初期ルネッサンスの画家ボッティチェルリ(Sandro Botticelli)は1444年3月11日、イタリアのフィレンツェで生まれました。(1445年説もあり)
フィリッポ・リッピに師事したあと1480年頃に自分の工房を持つに至ります。1482年頃システィーネ教会の壁画を担当、またその頃出版されたダンテの「神曲」(元々の出版年代は1321年)の本の挿絵を描いています。初期の段階では宗教的な画題が多かったのですが晩年にはギリシャ神話の世界に取材したテーマが多くなりました。1510年に亡くなっています。
彼はその後イタリアではほとんど忘れられていましたが、近年になって評価が高まり、現在では15世紀後半のイタリアを代表する大画家とされています。
代表作は「プリマヴェーラ(春,Primavera,1477)」と「ヴィーナスの誕生(Birth of Venus,1485)」。いづれもメディチ家のカステルロに別荘に置かれていましたが、現在はウフィッツイ(Uffizi)美術館に収蔵されています。
西風(ゼビュロス)の息吹の湿気を帯びた力が輝く海の上を、柔らかい泡につつんだまま運んだ黄金の髪飾りを付けた季節の女神たち(ホーライ)が彼女を迎えて、不死の衣を着せた
アフロディーテ讃歌です。モデルはシモネッタ・ヴェスプッチという女性とされています。