←↑→ 仮想旅2000(41) 山城・播磨

翌11月4日(土)晴れ(岡山)

城陽市内のホテルを出て朝から水度神社(みとじんじゃ)にお参りします。
この神社は鴻巣山にあったものを後に麓のこの地に遷座したとされます。
御祭神は天照高弥牟須比命(あまてるたかみむすびのみこと)と和多都弥
豊玉比売命(わだつみとよたまひめのみこと)。

実はこの神社は昨日行った水主神社、10月22日に行った月読神社と、寅申線
(夏至の太陽が昇る方向と冬至の太陽が沈む方向を結んだ線)で結ばれてい
るのです。
            鴻巣山
            /
          水度神社
          /
        水主神社
        /
     樺井月神社(旧社地)
      /
  月読神社

月読神社は22日の時も述べたのですが鹿児島県の大隅から来た人たちが建て
た神社です。樺井月神社も月読神社と同じく月読命をお祭りしていました。
和多都弥豊玉比売命は海幸彦山幸彦神話の山幸彦の妻となった海神の娘です。
もちろん月と海は互いに関連した存在。

「水度」は「水を渡る」、「水主」は「水の主」ですから水主は海の神様、
水度は海を渡った山幸彦ということになってくるのでしょう。

また一般に「水主」は「主水」とも書かれますが宮中の主水司(もひとりの
つかさ)に関わるとも考えられています。宮中で清水を供御する仕事で、こ
の仕事に深く関わったのは火明命を祖とする水主氏と、もうひとつ賀茂氏
でした。

水主神社の多数の御祭神の名前は実は火明命の子孫の名前であり、水度神社
を祭った三富部氏も同じく火明命の子孫です。また水主神社付近の土地は
京都の上賀茂神社の神領にもなっていました。

火明命は後には迩迩芸命の兄とされたのですが、元々は山幸彦・海幸彦の兄
の名前であったようです。こうしてこの神社のラインは、どうやら日本の
神々のネットワークのミッシングリングのひとつになっているようで、ここ
はもう少し研究の余地があることを感じています。

さてお参りしたあと、さらに木津川を下っていき、やがて桂川・宇治川との
合流点に到達します。まず宇治川を渡って与杼神社(よどじんじゃ)まで。
水度神社からの行程11km。

ここは淀川が始まる場所なので御鎮座しているのでしょう。淀姫神をお祭り
する神社ですが、淀姫神をお祭りする神社の総本社は実は佐賀県の川上神社
とされています。淀姫神の出自については多くの説があり、先程も出てきた
豊玉姫であるという説、神功皇后の妹であるという説など。しかし基本的に
は水を司る女神ということは間違いないようです。

お参りして9時。木津川から奈良を一回りする旅もこれで終わりです。電車
で移動します。

神社近くの京阪の淀駅に行き、1時間で大阪の淀屋橋。地下鉄の御堂筋線で
梅田に移動し、阪神に乗って30分で西宮。到着時刻は11時半。西宮神社に
お参りします。

全国えびす信仰の中心地。一応ここの御祭神は西宮大神ということになって
いますが、一般には蛭子(ひるこ)神と考えられています。

「ヒルコ」は現代の解釈では「ヒルメ(日霊女)」の対となる太陽神と考えら
れていますが明治時代には「蛭」の字が不適当であるといわれて、全国の多
くの神社で蛭子と書かれていた祭神名が他の名前に書き変えられています。
そのため実際に現在でも御祭神名が蛭子神になっている所はほとんど残って
いないものと思われます。これはえびすの研究をする時は気を付けておかな
ければならないことです。

この西宮神社がえびす信仰の中心になっていった背景には拝殿すぐ左に祭ら
れている摂社・百太夫神社に関わる傀儡師たち(えびすがき)の活動による所
が大きいようです。彼らはえびす神の人形芝居をもって全国をまわっていま
した。他境内社には六甲山神社(御祭神・菊理姫命)、大国主西神社、火産霊
神社、南宮神社(御祭神・豊玉姫命・大山咋神・葉山姫神)があります。

南宮神社といいますと10月1日に行った岐阜県の南宮神社が有名ですが、あち
らは金山彦命が御祭神でした。

広い境内をお参りしてまわった後、バスで広田神社まで行きます。所要時間
約30分。元々西宮神社はこの広田神社の境内外摂社でした。

広田神社は天照大神の荒魂をお祭りする神社。きれいに整備された境内を歩
き、横幅の広い、とてもいい雰囲気の社殿の前でお参りします。神社前の
バス停から行くと脇から入る形になるので、帰りは正門の方へ出ます。

今日はこのあと西宮に戻り、そのあと阪神で三ノ宮に移動。そちらで泊まり
です。

翌11月5日(日)晴れ。

朝から生田神社にお参りします。「神戸」という地名はこの神社の神戸があ
ったことから起きた地名です。御祭神は若日女命(わかひるめのみこと)。
かなり古い神社です。若日女命は大日女命に対応するもので、いづれも太陽
の女神。大日女命は日本書紀の一書に出てくる素戔嗚尊・月弓尊と組となる
女神なので通常天照大神の別名と考えられています。若日女命については、
天照大神の妹神という説と、天照大神の若い時の姿という説があります。

お参りしたあと三宮神社にまわります。生田の裔神八社の一つ。三宮の地名
のもと。天照大神と素戔嗚神との誓約で生まれた五男三女を祭る神社のひと
つであり、その内三宮ということなのですが、御祭神は湍津姫命です。湍津
姫命が三宮になっているのは日本書紀の一書の二のみで、他は二宮になって
いるのですが....この件はまた調査したいと思っています。

お参りした後、地下鉄の三宮駅に戻り山手線で長田へ。長田神社にお参りし
ます。

えびす様をお祭りする神社ですが、ここのえびす様は正真正銘事代主神です。
神功皇后が朝鮮から戻った時に、その戦役に同行した事代主神がこの地に留
まりたいと託宣したため、この地に山背根子の娘・長媛に祭られせることに
なったということですから4世紀の創建ということになります。神功皇后は
賀茂一族の人ですから、事代主神が出てくるのはごく自然です。

境内に以前鶏が多く飼われていたことから、明治時代の神戸の外国人たちに
は Chicken Temple と呼ばれて親しまれていました。

さて、明日から神無月に入りますので出雲へ移動します。地下鉄で新長田に
移動したあと、21分で西明石。そのあとは

 西明石839→859姫路902→1025岡山1121→1255新見1346→1602米子
 米子1621→1745出雲市1748→1757川跡1759→1809出雲大社前

このまま稲佐浜へ向かいます。19時から稲佐浜で神迎えの行事があります。




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