↑ ← → 仮想旅(44)宮崎:青島神社・鵜戸神宮
written by Lumiere on 96/12/21 08:41
宇佐を14:16のにちりん25号にのります。一路南九州へ。

宮崎は神武天皇が近畿地方に進出する以前の大和朝廷の本拠地だったのではな
いかという人がいます。宮崎県中部の西都原(さいとばる)大古墳群を現実に
見たら誰でもそれを半ば確信するのではないでしょうか。宮崎にはその他にも
大量の古墳群があります。また見々津町には神武天皇御船出跡などというのも
あります。

この神武天皇以前の朝廷は神秘学者の間ではしばしばウガヤ朝と呼ばれていま
すが、それは古事記がその部分を鵜葺草葺不合命(うがやふきあえずのみこと)
という一人の人に帰しているためです。

対馬のところでも触れましたが、鵜葺草葺不合命は山幸彦(やまさちひこ)の
彦火火出見命(ひこほほでみのみこと)と豊玉姫(とよたまひめ)の子供で、
玉依姫(たまよりひめ)との間に神武天皇をもうけた、というのが古事記の伝
承です。今回行く青島神社はその彦火火出見命と豊玉姫を祭っており、鵜戸神
宮は鵜葺草葺不合命を祭っています。親子ですのでワンセットでお参りするこ
とにします。

にちりん25号の宮崎到着は18:24。もうお参りできる時刻ではありません。今日
は宮崎市内に泊まります。

12月19日・木曜日。

朝7:55宮崎発の日南線普通列車で日向灘を南下します。青島到着8:25。ここは
非常に便利な場所にあります。汽車に乗っている間から大きな青島の姿が見え
ています。迷うこともありません。駅をおりてまっすぐ海岸へ。有名な「鬼の
洗濯板」を横目に歩いて行くと、海へ向かって突き出た砂洲の向こうに青島が
たたずんでいます。

ここは神奈川の江ノ島と同様半ば観光地化してしまっているのですが、さすが
に朝早いだけあって人数は多くありません。夏でしたら朝起きした海水浴客が
チラホラいるのでしょうが。青島は島ですが本土との間に掛けられた橋をわた
って歩いて行くことができます。拝殿で参拝。そして更に奥の方へ歩いて行き
ます。小さな祠がありますが、ここが奥の宮。ご挨拶して帰路に着きます。

青島駅まで戻ってから、私はバスに乗りました。鵜戸神宮はJRの線路からは
かなり離れているので最寄り駅まで行ってもその後が大変です。

9:41発の特急バスに乗って車内で朝御飯のおにぎりを食べます。10:17に鵜戸
神宮入り口下車。さてバスを降りてからも大変。鵜戸神宮というのはとんでも
ない場所にあるのです。海岸へ向かってずっと坂をくだって行きます。結構長
い坂です。そして階段を降りたり登ったり。切り立った岩が多数そそりたつ、
海に面した崖の途中にこの鵜戸神宮はあります。鵜葺草葺不合命のお母さんも
奥さんも海の神様の娘ですから、こういう海に直接面した場所に住まいを構え
たのでしょうか。実際、この厳しい環境の中で神仏習合時代、多くの修験者が
修行に明け暮れたといいます。

洞窟の中の拝殿で参拝。亜熱帯植物に覆われて風から守られていた青島に比べ
てここは完璧な吹きさらし。非常に寒いです。震えるようですが、だからこそ
心も洗われるような感じ。

その昔、迩々芸尊(ににぎのみこと)が高天原(たかまがはら)から霧島連峰
の高千穂の峰に降りてきて、その息子の彦火火出見命はそこから真東の暖かい
青島に鎮座しました。そしてその子供の鵜葺草葺不合命はそこから更に南の、
しかし海と風の強いこの鵜戸の地に住まいを構えて人々と交渉を持ったのでし
ょう。

青島といい、鵜戸といい、奇岩の多い地区です。日向灘の強い波がこの地区の
柔らかい火山岩を削ってこの奇勝を作り出したのでしょう。鬼の洗濯板は青島
以外にも、青島より南の方に大きなところが2カ所あります。また鵜戸崎の南
側には千畳敷の奇岩があります。これを見た古代の人々は明らかにそこに神を
見たのでしょう。宮崎市より北には大量の古墳群があるのに、この一帯には全
くそのようなものがないのは、この一帯を神様の土地と考えていたからかも知
れません。

さて、崖の中腹の鵜戸神宮を後にして、長い長い坂を上ります。

なおこの神社の創建は崇神天皇の時代であるとされています。後に推古天皇の
頃六所権現の神殿を建造、のち延暦元年(782)に天台宗の僧が寺院を建立、鵜戸
山大権現吾平山仁王護寺と称しました。明治の時に神仏分離令によって仁王護
寺と分離、明治2年鵜戸神社となり、明治7年に鵜戸神宮と改称したものです。
現在の社殿は正徳元年(1711)のものです。そういう訳で長らくここは仏教、と
いうよりも修験道の道場であったようですが、その修験道の人々が来る前の信
仰というのが興味あるところです。

国道まで戻ると11時15分くらい。ここで常識的には元来た青島方面へのバスに
乗るのですが、ここは逆方向のバスに乗ります。肌で感じると寒いですが、バ
スの中から見る日向灘は美しい趣がありました。



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