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全国66ヶ国お寺巡り99(31)土佐
善通寺駅に戻り、土讃線の特急に乗って高知まで行きます。到着は18:19。 普通はこの時間ならここで泊まりなのですが、今日は更にここから室戸岬行 きのバスに乗り、21時半に到着。町内のホテルに投宿します。 明けて3月17日(水)。今日最初に行くのは四国24番札所・室戸山最御崎寺で す。ここは弘法大師修行の地です。 弘法大師はこの寺の近くにある御蔵洞という洞窟で若い頃、求聞持法の修法 を修めました。これは虚空蔵菩薩の真言を毎日1万回100日間唱え続けるとい うもので、そのとき彼の心の中は真っ白になり、やがて全ての感覚が自然と 一体になる境地に到達します。 「わが心空の如くあれ、わが心海の如くあれ」。ここから彼はやがて如空ま たは如海と名乗り、やがて「空海」と名乗ることになります。 そして、この求聞持法が満願した時、空に輝く明星が体の中に飛び込んで来 るという不思議を体験しました。星というのはまさに虚空蔵菩薩の象徴。こ の時、彼はまさに虚空蔵菩薩と一体化したのでしょう。 このお寺はその若い頃の修行にちなんで、弘法大師が帰国後、自ら虚空蔵菩 薩像を刻んで、一宇を建てたものです。 しかし実際問題として、自然との一体感をつかむのに海はとてもいい場所で す。海が繰返し繰返し聞かせてくれる波の音に心のリズムが同調すると、心 が海の上に広く広く広がって、遍在しているかのような感覚になります。 このとき積極的に同調させようと意識したら駄目です。楽な気持ちになって、 素直な気持ちで波の音を聞いていれば自然と意識が向こうの方に飛んで行き ます。 また同じ言葉を何度も何度も繰り返して唱えるのも、心の奥の方が外に向け て開放されるような感じを与えます。弘法大師はそのようにして、自分の無 意識を活性化させる術(すべ)を覚えていったのでしょう。 (注.こういった状態では心が無防備になりますから気をつけてください) 求聞持法は記憶力を増大させる効果があると言われていますがもともと能力 を持っていた人が、無意識の力をうまく利用できるようになっていたら、確 かに超人的な記憶力を発揮できたかも知れません。むろんまだ大師が若かっ たから効果があったことだと思います。 私も18〜19歳頃まではテープレコーダー的記憶力を持っていて、映画を見た 後でそのセリフを全部ノートに書き留めたり平気で出来ていましたが、中に はこういう記憶力をかなり高い年齢まで維持する人がいます。精神分析の祖 フロイトなどは40歳頃まで、そういうことができていたそうです。恐らくは 弘法大師もこういう記憶力を駆使して中国で短期間に物凄い量の知識を詰め 込んで来たのでしょう。 その弘法大師作という虚空蔵菩薩様にご挨拶してお参りします。