←↑→ (3)確率,倒産,当選,間違い,マルチ,SF(催眠)
 今回書く商法はほんどが「違法ではない」商法です。ただこういう商法に
 遭遇した時は「冷静に考えて欲しい」と思います。

 倒産商法というのは「○○社が倒産しました」というチラシを配り、その倒産
 した会社の在庫品を格安に処分するので、あなたも買いませんか?と誘い出す
 商法です。そういう処分品なら、随分割安なのではと思う人間の心理に付け
 込んだものですが、必ずしも安くなかったり、安くても品質が悪かったりします。

 当選商法(アポイントメント商法)というのは「あなたは○○の抽選に当たり
 ました」といって電話などを掛けてきて、商品を受け取りに来て欲しいと呼び
 出して、事務所に連れてくると、旅行クラブなどの会員権が格安に購入できる
 などといって何十万もするような会員権(概して中身は無い)を買わせようと
 するものです。
 
 類似の商法で街頭で「抽選をしませんか?」などと勧誘して、宝石が当たった
 のでその加工費を負担して下さい、などといったりする者もあります。この人
 たちは観光地などに良くいます。ツアーなどで行っているとガイドさんが
 「あそこの抽選はしない方がいいです」と小声で注意してくれたりします。
 
 似たような商法では街頭で占い師の振りをして悩みを持っている人たちを誘い
 「あなたのケースは私では対処できない。私の師匠の所に来てください」など
 といって「大先生」の家に連れて行き、そこで高価な「鑑定料」を取るという
 ものもあります。マジで身の危険を感じて30万払って逃げてきた、などという
 報告もあるようです。霊感商法のバリエーションのひとつでしょう。この手の
 「変な街頭占い師」はだいたい目を見れば分かると多くの人が言います。ただ
 本当に悩みを抱えていて精神が不安定になっている人はひっかかる危険があり
 ます。そういう人たちを食い物にするのは許せないところです。
 
 デート商法というのもそれにまた似た商売で概して勧誘者は若い女性です。
 若い男性に進んでナンパされて、デートをしてあげる代わりに高価な商品の
 購入や入会などに勧誘されます。しばしば高校の同級生などから突然電話が
 掛かってきて「会いたい」などと言われて、という話もあります。同級生も
 信用できない、などというのは嫌な世の中になったものです。

 間違い商法というのは、大学の近くなどで世間知らずの新入生などを狙って
 います。紳士服などをたくさん積んだライトバンで、まるで道を聞くかのよう
 な感じで近づき「実は紳士服の○○の配達しているんだけど、出庫係が間違え
 たみたいで、配達することになっていた伝票より服の方が多い。余ったのを
 返品する手間も大変なので、良かったら安く買ってくれない?」などと持ち
 かけるものです。そんな馬鹿な話があるわけないのですが、ひっかかる人が
 います。

 確率商法というのは投資の誘いのハガキを使います。私の相場の予測法は必ず
 当たるなどと称して大量にたとえば8000枚のハガキを出しますが、その時半分
 には特定の銘柄が上がると書き、残り半分には下がると書きます。するとどち
 らかが当たります。当たった方の4000人に今度はまた別の銘柄の上がり下がり
 を2000通ずつ逆に書いて送ります。するとまたどちらかが当たります。そして
 今度はその当たった2000通をまた1000通ずつに分けて、片方に新たな銘柄が
 上がると書き、残りには下がると書きます。またどちらかが当たります。
 
 ここで最後まで残った1000通を読んだ人にとってはそこから来た葉書の予測は
 3回も続けて当たったことになります。すると、ここは信用してもいいのかな
 という気になってしまうわけです。

 点検商法というのは、電気設備の点検に来ましたとか水道の水質検査に来ました
 などといって家の中に入ってきて、おもむろに調べるような振りをし、異常が
 あるから、この機械を取り付けなければならないとか、浄水器を取り付けないと
 この水は飲用に耐えないなどといって高価なものを買わせようとするものです。
 まるで団地やマンションの管理会社から来たかのような顔をして商売をするの
 で最近はどこの団地やマンションにも注意書きが貼ってあったりします。
 
 似たようなもので消防署から来ましたといって消火器を売りつける人たちもいま
 す。これは騙された方も騙されたことに気付いていないケースも多いです。

 マルチ商法というのはかつてのネズミ講のバリエーションです。ネズミ講とは
 最も単純な仕組みではこうなっています。
 
  ・最初の会員Aさんが子会員B1,B2,B3,B4,B5を入会させる。B1〜B5は自分の
   親に10万円払う
  ・各子会員例えばB1は自分でまた5人C11,C12,C13,C14,C15を勧誘して入会
   させる。各子会員は自分の親のB1に10万円払う。
  ・その各子会員C11は自分でまた5人勧誘して......

