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return 頂上対決編(109-116局)


第109局・toya koyo

塔矢名人がネット碁をはじめてから、世界各地で toya koyo のことが話題になっていました。本物かどうかいぶかしがっている人たちもいましたが、一柳棋聖との対局に勝ったのをたまたま見た人たちは本物と確信していました。そしてその人たちが一様に思い出していたのがsaiのことでした。

十段戦第四局。緒方の甘い手に名人が斬り込んで、結果は名人の圧勝。決着は第五局に持ち越されました。その対局の解説に来ていた一柳棋聖がそのネット碁の件を説明してくれました。2日前にネットでtoya koyoというハンドルを見かけ、名人の名前を騙る奴がいると思って対局したら本物だったというのでした。

名人の体調を心配して感想戦は短めでうち切られます。名人は心配して付いてきていた奥さん(初登場)とともに東京に帰りました。「次の対局のために気を緩めたくない」「ネット碁は遊びです。だが負けられない対局もある」と名人もsaiとの対局に向けて気合いが入ってきました。

第110局・昂ぶる心

名人は入院中というのに全然安静にしていないことにあきれ顔の医者の診察を受けた上で奥さんに明日は来なくていい、アキラにも言っておいて欲しいといいます。明日の対戦を前にネットに出ていく名人。やっている相手はRRことは李臨新。昨年のアマ世界大会の覇者ですが、なすすべもありませんでした。李はこの相手が本物の塔矢行洋であることを確信します。その対戦はオランダでも観戦されていました。

一方ヒカルは佐為と名人の棋譜を検討していました。「よくこんな手を思いつくな」というヒカルに佐為は対局者だから分かるのですと告げます。そばにいる者のほうが冷静であるかも知れないが、盤上に広がる世界の深い所は対局している者にしか分からないと。

第111局・sai再び

アキラはその日若手が集まる研究会に出るため朝早く家を出て電車で目的地に向かっていました。そしてヒカルとの対局を逃してしまったが、他の棋士との対局で間接的に彼の実力は分かるかも知れないなどと考えています。

ヒカル達は10時少し前ネットカフェにやってきました。受付にいたのは三谷姉ではありません。ヒカルは初めて料金を払ってマシンの前に座りました。やがてWWGOの画面にtoya koyoが現れ対局開始。持ち時間は3時間!コミは5目半、先番は名人になりました。名人が黒石を右上星に打ち、佐為も碁笥から白石を取り出しました。

第112局・sai vs toya koyo(1)

和谷が「ただいま」と言って家に帰ってくると、何、朝帰りしているのと母から叱られます。昨日は指導碁のあと冴木さんの家に泊まったのでした。叱られた気分転換にネット碁でもしようとマシンを起動しWWGOに接続しますと、そこにsai, toya koyo の名前を見つけます。そしてどうせニセモノだろうなどといいながら対局相手を見るとその2人が対局していることに気づきました。しかも持ち時間がネット碁とは思えない3時間!!「これは本物か?」と和谷は目を疑います。対局はtoya koyoの星にsaiが小目に応じた後、まだ序盤でした。

アメリカでもこの対戦に気づいていました。持ち時間が長いからゆっくり観戦しようとコーヒーでも入れています。オランダのマスターは友人から電話で起こされました。1年8ヶ月ぶりに登場した伝説の棋士saiと間違いなく塔矢名人と思われるtoya koyoの対局に彼は興奮します。

名人は思っていました。相手にとって不足はない。アマチュアとは思えないが、思い当たるようなプロ棋士もいない。負けたら引退するという前言を撤回するつもりはないが、私が勝ったら名前を明かしてもらうぞ、という厳しい表情。そして名人の黒石に佐為がかかってきて戦いの火蓋は切って落とされます。

第113局・sai vs toya koyo(2)

saiとtoya koyoの対戦に中国の李臨新も気付きました。saiが仕掛けてtoyaが長考した後のtoya(黒)の一手を李臨新はいぶかります。これは白が望んだ手のはずだ、と。しかし盤面が進むと、白の思惑通り進んでいるかに見えた局面がいつの間にか黒有利に変化していました。塔矢名人の心中「これが名人の私の碁だ。容赦はしない」。和谷がこの展開に感動しています。

一方アキラは若手の研究会に出ていましたが、話題が名人がネット碁をしているという話に至りました。今やってるかな?とパソコンを付けてWWGoに接続した所、toya koyoの対局にすごい数のギャラリーが付いているのに驚きます。そして一同は互先で黒の名人に充分渡り合っている白の相手にも驚きます。その対局者の名前saiをそこにいた面々は知りませんでしたが、アキラには強烈なショックを与えました。「お父さんがsaiと打ってる?」

第114局・sai vs toya koyo(3)

ガールフレンドの所で昼過ぎまで過ごした緒方は帰りに塔矢名人の様子を見ようと思い、病院によります。ところが面会謝絶の札。まさか容態急変?と驚きますが、ちょうど部屋から出てきた看護婦から「ネット碁の邪魔をされたくないので面会謝絶の札を掛けておいてくれるよう昨日頼まれたのだ」という話を聞きます。

昨日のうちに頼んでいたということは前から約束していた人と打っているということ。いったい誰と打っているのか見ようと自宅に戻りパソコンでネットにつなぐと、なんて相手はsaiでした。

一方アキラの参加した研究会の面々も二人の対局に吸い付けられていました。盤面は大寄せに入っているように見えますが、リードしていると思われる名人が更に厳しい手を打ってきます。なぜそこまで?と訝しがる声にアキラは答えます。saiは読みも計算もズバ抜けている、相手の手を全部読んだ上で碁を自分の物にする手を必ず編み出してくる、と。

そのアキラは今朝母から聞いた言葉を思い出していました。ネット碁に集中したいので病院には来ないでくれと父が言っていたという。ということは、父はsaiと対局を約束していた。しかしいつ? 十段戦の第四局に出掛けた時か、それとも見舞いに来た客の中にsaiがいたのか?

そこまで考えてアキラはハッと市河さんが言っていたことを思い出しました。あの進藤も見舞いに来ていたと。

第115局・sai vs toya koyo(4)

アキラはtoya koyoとsaiの対局を見ながら、進藤のこと、そして2年前のsaiとの対局を思い出していました。緒方も進藤のことを考えながらもsaiの正体について思いを巡らしていました。そして名人もこの対局で相手から伝わってくる気迫に、ある人物との対局を思い出していました。それは新初段シリーズで進藤と対局した時に感じた不思議な威圧感。

それを考えていた時、白の打ち込みに名人は驚愕します。アキラのいる部屋の観戦者「打たれてみると、ここしかないという絶対の一手にみえる」「塔矢先生の手、どれも悪手とは思えない」緒方「互角、いやわずかに...名人が悪い」

第116局・千年の答え

saiの「絶対の一手」で形勢は逆転したまま盤上の闘いは進行。やがて小寄せに入ってしまいます。名人はここからはこの相手にもう逆転はあり得ないことを悟り投了。しかしなぜここで投了になるのか分かる観戦者は少数でした。

そんな観戦者の中で一人アキラだけは「saiは昔の進藤だ」という核心に迫る回答を導き出していました。そして超ハイレベルな闘いが終わって満足な表情の佐為。その晴れ晴れとした表情の佐為に、ヒカルは対局者が二人とも見逃していた黒再逆転の手順を提示してみせます。驚く佐為。そしてその時佐為は自分が今まで1000年間存在し続けられたのは、この一局をヒカルに見せるためだったのだということに気づいてしまいます。


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