(伊勢)神宮
『お伊勢さん』の名前で親しまれている(伊勢)神宮は三重県伊勢市に御鎮座しています。1996年に御鎮座2000年を迎えました。神宮は主として天照大神(あまてらすおおみかみ)をお祭りする内宮と豊受大神(とよけのおおかみ)をお祭りする外宮から成っています。神宮の系列の神社は皇大神宮や神明社の名前で全国に1万8千社ほどです。
出雲大社
出雲大社は島根県大社町杵築にあります。御祭神は「だいこくさま」の名前で親しまれている大国主神(おおくにぬしのかみ)。大きな袋を肩に掛け、因幡の白兎を助けた神様です。毎年陰暦10月には日本全国の神様が出雲に集まりますので、その期間、全国の神社は神様ご不在になりそこから、10月を『神無月(かんなづき)』といいます。
お稲荷さん
稲荷神社は日本の神社の中で最も数の多い神社であるといわれています。赤い鳥居と、狛犬代わりのお狐さんで、その識別は容易です。御祭神は宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)。中心は京都の伏見稲荷です。そのほか、茨城県の笠間稲荷、佐賀県の祐徳稲荷、大阪の瓢箪山稲荷、山口県の太鼓谷稲成、などは有力神社です。
八幡さん
八幡神社はお稲荷さんの次に数の多い神社です。御祭神の八幡様は最初大分県宇佐市の宇佐神宮に顕現。応神天皇であると言われています。鎌倉幕府ができますと、源氏が八幡神を信仰していたことから武士階級一般に篤く信仰されるようになり、鎌倉にも鶴岡八幡宮(京都石清水八幡から勧請)が作られました。
天神さま
天神様は菅原道真公をお祭りする神社で、全国に1万4千社あります。名前は天満宮または菅原神社。菅原家は代々学問をもって宮中に仕え、道真公は宇多天皇に重用されて右大臣にまでなりました。その為、天神様は学問の神様とされており毎年春には受験生で賑わいます。福岡県の太宰府天満宮と京都の北野天満宮が2大拠点です。
八坂神社・津島神社・氷川神社
京都の八坂神社や愛知県の津島神社などは牛頭天王(ごずてんのう)をお祭りしていますが、牛頭天王の実体は須佐之男神(すさのおのかみ)であるとされます。八坂神社系列の神社では祇園社と呼ばれるものも多数あります。一方、須佐之男神を直接お祭りする神社で最も勢力のあるのは氷川神社。中心は大宮市の氷川神社です。
えびす様
えびす様の出自には3つの説があります。一つは蛭子神(ひるこのかみ)説で、兵庫県の西宮神社など。次は少彦名神(すくなひこなのかみ)であるという説で、愛媛県の道後温泉、東京の神田明神など。最後は事代主神(ことしろぬしのかみ)説で堺市の石津太神社、出雲の美保神社、大阪の今宮戎神社などにお祭りされています。
いざなぎ・いざなみ
伊弉諾(いざなぎ)神・伊弉冉(いざなみ)神は、日本列島を創成した神様です。天沼矛を掻き回して作ったオノコロ島に立ち、そこで淡路島、四国、隠岐、九州、壱岐、対馬、佐渡、本州と生みました。また、大山祇神、住吉三神、天照大神、須佐之男神など多くの神の親です。滋賀県の多賀大社など全国の色々な神社にお祭りされています。
浅間神社
浅間神社は「あさまじんじゃ」または「せんげんじんじゃ」と読みます。富士山の神様である木花咲耶姫神(このはなさくやひめのかみ)あるいは、そのお姉さんの浅間山の神・石長姫神(いわながひめのかみ)をお祭りしています。全国に1300社あるそうです。静岡県富士宮市の浅間神社、山梨県一宮市の浅間神社が中核です。
山祇神社
全国に多数ある山祇神社の御祭神は大山祇神(おおやまづみのかみ)。中心は瀬戸内海大三島の大山祇神社です。この神様は日本全国の山の総管理者です。上記浅間神社の木花咲耶姫のお父さんです。
三島神社
三島明神には実は大山祇神と事代主神がありますが、全国の三島神社の中核になっている伊豆の三島神社は御祭神は事代主神のほうです。一般に火山に関係する場所にお祭りされています。
鹿島神社・春日神社
鹿島神社の御祭神は建甕槌神(たけみかづちのかみ)です。中心はアントラーズで有名な茨城県鹿嶋市の鹿島神宮。藤原家に縁の深い神様で、後に奈良に春日大社が出来た時、この神様を勧請しました(正確には大阪の枚岡神社から)。春日大社は実際には建甕槌神、経津主神、天児屋神、比売神の四柱の神がお祭りされています。春日神社も全国に多数あります。
香取神社・石上神宮
千葉県の香取神宮はお隣の茨城県鹿島神宮とある意味で一体の神社です。御祭神は経津主神(ふつぬしのかみ)。物部一族の信奉していた奈良県の石上神宮(いそのかみじんぐう)にお祭りされている布都御魂神(ふつのみたまのかみ)と同神であるといわれています。石上神宮には有名な七支刀(ななつさやのかたな)があります。
諏訪神社
