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15巻 さよなら [comment]
眼形とりあえず打ちにくい手でも眼形を作らねば/眼形を作るだけじゃしょーがねェだろ (122局)
囲碁というのは簡単にいえば陣取りゲームです。自分の陣地は石で囲っていますが、その中でも相手が中に打ち込んでくることが不可能な最も着実な地のことを眼といいます。眼形というのは、その眼ができそうな感じの石の配置です。
棋力が同じ程度の人同士で打っている場合は眼形は本当の眼になる確率が十分にあります。それがヒカルの対戦者の三段の人の台詞。しかしヒカルは彼よりずっと棋力があるので、そんなもの作られても怖くない。簡単につぶしてしまうか、あるいはそれを作らせている間に他のところでたくさん自分の陣地を稼いでおくことができます。だから「作るだけじゃしょーがない」ということになるわけです。
白模様代わりにオレの白模様に手をつけられては大損か (122局)
模様というのも自分の陣地になりそうな雰囲気の場所ですが、眼形などにくらべるとまだ石がまばらで、境界線もかなり曖昧な状態。いづれはそこに手をしっかり入れて自分の陣地にしていきたいわけですが、その前にヒカルに黒石を打ち込まれてしまいました。結果的にこの陣地は自分の陣地にできなかったり、できたとしてもかなり狭い物になってしまう可能性があり、大損になったというわけです。
その前に出てきている連絡というのは、自分の石の集団と集団の間をつなぐ石の並びです。基本的に囲碁は眼が2個以上ある石の集団はもう相手から奪われる危険がない(生きているという)ので、集団同士を結びつけることができれば、その連絡によって確実に奪われない自分の陣地を確保することができるわけです。高段者同士の対局の結果をみると、この石のつながりが美しいです。
なお打ち込みというのは相手の陣地になりそうな場所に強引に自分の石を打っていくこと。敵地のまっただなかに落下傘で降下という感じの攻め方で、まわりが敵ばかりですから、そのまま討ち死にする確率のほうが高いです。ただし棋力がずっと下の相手だったらそのまま生きてしまいます(さばくという)。棋力が接近している場合はここが熾烈な戦いになるわけです。
片手坊主がワシに勝ちよったら5千円チャラにしといたら (127局)
ほったさんは偉いです。きわどいことを書いても危なげがないですね。この場合、賭をしていたのはあくまで河合さんと周平さん。ここでヒカルが打っても河合さんの賭の負けがキャンセルされるだけでヒカルには関係の無いこと。という訳で、ヒカルは賭け碁はしてないんですね。
ダケさんとやった時はまだアマですからこんなの自由ですが(法律上はうるさく言うとちょっとやばいですが)、プロの棋士や院生などが賭碁をしたら除名もの。ちゃんと考えているのがこの漫画の偉いところです。
ハイ手抜きでくるならこのツケだがこちらも手抜き返してハイ (128局)
連載当時わたしはこの「ハイ」を「ハイ、これで終わり」のハイかと誤読して、ヒカルの奴、えらそうに、と思ったのですが、あとで囲碁用語のハイ(這い)であることに気づきました。
ハイというのは戦いが起きている石の集団から盤面の端の方に石をのばすように打つことです(詳しくは用語集参照)。ツケは相手の石にくっつけて打つやりかた。手抜きというのは相手の攻め手に対して、それを放置して別の自分がもっと必要と思う場所に打つことです。
