※「セキュリティ保護のため...」というメッセージが出る方・日本語が入力できない方へ
■寛蓮と女の霊の対局
今昔物語二十四巻第六にあるエピソードです。 延喜の時(醍醐天皇の時代)、当時の第一級の碁の打手寛蓮は宇多上皇と2子で 打っていましたが、賭けに勝って金の枕をもらいました。上皇はくやしいので それを取り返させようとしましたが、寛蓮は追ってきた人にニセモノをつかま せて一杯食わせ、その金の枕を資金にしてお寺を建てたといいます。 さて、その寛蓮がある時、一条から仁和寺の方へ行こうとしていた時、女童が 「自分の主人がぜひ会いたいと言っているのでお寄り頂けませんでしょうか」 と言ってきます。そこで立ち寄ると、女がいて「たいへん碁の上手な方とお聞 きしました。私も父に教えられて腕に覚えがあるのですが久しく打っていませ ん。ぜひお手合わせさせて頂きたい」といいます。 それでは打ちましょうということになって始めようとするのですが、碁笥の 一方を女の方に渡そうとすると、女はそれはそちらに置いておいてくださいと 言って、打つ場所を60cmくらいの長さの木の棒で指し示して、それで寛蓮が 女の分まで両方石を並べる、という奇妙な方法での対局となりました。女は いきなり天元に打って来ました。「よく知らないものですから」などというの ですが、少し打ち進むと寛蓮の石は全滅になってしまいました。 寛蓮はやっと、この女はオバケに違いないと気づき急に怖くなってあわてて 逃げ出したとのことです。
この対局の仕方がまるでヒカルと佐為の対局みたいです。ほったさんがこの 物語をご存じだったかどうかは分かりませんが、やはり霊と対局するのには このやり方がいちばん自然なのでしょう。 しかし寛蓮は惜しいことをしました。女はひょっとしたら奈良時代の碁名人 の霊か何かだったかも知れませんしヒカルと佐為のような関係になることが できていれば、色々と教わることもあったかも知れないです。