舞の海(1968-)

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大相撲で小兵ながらも多彩な技で土俵を湧かせてくれた舞の海(本名長尾秀平)さんは昭和43年(1968)2月17日、青森県鰺ヶ沢町で生まれました。

木造高校から日大に進み相撲部で活躍。大相撲を志しますが当時大相撲は新弟子の条件として身長173cm以上、体重75kg以上という線を引いていました。しかし舞の海は身長が169cm。体重は頑張って食べればなんとか増やせますが身長はどうにもなりません。案の定最初の新弟子検査では不合格。

彼は教員としての就職口も内定していたのですが、やはり大相撲で活躍する夢を捨てきれず、色々な知人に相談した結果、頭皮の下にシリコンを入れて身長を水増しする手を使おうということになりました。

これは簡単に言いますが大変な手術だったようですし、4cmも水増しした訳ですから、このシリコンを入れている間、痛くて彼はなかなか安眠できなかったといいます。しかし、その苦労の成果あって新弟子合格。すぐにそのシリコンを除去する手術を再度受け、平成2年(1990)5月場所で幕下付け出しでデビューしました。

彼は順調に出世し、翌年3月場所で新十両、同年9月場所で新入幕と上がってきました。彼の活躍を受け、相撲協会では新弟子検査における身長の条件を緩和し、身長・体重が規定に満たない場合でも学生相撲である程度の成績を納めている人は入門を許可する旨の規約改訂を行いました。舞の海の苦労は報われたのです。(その後2000年8月に身長条項完全撤廃)

十両までは順調にクリアしてきた舞の海でしたが、幕内の強力な力士たちにはどうしても体格で負けてしまう場面もありました。そこで彼は対抗する為多彩な技を繰り出し「技のデパート」と呼ばれました。出した技の種類ではむしろ先日引退した横綱・若乃花の方が多いと思いますが、特に大型力士相手に何度か見せた猫だましは彼の得意技として多くの人に記憶されました。

五度の技能賞を取り、1994年には小結にもなっています。1999年11月場所後に引退。翌年5月27日断髪式。引退後は協会からも離れ、現在は相撲解説者や大学の講師などとして活躍しています。

通算成績385勝418敗27休。幕内通算成績241勝287敗12休。


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