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ホテルで一息付いて、シャワーで汗を流した後で、出掛けます。夕方近くの
月夜見宮にお参りします。

月読命(つくよみのみこと)をお祭りする神社は天照系と月神系に大きく分け
られますが、その天照系の月読神社の現在の中心地がこの伊勢の月夜見宮・
月読宮です。外宮に月夜見宮があり、内宮に月読宮があります。

月読命は古事記によれば伊邪那岐命(いざなぎのみこと)が日向の国の橘の
小門の阿波岐原でみそぎをした時に、右目を洗った時に生まれた神様です。
この時、左目を洗った時に天照大神(あまてらすおおみかみ)、鼻を洗った
時に須佐之男命(すさのおのみこと)が生まれており、これを三貴子といい
ます。

月読命には神話が非常に少なく、その神の性格もよく分からないのですが、
中世には馬に乗った勇猛な武神として信仰されていました。

お参りしてからホテルに戻り、休みます。

翌10月9日(祝)。雨。

神宮の外宮(げくう)にお参りします。この伊勢の神宮(しばしば伊勢神宮と
呼ばれていますが、それは通称であり、ここの名前はあくまで「神宮」です)
は基本的に内宮と外宮に分かれていますが、外宮から先にお参りするのが
習わしです。

境内に入り、手水舎で手を洗って、火除橋を渡り、一の鳥居、二の鳥居をす
ぎて、やがて御正宮へ。ここには豊受大神(とよけのおおかみ)がお祭りさ
れています。なお神宮は外宮にしても内宮にしても、本殿周辺は神域となっ
ており、一般の人の立ち入りはできません。玉垣の外からお参りさせて頂き
ます。

道を少し戻ってから別宮にお参りします。最初に左手に風宮。級長津彦命
(しなつひこのみこと)・級長戸辺命(しなとべのみこと)の風神をお祭り
しています。それから少し先に行って、まず右手の土宮。この外宮の土地の
守り神・大土御祖神(おおつちみおやのかみ)をお祭りしています。

そして一番奥、長い石段を登った所に御鎮座されている多賀宮。「多賀」と
いうと滋賀県の多賀神社を思い浮かべる方も多いと思いますが、ここは伊邪
那岐・伊邪那美の神をお祭りする神社ではなく、豊受大御神の荒御魂をお祭
りしている神社です。高い場所におられるので元々は「高宮」と書いたので
すが、後に多賀宮の字に変化したようです。

この3つの神社と昨日行った月夜見宮が外宮の4つの別宮です。

参道を戻ります。朝の神宮の中はとてもいい空気ですが、雨が降っていると
そのすがすがしさが増幅しているようにも思われます。豊受大神は食べ物の
神様。雨も悪くありません。

さて、外宮(げくう)を抜けて内宮(ないくう)に向かいます。この両者を結ぶ
道路は32号線(御木本道路)、37号線(御幸道路)と2本あるのですが、37号線の
御幸道路の方を通ります。

まず外宮から約2kmで倭姫宮(やまとひめのみや)。ここは内宮の別宮のひとつ
です。倭姫はむろん、この伊勢の神宮を作った人ですが、この神社は実は大正
12年に作られたもの。倭姫をお祭りする神社がないからという地元の人々の思
いにより創建されました。

倭姫は大和の笠縫邑に祭られていた天照大神の御神体を携えて御鎮座の地を
求めて各地を回り、やがてこの伊勢の地で御神託を得て、宮を建てました。
この旅は20〜30年かかったものと思われます。

倭姫宮を出てからまた丁度約2kmで内宮の別宮が4つ集まっている所に至りま
す。月読宮・月讀荒御魂宮・伊佐奈岐宮・伊佐奈弥宮です。順にお参りして
いきます。月読宮・月讀荒御魂宮は昨日の月夜見宮と同様、天照大神の弟神
である月読命をお祭りしています。伊佐奈岐宮は天照大神の父の伊弉諾尊(
いざなぎのみこと)、伊佐奈弥宮は母の伊弉冉尊(いざなみのみこと)をお
祭りしています。

そして、この別宮群からちょうどまた2kmで内宮の入口の所まで到達します。
要するに、倭姫宮・月読宮は、内宮と外宮の道程をちょうど3分割する場所
に建っているわけです。内宮に来る頃には雨があがりました。

雨が上がった所で、内宮にお参りします。

五十鈴川に架かる宇治橋を渡り、参道を歩き、やがて火除橋を渡り、御手洗
で手を洗って、一の鳥居、二の鳥居を通って、神楽殿・御酒殿・忌火屋殿な
どの横を通って、御正殿前に至ります。石段を上ってお参りします。

ここに天照大神(あまてらすおおみかみ)がお祭りされています。外宮の御
正殿と同様の伊勢神明造りですが、堅魚木(かつおぎ)が内宮は偶数(10本),
外宮は奇数(9本)であり、千木(ちぎ)が内宮は水平の内削ぎ、外宮は垂直の
外削ぎになっています。

お参りした後、別宮のひとつ左手の荒祭宮に回ります。ここには天照大神の
荒御魂が祭られています。その後今度は逆方向に回り込んで風日祈宮(かざ
ひのみのみや)にお参りします。ここは外宮の風宮と同様、。級長津彦命
(しなつひこのみこと)と級長戸辺命(しなとべのみこと)がお祭りされて
います。

最後にまた逆方向、北へぐっと行って子安神社・大山祇神社にお参りします。
子安神社はこの土地の産土神として木華開耶姫命(このはなさくやひめのみ
こと)が、大山祇神社は神路山の守り神としてそのお父さんの大山祇神(お
おやまずみのかみ)がお祭りされています。

内宮を出たら御幸道路と御木本道路の合流点近くにある猿田彦神社にお参り
し、その後五十鈴川のそばまで戻り、川に沿って下流へと下っていきます。
約9km。2時間ほど歩いて到達するのは二見町。今日はここで泊まります。




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