↑ ← → 仮想旅(42)熊本:阿蘇神社
written by Lumiere on 96/12/19 20:15
対馬空港を19:00のエアー・ニッポン機で飛び立ちます。この路線はいまだに
YS-11が就航していて、B737と1便交代なのですが私が乗ったのはB737の方で
した。来るときは呼子から壱岐まで1時間、壱岐から対馬まで1時間かかりまし
たが、飛行機は30分で福岡空港に着きます。ここから地下鉄で博多駅へ。所要
時間はわずか6分。この空港はほんとに便利です。こんなに町中にあって地下鉄
であっという間に市街地に行ける空港はそんなにないのではないでしょうか。
博多駅から20:18の有明27号で熊本へ。21:42の着。今日はここで泊まりです。
熊本市内のホテルでゆっくりと休みました。今日は1ヶ所のみでした。

12月18日・水曜日。

今日は九州の屋根ともいうべき阿蘇山の大カルデラの中に鎮座する阿蘇神社へ
行きます。

この阿蘇山は少なくとも8万年ほど前から活動をしている大火山で、そもそも
九州は南北2つの島に分かれていたのが、この阿蘇山の溶岩と火山灰によって
埋もれてつながってしまったのだそうです。内部に6万人もの人が住む大カルデ
ラは外輪山の周囲は128km、世界でも最大級のサイズです。現在はそのカルデラ
の中に阿蘇五岳と呼ばれる五つの中央火口丘、高岳・中岳・根子岳・烏帽子岳・
杵島岳がそびえており、その中の中岳は活火山で、二重式火山になっています。
阿蘇山が8万年前から活動していたとしたら、阿蘇神社も8万年前からここに
あったと考えてもいいかも知れません。カルデラ内には多数の縄文・弥生の遺
跡もあり、2万年前の石器も出土しています。

熊本を6:13発の豊肥本線の普通列車で出発します。7:51に宮地駅着。ここから
歩いて15分ほどの所に阿蘇神社はあります。ここは肥後国一宮。

阿蘇神社の御祭神は建磐龍命(たけいわたつのみこと)と阿蘇都媛命(あそつ
ひめのみこと)の夫婦神の他この親族合計12神になっています。

建磐龍命のお父さんの神八井耳命(かむやいいみみのみこと)は神武天皇の子
ですが、弟の神沼河耳命(かむぬなかわみみのみこと)に皇太子の座を譲った
人です。そしてその息子たちは各地に散って東北・四国・信濃など多数の地区
に子孫を残していますが、建磐龍命はこの地にやってきて阿蘇姫と結婚したと
いうことのようです。阿蘇姫はこの地の豪族の娘であったと思われますが、こ
れは天皇家の直系男子と地元の娘の縁談であり、そのまま大和と阿蘇との神婚
を象徴していると考えられます。つまり阿蘇姫は阿蘇そのものであり、建磐龍
命はこの地の開拓者ということでしょう。

なお、この神社の社家の春木家は神八井耳命の兄の日子八井耳命の子孫、大宮
司家は建磐龍命と阿蘇都媛命の子供の速瓶玉命の子孫となっています。なおこ
の神社の祀る十二神は次の通りです。

 一宮  建磐龍命    五宮  彦御子神   九宮  若彦神
 二宮  阿蘇都媛命   六宮  若比ロ羊命   十宮  弥比ロ羊神
 三宮  国籠神     七宮  新彦神    十一宮 国造速瓶玉命
 四宮  比ロ羊御子神   八宮  新比ロ羊神   十二宮 金凝神(綏靖天皇)

なお、一宮・二宮・十一宮の三宮を合わせて阿蘇三社ともいいます。

どーんと「阿蘇神社」と書かれた豪快な額の掛かった、お寺の山門風の豪壮な
楼門をくぐり境内へ。拝殿で参拝した後本殿の方へ回ってみます。本殿は三つ
の神殿からなり、左側の本殿に女神を右側の本殿に男神を祀り、奥の本殿には
諸神を祀っています。白木の入母屋造り。天保年間の建造でまだ新しいことも
あり、明るい感じのする社殿です。

さて境内を出て引き返します。白い参道が冬の白い空気に調和して一瞬目の前
が日本画の世界になりました。

宮地駅で9:32発の特急あそ1号に乗り込みます。実はこれをのがすと後は14:01
まで特急はありません。普通列車も12:27までなく、それにのっても14:01の特
急に乗ったのと着く時間は大して変わらない、という訳で昨夜遅く熊本に着い
たにも関わらず今朝も早朝に出発した訳です。

豊肥本線の熊本から宮地までの列車は蒸気機関車の「あそBOY」を含めると1日
に18本、豊後竹田から大分までの列車は1日に21本ありますが、宮地から豊後
竹田まで行く列車は9本しかないのです。やはり難所だからというのもあるの
でしょう。

この豊肥本線というのは阿蘇登山鉄道だ、と言った人もありましたが最近JR
は阿蘇高原線という愛称を提唱しているようです。とにかくもここまで来る時
は外輪山の西側のわずかな切れ目のところを汽車は通ってきたのですが、あい
にく阿蘇山の東側にはそういう切れ目はありません。長い坂の上トンネルを抜
けて外へ出て、後は下って行きます。



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