豊受大神

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豊受大神
豊受大神(止由気大神) とよけのおおかみ
伊勢の神宮外宮
豊受大神(豊受大神)は伊勢の神宮の外宮に御鎮座なさっている神です。

この神がこの地にいらっしゃった経緯は止由気宮儀式帳に書かれています。

それによると、雄略天皇の22年、天照大神が天皇の夢枕に立たれて、こうおっしゃいました。

『私は高天原にいた時に、求めていた宮処に鎮まることができた。しかし一所に居るのはまことに苦しい。大御食を安らかに召し上がることができない。丹波国比治の真奈井原から止由気大神を迎えて欲しい』と。

そこで天皇はたたぢに、山田原の地に立派な社殿を営み、豊受大神宮をお迎えして祭祀をするようになったとのことです。

この神の出自は古事記の伊邪那美神がみまかった時に産まれた和久産巣日神の娘と記されています。

また天孫降臨の段には、この神が邇邇芸命に付き従って、地上に降りられたことが記されています。

丹後国風土記には、また別のこの神に関する伝説があります。

比治山の頂上に真奈井という井戸があり、ここに天女が8人やってきて、水浴びをしていた。その時、和奈佐老夫、和奈佐老婦という老夫婦が、ひとりの天女の衣を隠してしまった。このため、天女は天に帰ることができなくなり、やむを得ずこの夫婦の娘になった。

この娘は酒を造るのが上手で、その酒は高く売れ、老夫婦は金持ちになった。すると老夫婦は娘がもう邪魔になってしまい、追い出してしまった。

娘は悲しんでその村を去り、やがて奈具の村に至り、そこで暮らすようになった。この娘が豊宇賀能売命である。

まぁ、ひどい話です。これで天女が人魚に変わり、酒がロウソクに変われば、小川未明の「赤い蝋燭と人魚」になります。

もしそういう過去があったのだとしたら、豊受大神もこの伊勢の地に来て、心が安らいだかも知れません。

なお、この豊受大神は同じ食物神であるということと、「うけ/うか」という音の共通性からか、稲荷神社の御祭神、宇迦之御魂神としばしば同一視されています。



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