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『楢山節考』がカンヌでグランプリ(1983)
1983年5月19日、今村昌平監督の『楢山節考』が第36回カンヌ映画祭のグラ ンプリを受賞しました。今村監督は1997年の『うなぎ』で2度目のグラン プリ受賞となりましたが、カンヌ映画祭のグランプリを2度取ったのは フランシス・コッポラ、エミール・クストリッツァ、ビレ・アウグスト の3人しかいませんでした。 『楢山節考』は姥捨山伝説を題材にしたもので原作は深沢七郎さん(1914- 1987)。深沢さんのデビュー作(1956)です。深沢さんは日劇ミュージック ホールのギタリストをしていて、この小説は楽屋で書き上げたということ です。衝撃的な素材であるだけに過去色々な人が舞台や映画で取り上げて おり、木下恵介監督・田中絹代主演のものもありましたが、今村監督の ものは主演は坂本スミコです。 今村昌平監督は大正15年東京生まれ。松竹大船撮影所で小津安二郎監督や 川島雄三監督のもとで助監督を務め、のち日活に移って1958年「盗まれた 欲情」で監督デビュー。数々の作品を手がけたのち1974年横浜放送映画 専門学院(現・日本映画学校/川崎)設立。1983年の「楢山節考」1997年 の「うなぎ」でカンヌ映画祭グランプリを獲得したほか、1987年「ZEGEN」、 1990年「黒い雨」も同祭に出品しています。ここ20年ほどは数年に1本と いうゆったりしたペースで映画を作っているようです。 姥捨山というのはもう働けなくなった老人を山に捨ててくるという風習で すが、こういう風習が日本に実在したのかについては両論があって決着が つきません。 ある年齢になったら捨てられるとか足腰が立つものは自主的に山に入ると いう話がある一方で、昔話には村で困ったことがあった時に捨てられた 老人達が出した知恵で乗り切ったというもの、また捨てに行く息子の身体 を捨てられる母親が心配しているのに感動して、捨てずにそのまま戻って きたなどという話もあります。しかし普段はそういう風習がなかったとし ても、飢饉などの時には老人達は実際、若い者たちに優先的に食糧を与え、 自ら山に入ったかも知れません。
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