米良美一(1971-)

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5月21日は一部の資料によると「もののけ姫」ですっかり有名人になったカウンターテナー(男声アルト)の米良美一(めらよしかず)さんの誕生日です。(米良さんの誕生日に関する資料は5.21説のものと5.27説のものとがある。1と7が似ているのでどちらかが読み間違いか?)

米良さんは1971年宮崎県西都市生まれ。洗足学園大学在学中にテノールからカウンターテナーに転向して、宗教曲などを主に歌ってきました。1995年奏楽堂日本歌曲コンクール3位。1997年宮崎駿の映画「もののけ姫」のテーマ曲を歌って、大ブレイクするとともに「カウンターテナー」という言葉を多くの人に知らしめました。

女声の領域を歌う男性歌手としては18世紀頃に多く登場したカストラート(去勢男性歌手)が有名ですが、カウンターテナーは去勢している訳ではなく、技術だけで女声の声域を出すものです。一般にはアルト領域を歌うので、単に「アルト」と書かれることもありますが、まれにソプラノ領域まで声の出るすごい人もいます。

(18世紀頃はカストラートがソプラノを歌い、カウンターテナーがアルトを歌って合唱したような例もあるようです)

日本のカウンターテナーは恐らく全国で数十人程度と思いますが、プロとして活躍している人ではこの米良美一と太刀川昭が著名です。

カウンターテナーの発声法はその人様々ですが、原理的なことをいうと、こうなります。

弦楽器や管楽器が、小さい物ほど高音が出るように、人間の声帯も短いほど高い声が出ます。

女性の声が男性の声より高いのは声帯が短いからな訳で、男性はだいたい10〜12歳ころに声帯が長くなって「声変わり」を経験し、低い声になります。カストラートの場合は8〜10歳頃に去勢して声帯が長くなるのを防ぐ訳です。

さて、ここでギターやバイオリンを考えてもらうといいのですが、低い音の出る弦でも弦の途中を押さえてはじくと高い音が出ます。カウンターテナーの発声法は基本的にはこれを行ないます。すなわち長い声帯の全てを振るわせて声を出せば低い男性の声になりますが、(喉仏の部分を使わずに)声帯の下半分だけを振るわせて声を出せば高い女性のような声になります。

これはファルセット(裏声)の出し方とは異なります。裏声が声帯を全く震わせていませんので、薄っぺらな感じになるのに対して、カウンターテナーの声は声帯の半分が震えることによりきちんと響きのある聞きやすい声になります。

男性の皆さん、練習してみますか?(テノールの人よりバリトンの人の方が習得しやすいそうです)


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