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イメージの源泉(4-2)
written by Lumiere on 95/12/07 07:05
イメージの源泉 第四部 ギリシャの風 (2)ゼウス ギリシャ神話におけるゼウスの物語は大きく2つに分けて考えることができま す。彼がオリュンポスの主神になるまでの物語となった後の物語です。 まず主神になった後の物語ですが、ゼウスという神はまるで、とてつもなく女 癖の悪い男、という感じです。あちらの女をはらませ、こちらの女に手を出し、 彼の毒牙にかかった女性はダナエにイオにセメレにエウロペにレダにレトに、 と数えていたらキリがありません。全く何て奴だと言いたくなる所ですが.... しかしこれは色々な神が権威付けされる為に或いは民族統合の過程で神様同士 が親戚であることにする為に、ゼウスの子供であることにされたため、こうい った話になってきたのではないかと思います。 従って、そういった物語におけるゼウスというのは単なる「天」の象徴という ことになり、ゼウス自身の性格というのは極めて曖昧です。つまりゼウスとい う神は中核神としての役割が強く、あまり個性を持っていないようにも思われ ます。 ではゼウスが神々の王となる過程にはどのようなことがあったのでしょうか。 その物語は普通ガイアから語り始められます。 ガイアは大地そのものであり、神々の母です。ガイアはカオスから生まれたも ので、父も母もありません。彼女の兄弟にはエレボス(闇)と二ックス(夜) がいます。ちなみにエレボスとニックスは結婚してアイテル(光)とヘメラ (昼)を産みます。 ガイアはまず一人で天であるウラノス、海であるポントスたちを産みます。そ して息子であるウラノスと結婚してオケアノスとテテェス、コイオスとボイベ、 ヒュメリオンとティア、そしてクロノスとレアを産みます。 オケアノスとテテェスは結婚してアジア(アジア大陸)やステュクス(三途の 川)を始めとする3000人の娘や、川の神アケロオスなどを産みました。コ イオスとボイベも結婚してアステリアやレトを産みました。ヒュメリオンとテ ィアも結婚してエオス・ヘリオス・セレネの3人を産みます。 またガイアとウラノスの間には3人のキュクロプスと3人のヘカトンケイレス も生まれました。キュクロプスは一つ目の巨人で雷と稲妻を持っていました。 ヘカトンケイレスは百の腕と50の頭を持っていました。 さて、天の神ウラノスは長い髭を持ち、高い山の上に座してよく瞑想をしてい ました。彼は夜ごと母であり妻であるガイアの元にやって来て交わっていまし たが、ガイアは彼の高慢な態度を嫌うようになってきました。そこで彼女は息 子たちに、誰か父を倒して新しい王にならないかと相談します。すると一番下 の息子クロノスが名乗り出て、母親から鎌を貰います。 クロノスはウラノスが昼寝をしている所にしのびより、彼の陽根を鎌で切り落 としてしまいます。ウラノスはこの為力を失ってしまい、森へ去って行きます が、その時クロノスにこう告げます。「お前は父の私を倒して王の地位を奪い 取った。やがてお前自身も同じ運命になるであろう」 なお、この切りとられた陽根は海に落ちて、その泡から美の女神アフロディー テが生まれます。 さて、クロノスは父に代って神々の王の地位に付き、姉のレアと結婚しますが ウラノスの最後の言葉が気にかかって仕方がありません。そこで彼はレアが産 んだ子供を生まれるや否や呑み込んでしまいます。これを不服に思ったレアは 母のガイアに相談して知恵をさずけられ、闇夜に外で子供を産み、大きな石を 産着に包んで家に戻ります。クロノスはそれと気付かず石を呑み込みます。 この難を逃れた子供がゼウスで、彼は成長するとレアと協力してクロノスを倒 す為に立ち上がります。彼はまずクロノスの背後にしのびよって、思いっきり 背中をつきとばします。すると彼の口からまず大きな石が飛びだし、更に飲み こまれていたゼウスの兄や姉たちが飛び出しました。彼等は後に冥界の王にな るハデス、海の神になるポセイドン、大地の神となるデーメテル、かまどの神 となるヘスティア、そしてゼウスの妻となるヘラの5人です。 ゼウスはこの兄姉たちとともにクロノスに挑みますが、クロノスも手強くなか なか倒せません。戦いは十年続いたと言われます。しかしやがてゼウスは一つ 目の巨人キュクロプスたちと、百の腕を持つヘカトンケイレスたちがクロノス に幽閉されていたのを助け出して彼等の協力を得ることに成功します。そして キュクロプスたちにもらった雷の力でやっとクロノスを倒します。 こうしてゼウスは神々の王となり、姉のヘラと結婚し、オリンポスの主神とな るのです。一説によるとウラノスからクロノス、クロノスからゼウスというよ うに子供が親を倒して王位を奪ったように、ゼウスもまた娘のアテナ(又の名 はパラス,ローマ神話のミネルヴァ)に地位を脅かされたことがあったといい ますが、ウラノスの姉テテュスの指示を受けたヘカトンケイレスが彼のそばを 守護していた為、遂げることができなかったと言われます。 実際アテナの母はメティスですがメティスの産む子供はゼウスを倒して新しい 王になるであろうという予言があったとされます。そこでゼウスはメティスに 子供が出来たことを知ると、メティスをまる毎呑み込んでしまいますが激しい 頭痛に悩まされます。そこにゼウスとヘラの間の息子ヘパイストス(ローマ神 話のヴァルカン)がやってきてゼウスの頭を石でなぐるとゼウスの頭が割れて アテナが飛び出したとされています。アテナはゼウスの頭から飛び出したこと から知恵の女神となったのです。 この歴代の王は惑星にも名前を残しています。天王星−ウラノス、土星−クロ ノス(ローマ神話のサトゥルヌス)、そして木星−ゼウス(ローマ神話のジュ ピター)です。