欧州共通通貨であるユーロ(Euro)は1999年1月1日から使用が開始されました。
1979年から「欧州通貨単位」ECUが導入されており、ベルギーやフランスではECUの貨幣も発行されていたのですが、1999年からは各国の独自通貨を廃止して、EUROに統一されました。当初はいろいろ不安視された面もあったのですが現在ではアメリカのドルに次ぐ、国際標準通貨としての地位を獲得しています。
フランスのフラン、ドイツのマルク、イタリアのリラ、スペインのペセタなどがEURO導入に伴い姿を消し、特にマルクはそれまで単独でも国際的に強い貨幣であったのでEUROに移行するのは国力を削ぐのではという声もドイツ国内にはかなりあったようですが、大いなる決断で移行しました。
現在EUROに参加しているのは下記の国です。ドイツ(マルク)、フランス(フラン)、スペイン(ペセタ)、イタリア(リラ)、ベルギー(フラン)、オランダ(ギルダー)、ルクセンブルク(フラン)、フィンランド(マルッカ)、オーストリア(シリング)、アイルランド(ポンド)、ポルトガル(エスクード)、ギリシャ(ドラクマ)、スロベニア(トラール)、キプロス(ポンド)、マルタ(リラ)、
逆に参加していない主な国としては、イギリス(ポンド)、スイス(フラン)、スウェーデン(クローナ)、デンマーク(クローネ)、ノルウェー(クローネ)、アイスランド(クローナ)
などがあります。特にイギリスが参加していないのは痛いのですが、国内事情もあり、なかなか作業が進展していないようです。
ユーロの発足は、ヨーロッパの経済力をひじょうに高めたといって間違いありません。これに刺激されて、東アジアでも、ぜひ共通通貨をという声も一部にはありますが、鍵を握っている日中韓3国の意見をまとめるには50年くらいかかるかも知れません。
しかしヨーロッパのECも戦時中の「パン・ヨーロッパ構想」から50年の月日を経てまとまってきたものであり、アジアもある意味ではこれからでしょう。