『ドラえもん』は藤子不二雄(藤本弘&安孫子素雄)の最大のヒット作(*1)で、ドラえもんはその登場人物です。このマンガの基本設定は次のようになっています。
野比のび太は何をやっても失敗ばかりで、多額の借金を作り、その曾孫のセワシの代になってもその借金がまだ全部返せず苦労していた。そこでセワシはのび太の人生を変えてそれほど大きな失敗をしないようにする為、ネコ型ロボットのドラえもんをタイムマシンで過去の世界に送り込むことにした。 |
主な登場人物は藤子不二雄の出世作『おばけのQ太郎』のパターンを踏襲し、次のようになっています。
野比のび太 | 8月7日生。主人公。どじで頭もよくないが、あやとりと拳銃の腕は天才的。 |
源しずか | 5月生。ちょっとわがままな女の子で近所のアイドル。いつもお風呂に入っている。 |
剛田武(ジャイアン) | 6月生。近所の大将。乱暴者だが勇気もある。歌が大好きだが超音痴。妹のジャイ子はマンガ家志望。 |
骨川スネ夫 | 2月生。金持ちの息子でやや鼻持ちならないが気の弱い男の子。 |
この4人とドラえもんの5人による色々な騒動と顛末が、この物語の基本パターンです。
『おばけのQ太郎』などの先行作と比較すると、次のようになります。
Q太郎 パーマン キテレツ バケルくん ドラえもん正太 みつ夫 キテレツ カワル のび太よっちゃん みち子 みよ子 ユミ しずかゴジラ カバ夫 ブタゴリラ ゴン太 ジャイアン木佐 サブ トンガリ ? スネ夫
子供の組み合わせは伝統的藤子不二雄パターンでも、その性格付けは『おばけのQ太郎』時代からはかなり進化しています。『おばけのQ太郎』の登場人物がどちらかというとステレオタイプ的であったのに対して、『ドラえもん』では各々がもっと全人格的に描かれていて、誰もが困ったちゃんにもなれば誰もが解決者になります。ドラえもんにしても基本的にはみんなをたすける立場ですが、ドラえもんが最大の問題者になることもあります。『ドラえもん』のひとつの魅力は、ドラえもんが毎回出してくる未来の道具です。これが問題を解決したり、逆に複雑化します。登場頻度の高いものとしては次のようなものがあります。
それからドラえもんの身長は当時の小学四年生の平均身長から取ったもので、ここから誕生日の数字も出てきています。
(*1)ドラえもんは当初藤子不二雄の名前で発表されましたが、コンビ解消の際、藤本弘氏(藤子F不二雄)に著作権があるものとされています。
(*2)藤本氏が亡くなった後はドラえもんは藤子プロの萩原伸一氏が藤本氏の遺言に基づき描き続けています。