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←↑→ 全国66ヶ国お寺巡り99(65) 信濃


虎渓山から多治見駅まで戻ります。10:22のワイドビューしなの11号に乗り、
終点長野まで乗ります。到着時刻は12:57。ここからバスで10分。大門のバス
停で降りたそこは「信州・信濃の善光寺」です。山号は定額山。

山号は白雉5年(654)に勅願により作られた四門四号の額に由来します。西国
三十三カ所の番外霊場ともされます。

この善光寺は国内でも数少ない(唯一かも)無宗派の寺です。ここの本堂に
は宗派によらず誰でもお詣りして仏様の功徳を受けることができるようにな
っています。

その昔、欽明天皇(聖徳太子の祖父)の御代、神道を掲げる物部一族と仏教
を掲げる蘇我一族が争っていました。そのころ朝鮮から美しい仏像が日本に
贈られたので天皇は蘇我に命じてこれを祀らせました。

しかしその後伝染病が流行した時、物部は「外国の神など祀るからこんな病
気が流行るんだ」といい、蘇我の寺を襲撃して、この仏像も難波の堀江に捨
ててしまいました(日本書紀・欽明天皇13年)

これに心を痛めた信濃国の本田善光(若麻績東人)という人がこの捨てられた
仏像を拾い上げ、国に持ち帰って麻績の里に一宇を建ててお祀りしました。
これが善光寺の起源で、その後皇極天皇(天智天皇の母)の御代になって勅願
があり現在地に移転しています。

このご本尊は戦国末期に一度、旅に出ておられます。

永禄元年(1558)に武田信玄が甲府に新善光寺を作り、ご本尊をそちらに持っ
ていってしまいました。その後今度は織田信長が天正10年(1582)に最初岐阜
に移し、その後尾張甚目寺に移します。これを翌年徳川家康がもらい受けて
遠州鴨居寺に移したあと、また甲府の新善光寺に移します。その後慶長29年
(1597)に今度は豊臣秀吉が京都の方広寺に持っていきますが、翌年、やっと
信濃の善光寺に戻してくれました。ざっと40年ほどの大旅行でした。

(なお中世に建てられた新善光寺は全国で250に及ぶとのこと)

この善光寺のご本尊(秘仏)は一光三尊といって、ひとつの後光の中に阿弥陀
様と脇侍の観音菩薩様・勢至菩薩様が入っておられる珍しい形式です。梅原
猛の「隠された十字架」でも有名ですね。

寺域内には約40個の寺坊があります。その中でも際だった存在なのが天台宗
の大勧進と浄土宗の大本願で、実際には善光寺本堂はこの2寺が共同で管理
しています。

寺域に入って目の前に見えるのは堂々として仁王門。これは大正年間に再建
されたもので、仁王は高村光雲と弟子の米原雲海の作。背面には三面荒神と
三面大黒がおられます。

その仁王門より手前左側にあるのが大本願です。

ここは浄土宗の大本山のひとつ。元々は蘇我馬子の娘が尼になって尊光尼と
称し開いたものです。その後はしばしば宮家の堂上方の王女がここに住職と
して入る習慣ができ、そのためここの住職は尼宮上人と呼ばれ日本三大上人
の一として宮中から上人号と紫衣着用の勅許を賜ることになっています。こ
こには推古仏の聖観音像も納められています。本誓殿・明照殿・光明閣など
から成ります。

さて、仁王門をくぐって更に奥に行った所の左側少し奥に今度は大勧進があ
ります。

こちらは天台宗のお寺。善光寺如来を納めた万善堂、無量寿堂、紫雲閣、聖
天堂などからなります。ここの住職が善光寺の住職を兼ねるのですが、一般
には大僧正と呼ばれています。不動堂の中に納められた厄除け不動はとりわ
け人気が高く、多くの参拝者を集めています。また室町時代様式の庭園も美
しいものです。

さて参道に戻り、「鳩字の額」で有名な巨大な山門をくぐって進めばいよい
よ本堂です。その右手には6本柱の鐘楼。この6本の柱は南無阿弥陀仏の6
字を表しているとされます。

本堂は高さ28m,間口23m,奥行52m。奈良の大仏、京都三十三間堂につぐ日本
第三の大きさの仏教建築です。裳階つきの屋根は総檜皮葺き。現在の建物は
宝永4年(1707)に完成したものです。なお、この本堂に至るまでの参道の石
畳の数は7777枚であるとのことです。

本堂内部は外陣・中陣・内陣・内内陣に分かれています。参拝者は内陣まで
です。ここで私たちは来迎二十五菩薩に迎えられます。奥手内内陣の左手に
秘仏阿弥陀三尊が、その右手に本田善光と奥様の弥生、子の善佐を祀る三卿
の間があるはずです。

内陣の地下は戒壇巡りになっています。例の真っ暗闇の中を手探りで歩いて
通り抜けるものです。この戒壇巡りの通路のどこかに鍵があります。この鍵
に触れることができたら、誰でも極楽往生できるとのこと。さて、私は極楽
往生できるでしょうか。行ってみます。




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