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プロ試験予選編(61-68局)
第61局・桑原本因坊
日本棋院でヒカルや和谷たちが桑原本因坊とすれちがいます。その時桑原は何かの気配を感じてヒカルの方を見るのでした。桑原は院生かと言い、覚えておこうとつぶやきます。例によって桑原のことを知らないヒカルに和谷は説明してやります。
桑原と緒方は本因坊の本戦第二戦を北海道で戦っていました。緒方は言います。囲碁界に新しい波が来ます。彼はアキラとヒカルのことを思い浮かべていました。その若い力を自分がタイトルホルダーとして迎え撃ちたい、と。
一方ヒカルは佐為に碁の指導を受けていましたが、佐為の指導はより高度のものになってきていました。今まで良しとしていた手もゆるすぎるとして、更に高い所をめざす、しかし正確に打てないとたいへんなことになる手などを指導していました。
若獅子戦は結局アキラの優勝。そしてアキラは早々に二段に昇段しました。
日本棋院の玄関を和谷と伊角が出てきます。「門脇が今年プロ試験受けるって?」門脇というのは、学生三冠を取った強力な打ち手でした。そしてその当の門脇が今ちょうど日本棋院に来たところでした。
第62局・私が打っても?
門脇はプロ試験の申し込みをしに来たのです。願書を出す前に購買部に寄り扇子を買い求めました。それを握るとアマのタイトルを次々に取った時のことを思い出します。腕は落ちてないと思うけど、少しウォーミングアップしておきたいと思いました。碁会所に行くかな、と思っていた時、エレベータから子供が走り出して来ました。「君、院生?」と訊ねる門脇。
うん、と答えるその子供・ヒカルに門脇は「腕試しさせてくれないか」と持ちかけます。院生ならちょうどいい相手になりそうに思えました。ヒカルは急いでいたのですが、ふと思いつきいいよと言います。そして佐為に「おまえ打て」と言うのでした。通りがかりの人だから構わないだろうし、院生に腕試しさせてくれというのなら、そこそこに強いのではないか、と。
久しぶりに打てると感激する佐為。一般対局室で両者の対局は始まりました。そして数十分。ウォーミングアップのつもりだった門脇でしたが、その子はめちゃくちゃ強かったのです。投了を告げてから「君、ほんとに院生?」と聞きます。ヒカルはヒカルで門脇の強さに驚いていましたが、そのあたりの問題はあまり追求されたくありません。そそくさと逃げ出します。「君、囲碁始めてどのくらい?」と聞く門脇にヒカルはいたづらっぽく「千年」と答えて、対局室から走り去って行きました。
門脇は静かにプロ試験の申込書の封筒を破りました。そこへ携帯に友人からの着信。「おれ1年鍛え直すよ。来年受ける」。そのことをネットで聞いた和谷は「どうしてだろ?」と首をひねるのでした。
第63局・ここまで来たぜ
いよいよプロ試験予選が目前。和谷や伊角は最近3ヶ月の平均順位が8位以上なので予選免除です。ヒカルは今月7位にあがったばかり。この制度の恩恵は受けません。和谷がトイレに入ろうとすると、ちょうど本田が出てきたところ。そして「オレに負けたの」と言って向こうを指さします。トイレの中でぶつぶつと言う声。越智の負けた時のクセです。みんな必死なんだと改めて拳を握り直す和谷です。
桑原と緒方の本因坊戦は最終戦までもつれこんでいました。この日の封じ手は緒方です。緒方はこれが初めての封じ手になりました。いままでの6戦では全部桑原が封じていたのです。対局室を出たあと桑原が緒方に語りかけます。「封じ手は間違いなく書けたかね。君、初めてだろ。どちらにするか迷って、まちがって逆の方を書いたということはないかね?」桑原の心理戦でした。
翌日封じ手が開かれると緒方は間違いなかったのでほっとします。しかしそもそも次の日まで緒方に不安を与えておくというのが桑原の作戦だったのです。緒方はまんまとそのワナにひっかかってしまいました。緒方はそれに気づくと激しい闘志を盤上に叩きつけます。
第64局・プロ試験予選初日の男
いよいよプロ試験初日。ヒカルは次々と会場に現れる大人たちに少し戸惑っている様子。その中に一人ヒゲの大男・椿がいました。彼は院生の一人に話しかけて無視され大きな声で怒ったりしていました。そして、この椿とヒカルは初日当たってしまうのです。
