慶長13年(1608)10月1日、木喰上人が亡くなりました。
木喰上人というのは肉食はもちろん穀物も絶って、木の実や草などのみを食べるという戒律を立てて実行している修行僧のことをいいます。歴史上木喰上人と呼ばれる僧は実は何人もいるようですが、その中の一人がこの上人です。
この木喰上人は応其という名前で、天文5年(1536)に生まれ高野山で出家、京都の大仏殿の造築に力を尽くしました。興山上人とも呼ばれます。
もう一人有名な木喰上人は享保3年(1718)生まれ、文化7年(1810)没。明満という名前で、諸国を行脚して千体以上の仏像を彫って回りました。このような偉業を遂げた人としては円空が有名ですが、円空の仏像が荒々しく力強いものであるのに対して、明満のものは優しく親しみやすい感じに仕上がっています。