待ちぼうけ

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この物語は北原白秋の詩でも知られていますが、元々は中国の「守株」という昔話です。


あるところに、とてもまじめなお百姓さんがいました。お百姓さんがたんぼを耕しておりますと、そこにウサギが1匹走ってきて、木の根っこにぶつかり、倒れてしまいました。

お百姓さんは、これはもうけもの、と早速ウサギをつかまえ、家に持って帰って食べました。

翌日、お百姓さんは、また畑に出ましたが、ふと「また、ウサギが出てきて、あの木の株にぶつかってくれないものだろうか」と思いました。

そんなことを考えると、なんだか仕事が手につかなくなってしまいました。耕している間にウサギが出てきてぶつかっても、気が付かないかも知れない、と思うと、お百姓さんはもう仕事が出来ません。手を動かさずに、ただじっと木の株を見ていました。

お百姓さんは、翌日も畑には出たものの同じように、仕事もせずにただじっと木の株を見ていました。

そしてさすがにその翌日になると、ばからしいので仕事をしよう、と思いましたが、でも昨日出てこなかったから、今日はウサギが出てきそうな気もします。すると今日出てきたのを見落としたら、昨日・一昨日と待っていたのがむだになりそうな気がします。そこでその日も結局仕事もせずに、ただただ木の株を見ていました。

こうしてお百姓さんは毎日畑に出ては、ただ木の株を見ているだけの日々を送るようになってしまいました。

そしていつしか畑にはぼうぼうと雑草がおいしげってしまいました。


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