 というのが無限に連鎖していく訳です。すると新たに入会した人は自分の親に
 10万払いますが子会員から50万もらえるので40万円の儲けになります。これが
 連鎖していけばみんなお金持ちになれるではないか、というのが典型的な
 ネズミ講で、大規模な摘発を受けた「天下一家の会」などはこれをもう少し
 複雑にしたシステムを取っていました。
 
 ネズミ講の致命的な問題点は会員全体でのお金の量を見てみると全く増えて
 いないということで、これは単にお金の存在場所を親の方に向けて掻き寄せて
 いるだけなのです。次々と新たな会員を獲得することによって子会員はお金を
 得られる訳ですがどこかで会員の勧誘は限界に達します。すると限界に達した
 所で最後に入会した人たちは、結局親には払ったものの、子会員が得られず
 大きな損失のまま残ってしまうということになるわけです。
 
 ネズミ講は現在法律で禁止されていますがマルチ商法というのは、その法律を
 微妙にかいくぐるような形で商品の販売を絡めて同様の商売を展開している
 ものです。団地などで主婦仲間を集めてパーティを開き、その場で勧誘したり
 するような人もいます(パーティー商法)。またしばしば、ファーストフード
 やカフェなどで勧誘している人たちも見かけます。ネット上で似たような商売
 をしている人たち(MLM)もあり勧誘のDMも大量にばらまかれています。
 また掲示板の管理者の間ではこの手の勧誘の書き込みを如何にして排除するか
 が頭の痛い問題になっています。
 
 催眠商法またはSF(新商品普及会)商法と呼ばれるものは、簡単に言えば最初
 安い商品をタダで配ったり、本当に格安で売ったりしておいて、相手が販売者
 に義理を感じ始めたところで極めて割高な商品を売りつけるというものです。
 「こんなにもらったのだから」と思ってしまう気の弱い人たちがターゲットに
 なります。この販売者たちは決して脅迫したりはしませんので、違法性を問う
 のは極めて困難ですが、人の良心に付け込むやり方はやはり卑劣だと思います。
 
 この手の商売には概して地元の商店街も困っており、ある商店街ではこの商売
 をしている店舗を追放するのに、店舗の前に停めてあった車が違法駐車だという
 のを使って警察に手入れをさせたという話もあります。
 
 2chの防犯板などを見ていると時々その勧誘側やらされていましたという人が
 出てきていますが、彼らもほとんど被害者で、まさかそんな商売の会社とは
 知らずに、普通の求人雑誌などを見て応募して就職し、ほとんどの人が半年
 程度以内にやめていくということでした。求人雑誌はもっと記事の内容をきち
 んと審査すべきだと思います。

 同様にやっている人もほとんどが騙された人、というのでは先物取引や不動産
 取引などの電話勧誘をやらされている人たちもいます。いまどきこんなものに
 ひっかかる人もいないので、この人たちはほとんど働き損です。
 
 基本的に「儲かる話」を他人にわざわざ教えるというのは原理的におかしい
 のです。みんながしないことをするから、お金は儲かる(特に投資の世界では)
 のであって「こういう儲かる話がある」というお誘いは100%詐欺かそうで
 なければ勧誘している側の大いなる勘違いです。

 仕事をネタに騙されるというものでは、資格商法(士-サムライ-商法)とか
 内職商法・代理店商法というのもあります。これこれこういう資格が取れると
 勧誘して高い授業料を取っておいて、ほとんど無価値の資格を取らせたり、
 内職の口があるからとか何々の代理店になれば儲かるなどといって工作設備や
 場合によっては車などをローンで買わせておいて実は仕事は全く無い、という
 ものです。この手の商売にしろマルチ商法にしろ、怪しげな会社だけがやって
 いるのではなく、町の表通りにきれいなビルを建て堂々とテレビCMも流して
 いるような、立派な(に見える)会社がやっているケースも多々ありますから、
 気を付ける必要があります。

(2004-11-06)

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