←↑→ 仮想旅2000(49) 伯耆

直江駅6:55の山陰本線上りに乗り、8:13米子。ここから2km歩いて宗形神社
に至ります。式内社。御祭神は宗像三女神。昔三女神が船に乗ってこの地に
やってきて、御鎮座なさったという伝承があります。そしてその乗ってこら
れた船はそのまま石になったといいます。これは小浜市の八百姫神社と同じ
タイプの伝承ですね。

ただ、この地の場合、この地が宗像といい、この神社には住吉神社が合祀さ
れており、近くには安曇という地名があります。つまり三大海人系の名前が
ここ米子に集まっており、やはりここは昔から玄界灘の海の民たちが古くか
ら展開していた地区のひとつなのでしょう。

お参りしてから東へ5km歩いて、大神山神社(おおがみやまじんじゃ)の里宮
に至ります。伯耆国二宮。御祭神は大神山神(おおがみやまのかみ)ですが、
現在は大己貴神と同一視され、名義上の御祭神はそちらになっています。

里宮というからには奥宮があるわけですが、これは大山(だいせん)の中腹に
あります。しかし元々両社は独立した神社であり、対の神社とみなされるよ
うになったのは近年のことのようです。

お参りしてから3km歩いて伯耆大山駅へ行きます。時刻は10:20。10:42の山陰
線上りに乗り、11:25倉吉着。1.5km歩いて波々伎(ははき)神社に至ります。

「波々伎」は「伯耆」のことで、この神社は元々は伯耆国の総氏神だったの
ではないかといわれます。御祭神は事代主神を主祭神として、味耜高彦根命
(事代主の兄)、下照姫命(味耜高彦根の妹)、天稚彦命(下照姫の夫)、少彦名
命(大国主神のパートナー)、健御名方神(諏訪湖の神,事代主の弟)、狭依比売
命・多紀理比売命・多岐都比売命(宗像三女神)を合祀します。

お参りしてからまた倉吉駅に戻ります。12:35の上り列車に乗って12:40松崎
着。3.7kmの道を歩いて倭文神社(しとりじんじゃ)に至ります。ここが伯耆国
一宮です。

御祭神は長いこと下照姫とみられていたのですが、本来は建葉槌命であった
ことが大正時代になって分かり、元の御祭神に復帰しました。現在下照姫は
相殿に祭られています。相殿には他に下照姫の兄弟である味耜高彦根命・
事代主命・健御名方命と夫の天稚彦命、そして少彦名命が祭られています。
どうもこの並びはこの付近ではセットのようですね。

下照姫は主祭神の地位はゆずったものの、この付近にはかなりの伝承を残し
ているようです。下照姫は出雲から船でこの地にやってきたといい、下照姫
の化粧水とされる泉もあります。なお下照姫は別名あかる姫ともいい、安産
や養蚕の神として信仰のあつい神様です。神話時代の和歌では先日紹介した
須佐之男命の「八雲立つ....」の歌が有名ですが、古今集仮名序にも出てい
る下照姫の

 天なるや 弟棚機の 頂がせる 玉の御統の
 穴玉はや 御谷 二渡らす 阿治志貴 高日子根

という歌もあり、同仮名序を書いた紀貫之は下照姫を和歌の元祖のように考
えたフシがあります。(この歌は古事記では高照姫の歌になっているが文脈
からして高照姫が出てくるのは不自然。日本書紀の下照姫説が正しいと思う)

さて、お参りして一休みしてから4kmの距離を歩いて松崎駅近く、東郷温泉
まで戻り、今日はここで泊まりです。




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