対局が始まり、ヒカルが第1手を打ちます。すると突然椿は「ちょっと失礼」と言って席を立ち、そのまま30分たっても帰って来ませんでした。
第65局・3勝をめざして
やがて椿は平然とした顔で戻ってきます。逆にヒカルはこれでペースを乱されてしまいました。平常心になれないヒカル。そのヒカルに、昼休み椿は「メシ食いに行こう」と誘い出します。佐為が「行っちゃだめ」と言うのに抵抗できないヒカル。
食事の場所も椿のいいなりになってしまい、あっさり食事前の手番をくれたなと言われて、あっなどと思い、結局午後も椿の心理的なペースに巻き込まれて、ヒカルは初戦落としてしまいました。
院生の仲間数人と話すヒカル。ヒカル以外はみな初日勝っています。食事前の手番のことをヒカルが言うと「ばっかねぇ、そんなのどっちでもいいって」
ヒカルと分かれてから二人の院生が話しています。進藤は碁を覚えて1年半でプロ試験まで来ている。ものすごい急成長だけど、それゆえのもろさがあるんだろうか、とか。
第66局・プロ試験予選2日目
翌日。ヒカルが会場に行くと、また椿から声を掛けられてしまいました。これでまたペースが狂ってしまったヒカル。対局に集中できずに2日目の相手にも負けて、いきなり2敗になってしまいました。もう1敗もできない状況です。
3日目、ヒカルは会場に入らず時間ギリギリまで外にいました。椿と顔を合わせないため。そして1勝するために。
そして時間。ヒカルが遅刻して入っていくと院生師範から何やってたのと言われます。謝って対局者のところへ。今日の相手はフクです。対局時計は既に動き出していました。ヒカルは碁笥に手を入れました。
第67局・プロ試験予選3日目
相手が打ち慣れたフクであるということも手伝い、3日目にしてやっと平常心を取り戻したヒカル。淡々と石を打っていきます。二人の対戦は当然早打ちになります。昼ご飯どきになりますが、もう終局に入っていたので、そのまま継続。結果はヒカルの3目半勝ち。やっと1勝です。
しかしこれでフクも1勝2敗になって後がなくなりました。ヒカルは椿と顔を合わせたくないのですぐ帰ると告げます。でも明日は遅刻はだめだよ、新たに抽選するから、とフク。予選は5日間で3勝すれば勝ち抜けですから、今日までで既に通過を決めた人・不合格が決まった人がいます。そこで4日目・5日目は毎朝残っている人で組み合わせ抽選をするのでした。
一方予選免除になっている和谷と伊角は碁会所回りをしていました。そして棋院によると、ヒカルもフクも奈瀬も1勝2敗になっていることを聞きます。「進藤のバカ、何やってんだ」と和谷。
第68局・プロ試験予選4日目そして
椿は3勝で勝ち抜けて今日はもういませんでした。おかげでヒカルは落ち着いて対局にのぞむことができます。今日当たった相手は院生の子。ヒカルは平常心で打っていきます。やがて相手が失着。それに対してヒカルが正しく応じて、相手は投了しました。これで2勝2敗。
5日目。残っているのは5人だけでした。ヒカル、フク、奈瀬、それに外来の人が二人。今日で決着です。抽選が行われます。「福井君と平林君」。ここで奈瀬がチラっとヒカルの顔を見ます。しかし院生師範は「奈瀬君と松浦君」と言い「進藤君は手空きで不戦勝」と言いました。
最終日というので和谷が様子を見に来ました。しかし対局室にはフクと奈瀬のほかは外来が2人。進藤のやつ、昨日落としてしまったのか?と思ったその時、ヒカルが和谷がその肩を叩き、不戦勝であったことを伝えました。最終日、結局フクも奈瀬も勝って、みんな本戦に進むことになります。
「今の進藤なら3連勝と思ったのに」という和谷に対してヒカルがヒゲの男にペースを乱されてなどというと、和谷は馬鹿だなぁといって、だったら今度伊角さんと一緒に碁会所に行くとき、お前も来いと誘うのでした。
週刊碁の記者が院生師範に予選の成績を見せてもらっていました。ヒカルが気になっていたのです。2勝2敗1不戦勝という成績は、どうも記者の満足のいくものではありませんでした。しかし院生師範はヒカルは化ける可能性が大いにあるといいます。「うまい、と思わせる碁を打ちます」
そしてアキラは名人から「2子で打つのはもう終わり。明日からは定先で打ちなさい」と言われます。アキラも成長を続けていました。
