フランスの作家・思想家、ボーボワール(Simone de Beauvoir)は1908年1月9日パリで生まれました。カトリック系の学校を出たあと、両親の反対を押し切って大学に進学。この時にサルトルと知り合い、その後終生良き伴侶として過ごしました。
最初の作品は1943年の「招かれた女(L'invitee)」。その後「他人の血(Le sang des autres,1945)」「マンダラン(Les Mandarins,1954)」などの作品があります。彼女の作品には哲学や自分の人生の出来事を仮構という場を借りて表現したものも多いようです。
有名な「女に生まれるのではなく女になるのだ ( On ne nait pas femme, on le devient. 英訳すれば One is not born woman, one becomes it.)」という言葉は1949年の「第二の性(Le deuxieme sexe)」に書かれたものです。
彼女は同作品の中で「女は男で区別されており、彼女自身では区別されていない(Une femme se differencie par rapport a l'homme et non celui-ci par rapport a elle.)」とも言っています。
彼女自身は必ずしもフェミニストではないのですが、彼女はこの作品で男という「第一の性」に従属する「第二の性」として、男の付属品のような生き方に甘んじている女の姿に対して疑問提起をしており、結果的にその後のフェミニズムの運動に大きな影響を与えました。