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対決前夜編(105-108局)
第105局・プロ第一戦森下九段の研究会で「和谷も進藤も二人とも通って良かった」という森下ですが、そこでヒカルは大手合い(プロ棋士の昇段の為の対局。年間8〜12局ほど)を知らないと言って、また呆れさせます。そして新入段の免状授与式。各種の賞の授与式と一緒に行われます。その会場で塔矢アキラと遭遇したヒカルは、アキラに黙殺されたことから怒りが頂点に達し「あいつ、追いつくだけじゃない。追い越してやる」と誓うのでした。
そのアキラに天野が声を掛けます。「対戦表を見たかい?進藤の初戦の相手だけど」「知ってます」と唇を噛みしめるアキラ。そして授与式のあと別室で新初段の3人に対する説明会。そこで3人に大手合いの対戦表も渡されました。ヒカルは初戦の相手を見て「え?」と驚きます。
第106局・プレッシャー
果たしてヒカルの初戦の相手は塔矢アキラでした。さきほどのアキラの不自然な態度はこれを知っていたからだったのでしょう。ヒカルは健闘を誓います。
そして対局の日。ヒカルが緊張した面もちで棋院にやってきますと、冴木さんが待っていて「緊張をほぐしてやろうと思って」と言ってくれました。冴木さんとの会話ですっかり和らいだヒカルですが、いざ碁盤を目の前にすると、手が震えて、碁笥のふたを落としてしまいました。ヒカルはそれが、以前囲碁大会でアキラと対決した時に、アキラがヒカル(実は佐為)に対して全力で挑みかかろうとしていた時にした動作と同じであることに気付きました。
ヒカルはその時のアキラと今の自分が同じ立場であることを思いつつ、彼がやってくるのを待っていました。
しかし対局開始の時刻となったのに彼は来ませんでした。戸惑っているヒカルを棋院の人が外に呼び出します。「塔矢君は来ない。名人が倒れられて救急車で」と、棋院の人は告げたのでした。
第107局・告白
塔矢名人は十段戦を緒方九段と戦っていました。1局目名人、2局目緒方と取ったあとで、3局目が名人のダウンにより緒方不戦勝となったのでした。その名人の病室には心配して緒方と碁会所の受付の市河さん、常連の広瀬さんが来ていましたが、そこにヒカルが佐為にいわれてお見舞いに来ました。
市河さんはヒカルに「2年前にアキラ君に勝ったのだからプロになったのも当然よね」といいます。その一局を見ていない緒方。話題がいつしか枕元に置いたノートパソコンの話になりました。緒方が名人がせめてネット碁をできるようにと一台持ち込んだものでした。緒方たちはヒカルだけを残して先に病室を出ますが、市河さんはネット碁の話をした時のヒカルの様子から「進藤君、やはりネット碁やってるみたいね」と言います。そう。1年半前の夏休みの終わり、ヒカルがネットカフェにいたのを広瀬が見かけて、そのことをアキラに言ったらアキラが凄い勢いで飛び出して行ったことがあったのでした。それを聞いた緒方はネットの sai のことに思い至ったのでした。
そして病室に残ったヒカルは名人に大告白をします。自分の知り合いでネット碁をしているものがおり、塔矢名人ととても打ちたがっている。その名前は sai であると。
第108局・2人きりの病室
saiという名前に名人は「知ってるよ」と言います。ネットでのsaiとakiraの対決の棋譜を後日並べてもらっていたのでした。「しかし自分なら勝てる」と名人はいい、ネット碁などといわず、ここに連れて来なさい、と言います。困ってしまうヒカル。しかしそれでもヒカルが食い下がっていると、名人は十段戦の4局目と5局目の間に打とうといいます。そして「気晴らしになるだろうと」と付け加えるのですが、それに佐為がカチンと来ました。
そんなついでのような対局では嫌だという佐為。打てるんだからいいじゃないかとなだめるヒカルですが、とうとう佐為の勢いに押されて名人に「真剣に打ってくださいね。負けた時言い訳にされたくないから」などと、とんでもないことを言ってしまいます。
当然怒って熱くなる名人。「私は負けないよ」と言い「負けたらプロを辞めてもいい」と言い切ってしまいます。慌てたヒカルですが「そんなことされては困ります」というので、名人は更に意地になってしまいました。「君は本気で私が負けるかも知れないと思っているようだね」と言い「君の友達に負けたら引退する」と重ねて言ってしまいました。
更に困ってしまったヒカルですが佐為は静かに「感謝します!」と言い、闘志を燃え上がらせていました。