諏訪神社は全国1万3千社といわれます。その御祭神は建御名方神(たけみなかたのかみ)。中心はむろん長野県の諏訪湖の諏訪大社です。ここは上社の本宮・前宮、下社の春宮・秋宮という4つの神社から成ります。冬の御神渡りと7年に1度の勇壮な御柱祭が有名です。そのほか長崎のお諏訪さんも「おくんち」で有名です。
宗像神社・弁天さま
全国6000社の宗像神社の中心は福岡県の宗像大社です。御祭神は市杵島姫神(いちきしまひめのかみ)、湍津姫神(たぎつひめのかみ)、田心姫神(たごりひめのかみ)の三柱の女神。この神は弁天様と同一視されています。神奈川県の江ノ島、又広島県宮島の厳島神社を初めとする全国9500の厳島神社などでもお祭りされています。
住吉神社
住吉神社は、宗像と並ぶ船の守り神として、近畿地方から九州にかけての水路交通の要所に分布しています。御祭神は底筒之男神・中筒之男神・上筒之男神の三柱で、伊弉諾神が宮崎の川でみそぎをした時に生まれました。大阪市の住吉神社、山口県下関市の住吉神社、福岡市の住吉神社が住吉三社として、中核になっています。
綿津見神社
綿津見神社(わだつみじんじゃ)は海の神様を祭っている神社です。綿津見の文字は山を管理している山津見神(山祇神)に呼応したもの。安曇(あずみ)一族が信奉していた神様で、元々の拠点は福岡県の志賀島(倭那国王印の金印が出たことで有名なところ)の海神社。安曇一族の名は長野県の安曇野にも残っています。
猿田彦神社・塞神社・道祖神
天岩戸の前で舞った天宇受売神(あめのうずめのかみ)と、天孫降臨の道案内をした猿田彦神(さるたひこのかみ)は後に結婚して、とても仲のいい夫婦になりました。お二人は猿田彦神社や塞神社などにお祭りされているほか、各町のはずれに道祖神として、石碑が建てられてお祭りされています。夫婦円満の神でもあります。
淡島さま
淡島様も全国数の多い神社です。女性特有の病気に霊験があるとされてきました。中心は和歌山県の加太神社です。淡島様の本体については、少彦名神であるという説と住吉の神の奥様であるという説があります。この神様が大阪の住吉神社から和歌山市の加太神社までやって来られたのがお雛様(流し雛)の始まりだとのことです。
賀茂神社
全国賀茂神社の中心である京都の賀茂神社は上賀茂神社と下鴨神社から成ります。上賀茂神社には賀茂別雷神がお祭りされており、下鴨神社にはそのお母さんの玉依姫神(賀茂御祖神)とその玉依姫のお父さんである賀茂建角身命(八咫烏)がお祭りされています。葵祭で有名な所です。最初の拠点は奈良県の葛城。次の大山咋神系神社とも関わりがあります。
松尾大社・日吉神社・日枝神社・山王神社
松尾大社は大山咋神をお祭りする神社です。日吉神社・日枝神社・山王神社(これらは名前が違うだけで実質的に同系統です)も大山咋神(小比叡)と大物主神(大比叡)をお祭りしています。比叡山の守り神で、山王もその山の神の意味。日吉神社の中心はその比叡山の麓の大津市・日吉神社です。日吉系神社は全国に4000社です。
都々古別神社・土佐神社
福島県にいくつかある都々古別神社の御祭神は味鋤高彦根神(あじすきたかひこねのかみ)。賀茂大神とも呼ばれ、国土開発の神・農業神とされます。葛城の高鴨社が本拠地。また土佐神社では、一言主神と同じ神であると言われています。妹の下照姫は安産の神様として葛城の長柄神社などにお祭りされています。
こんぴら様
こんぴら様は金比羅・金毘羅・琴平などと書かれます。中心は香川県の象頭山金比羅大権現(現・金刀比羅宮)。この神の本体は薬師如来の十二神将の筆頭・宮毘羅大将(くびらたいしょう)。ワニの化身であるとされ、海上交通の守護神として古くから信仰されています。一般には航行の目印になる山の上に御鎮座なさっています。
秋葉様・愛宕様
全国・秋葉神社の中心は静岡県秋葉山山頂にご鎮座する秋葉神社、全国愛宕神社の中心は京都の愛宕山の山頂にご鎮座する愛宕神社。いづれも御祭神は火の神である迦具土神です。火の神様ということで、防火に霊験があるとされています。また火を使って作る陶磁器の守り神として、全国各地の陶器神社にもお祭りされています。
白山神社
「しろやまじんじゃ」または「はくさんじんじゃ」と読みます。中心は石川・福井・岐阜の3県の県境にご鎮座する白山神社。御祭神は菊理姫神(くくりひめのかみ)。白山は富士山・立山と並ぶ日本三大霊山。菊理姫神は伊弉諾神・伊弉冉神の間の娘で、二人が仲違いしてしまった時、両者の間を取り持とうとした神様です。
熊野神社
熊野神社の発端は出雲国の熊野大社。後に和歌山の熊野三山から黒潮に乗って太平洋岸各地に広まりました。全国3000社。紀州の熊野神社は熊野本宮大社(本宮町)、熊野速玉神社(新宮市)、熊野那智大社(勝山町)という3つの神社からなります。御祭神は、本宮が家津御子神、新宮が熊野速玉大神、那智が熊野夫須美大神です。