ショパン(1810-1849)

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「ピアノの詩人」と呼ばれるショパン(Frederic Francois Chopin)は1810年3月1日、ポーランドのワルシャワ近郊ジェラゾヴァ・ヴォーラで生まれました。(2月22日説もあるもよう。占星術家ジョーンズの著書では2.22 18:00 となっている。しかし各種資料から3月1日説は動かないと思う)

父はフランス人、母はポーランド人です。父はその年の10月にワルシャワの中学校のフランス語教師に採用され、一家はワルシャワ市内に転居しました。

4歳の時に姉からピアノの手ほどきを受け、6歳の時から正式に習い始めます。素晴らしい才能を見せ、多数の作品を生み出しますが、まだ楽譜が書けません。そこで初期の段階ではピアノの先生が書き取って残しています。7歳の時に出版された「ポロネーズ・ト短調」もその中のひとつです。

1826年ワルシャワ音楽院に入学、ユゼフ・エルスネルなどの指導を受けます。コンスタンツィアに出会ったのはこの時期です。卒業後ウィーンでデビューコンサートを開いて成功。彼の楽譜がウィーンでも出版されると、それを見たシューマンは「諸君、天才だ。帽子を取り給え」という言葉を残します。

1831年パリに出ますが、その旅の途中でワルシャワがロシア軍に占領された知らせを聞きショックを受けます。その衝撃と、いつかロシアを撃退したいという思いで書かれたのが練習曲12番ハ短調「革命」(*1)と伝えられます。

パリでのデビューコンサートは好評ではありましたが、彼の演奏にはひとつの問題がありました。「ピアノの詩人」と呼ばれるにふさわしく、ひじょうに繊細な演奏をする人ですので、大ホールでの演奏になじみません。少人数のサロンでの演奏が中心になってしまうため、彼はあまり多くの収入を得られず生活に困窮することになります。そこで彼はパリを諦め、アメリカに渡ろうと考えました。

ところがそのパリを出ようとしていた時、彼の演奏をよく聞きに来ていたラジヴュ侯爵という人に偶然逢います。別れの挨拶をするショパンに驚いた侯爵はショパンをロスチャイルド家に紹介。その縁から多くの貴族の子弟の音楽教師の職を得ることができました。これにより彼は月に2000〜3000フラン(現代の感覚では多分70〜100万円くらい)もの収入を得ることができるようになり、彼はフランスに留まることになりました。

これから1835年までが彼の活動のピークで、この時期リストと親しくなってしばしば一緒にステージを務めています。また、故郷の元恋人コンスタンツィアのことを想い出しながら書いたという練習曲3番ホ長調(通称別れの曲,*2)が出来たのも、この時期といわれています。

1835年彼はボヘミアに赴いて両親や妹と再会しました。(これが最後の出会いになりました)しかしその旅の途中、初めて喀血。彼の体を結核がむしばんでいました。このためそれ以降彼はコンサート活動などは控えるようになります。

1836年秋彼は自分の人生に大きな影響を与える人物と出会います。「愛の妖精」で有名な作家のジョルジュ・サンドです。ショパンは彼女に最初に出会った頃「あれは女なのか?」という言葉を残していますが、これはサンドが女らしくないという意味ではなく、彼女がしばしば男装していたため「男かと思っていた」という意味なのかも知れません。

彼は1836年の夏に別の女性と婚約していましたが、結局その女性とは別れて、サンドと一緒に暮らすことになります。彼女との恋は12年間続きました。小学生でも知っている小品「小犬のワルツ」はこの時期の作品です。これはサンドの家の中で彼女の愛犬が走り回っている様子を描いたものといわれています。

サンドと完全に別れたのが1848年の2月とされますが、彼はこの年の4月、弟子の招きでイギリスに渡り、ビクトリア女王の前で演奏をしました。しかしこの時期、結核はかなりきつい状況になっていました。弟子たちの指導をする際にも薬で症状を抑えておかなければ、どうにもならなかったといいます。

1849年の夏には病状が重いことを聞き、姉が見舞いに来てくれますが、状態は悪くなる一方でした。そして10月17日午前2時、その姉たちに看取られて死去。享年39歳。

--------------------(*1)薬師丸ひろ子が主演した1981年の角川映画「ねらわれた学園」のクライマックスで金星人役の峰岸徹がこの曲を弾いていた。

(*2)富田靖子が熱演した1985の大林宣彦監督映画「さびしんぼう」で作品の重要なモチーフとして使用されていた。元々はショパンの生涯を描いた1934年のドイツ映画「別れの曲(Abschiedswalzer,英題=Farewell Waltz)」のテーマ曲で「別れの曲」の通称もこの映画から生まれました。


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