポセイドンが選んだのは舵取のパリヌロスでした。
ポセイドンは眠りの神ヒュプノスに命じてパリヌロスを眠らせ、海に落しまし
た。しかしアフロディーテとの約束を守って舵取り無しでも船を安全に目的地
まで送り届けたのです。

その目的地はイタリアでした。

最初についた国はルトゥリー族の国でした。一行はそこの王ラティヌスに歓迎
され、そこに落ち着けるかに見えましたが、ヘラは復讐の女神アレクトーに命
じて、その国の者にアイネアスの一行を襲うように仕向けました。そこで彼等
はその国を逃れ、現在のローマの地に住み、ルトゥリー族と対立していたエウ
アンドロス王の国に保護を求め、一緒に戦うことを提案します。

エウアンドロスはこれを受け入れ、両国の間に激しい戦いが起きます。パラス、
カミラ、トゥルヌスといった勇者が両軍に出ました。そして最後はアイネアス
が敵の勇者トゥルヌスを倒し、勝負は決着しました。

アイネアスは結局ラティヌス王の娘、ラウィニアと結婚します。そして彼等が
作った町で、後にロムルスとレムスが生まれ、この二人がローマ帝国を築くの
です。




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