インド人と牛

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さて国際スポーツ大会などの時によく話題になることですが、ヒンズー教徒は牛を 食べず、イスラム教徒は豚を食べません。これはイスラム教徒が豚を不浄な動物と みなして食べないのに対して、ヒンズー教徒は牛は神聖な動物であるから食べない という訳で、同じ食べないにしても理由は正反対です。

湾岸戦争の時に日本からアラブへ食料の支援が届いた時、愚かにもその中にラード を使用したインスタントラーメンが入っておりまして、向こうの担当者の人が日本 人のボランティアに「折角運んできてくれたのに申し訳ないけど、アラブ人は豚は 食べないのですよ」と言ったというエピソードがあります。

同じ愚かな真似でも、戦争を引き起こした例もあります。それがインドのセポイの 反乱(1857)で、この原因は根本的にはイギリスのインドに対する圧政があるのです が、そのきっかけとなったことは、或いはインド人兵士たちに牛肉を食べさせよう とした為とか、或いは銃に塗る油に牛脂が使用されているという噂が広がった為と も言われています。

さてそのインドでは牛は最高神の一人シヴァの乗り物とされており、そのため食べ ることは恐れ多いとされています。また、インドの牛は農耕に運搬にと大活躍する 大事な動物で人間の協力者ですから、やはり殺して食べたりしてはいけないという 概念が生まれたのかも知れません。殺すまで行かなくても酷使したりしているのを 他人に見られたら回りの人々から集中攻撃を受けるといいます。

そういう訳でインドにはビーフ・カレーなどというものは当然ありません。インド で一番ポピュラーなカレーはマトン・カレーで、最高級品はチキン・カレーです。
インドにはブロイラーはありませんので、鶏肉のお値段はけっこうするようです。

インドではまた牛の糞も大事に扱われます。神聖な動物が出した糞ということで、 これも又神聖なものとなっており、道で牛が糞をしますと、すかさず人々はそれを 拾い集めておき、大事なお客様を泊める寝室の壁などはこの牛糞を塗っておくそう です。


(1997.03.03)


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