鬼頭判事補事件(1976)

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これもどうにも不透明な事件です。

1976年8月4日、京都地裁の鬼頭史郎判事補が検事総長の名前を騙って首相の三木武夫氏に電話を掛け、ロッキード事件への政治介入に関する言質を引出そうとしました。

この事件は鬼頭判事補が10月になってこの時の録音テープを新聞記者に公開したことから明らかになりました。国会はこの鬼頭判事補の行為を裁判官にあるまじき行為として国会に喚問して事情を聞こうとしますが鬼頭氏は豊富な法律知識を駆使して証言を拒否、議員たちを煙に巻きました。

結果的に国会は弾劾裁判所を開催。同判事補に対して罷免の判決を言い渡しました。また鬼頭氏はこの件に関して官職詐称の罪で刑事起訴もされ、拘置29日の判決を受けました。

同氏については、この事件の以前にも網走刑務所を訪れて戦時中に政治犯として収監されていた共産党の宮本元議長の関係書類を「職務」と偽って閲覧する事件もあり、この件に関しても職権乱用罪で懲役10ヶ月・執行猶予2年の判決を受けています。

結局鬼頭氏が何も発言していないため、彼の意図は何だったのか、また背後になにかの団体があったのか、などについては全く解明されていません。

なお、鬼頭氏は1985年に法曹資格を回復していますが、弁護士会は彼の登録を認めていません。


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