山の神・田の神

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山の神・田の神
山の神・田の神
やまのかみ・たのかみ

基本的に山の神は山村で、田の神は農村で祭られていましたが、いつの頃からか、山の神が春になると里に降りて来て田の神になり、秋にはまた山に登って山の神になる、という伝承が広く信じられるようになりました。ここで神様が里に降りて来ることを「さおり」、山に帰ることを「さのぼり」と呼びました。ここで「さ」は神のことで、「早乙女」・「早苗」の「さ」もこれが語源のようです。

ところで山の神は不美人の女神であるという伝承がよくあります(ここから木花咲耶姫の姉の石長姫ではないかという俗説もあります)。山の神の好物はオコゼだということによくなっているのですが、これはオコゼが自分より不細工なので、山の神が優越感に浸って喜ぶからだとされます。

この一方で、山の神は天狗であるとか熊であるとかいった伝承もあります。韓国に行くと山の神は虎であるということになっている地方もあるそうです。

また狩りをした時に獲物を分ける時に一人分を山の神のために分けるという風習を持っている地方があります。この分配単位は「タマス」(沖縄ではタマシ)と呼ばれ、「たましい(魂)」の語源ではないかとも言われているようです。

一部の地方では年末またはお正月になると、山の神が村に客としてやってくるという祭があります。有名なのは男鹿半島のナマハゲですが、他にも淡路島のヤマドッサン、石垣島のマユンガナシ、国東半島のヤマド、能登半島珠洲のアマメハギ、などといったものが知られています。

これがまたある地方では、収穫の時期に田の神が客人として家々を訪問するケースもあります。これは能登半島のアエノコトが有名です。

アエノコトでは「目に見えない神様」を、玄関から丁寧に案内し「どうぞ、こちらでございます」などと言いながら座敷に導き、床の間にお座り頂いて歓迎するということを行います。

日本には約8万社の神社があるということですが、ここで数えられているのはあくまで、きちんと神官がいて、祭神は何々であると決められ、宗教法人として届出の出ているような神社です。ところが、道祖神や山の神・田の神を祀る祠は日本全国に凄まじい数があり、よく近所のお婆さんなどがお供え物をしているのを見掛けます。やはりこの国には八百万ほどの神様がいても不思議ではありません。



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