 
(1)オレオレ詐欺
最近新たな手口の詐欺が続出し、世間の事情に疎いお年寄りなどは一番の
ターゲットにされて老後の生活資金を失ったりしていますが、このような
詐欺の中で最も卑劣なのが、オレオレ詐欺でしょう。
基本的な手口は、電話帳を見て高齢者と思われる名前の家に電話をし、
「オレオレ」と小声で話して相手が孫かと思って「○○ちゃん?」と名前
を尋ねると、突然、交通事故を起こして賠償金を請求されているだの、
闇金から借りたお金を返さないと海に沈められるだの、女性の場合は中絶
の費用が無いだのといって(この3つの理由が全体の9割を占めている)、
何とか助けて欲しいと涙声に訴えて、お金を出させるものです。
初期の段階では、自分が行けないので代わりに友人を受け取りにやるなど
といって直接お金を受け取っていましたが、後で似顔絵などを作られた
時の対策にやがて直接の接触を避け、仮名口座を利用してお金を振り込ま
せる手口のものが主流になってきました。
警察庁の統計によれば昨年1年間で届け出のあったオレオレ詐欺の被害は
6504件(既遂4319件)で被害総額は43億1827万円。今年は8月までの数字で
既に9303件(既遂5708件)で被害総額は100億3225万円に達しています。
オレオレ詐欺の卑劣さは第一に、被害者に凄まじい心労を与えていること、
そして第二に年金などで細々と生活しているお年寄りから、なけなしの
お金をむしり取っていることです。
幸いにもこういうお年寄りは銀行のATMで振り込むなどという操作が
できない人が多いので、多くは窓口に行って振り込みの依頼をします。
そのため最近は銀行の職員が何かおかしいという事に気付いて状況を
尋ね、怪しいと思ったら、当の孫に連絡を取ってみるように言って、
被害を未然に防いだりするケースも増えてきました。
しかし逆に高齢者が窓口でうまく止めてもらえるため最近ではかえって
50代くらいの女性の被害が一番増えているようです。
オレオレ詐欺の対策の第一はよく分からない電話があったら
相手が名前を名乗るまで、こちらから絶対に名前は言わないこと、第二に
電話を切ったあとで直接本人に電話して再確認するか、すぐ連絡が付かない
場合は誰か身内の若い人に相談することです。
また警察官を名乗る相手から示談のための金額を指定するような例も
あるようですが、警察がそのような交渉をすることはあり得ません。
しかし世間でこれだけ騒がれているにもかかわらずなかなかこの手の
詐欺が終息しないのは、なんといってもお年寄りの多くが世の中の
情報に付いて行っていないという問題があります。各地の自治体など
でも、広報に努めてはいるようですが、どうかすると動転して若い人
でもひっかかることがあるような詐欺なので、警察が徹底的な摘発で
犯人をどんどん検挙して「割に合わない詐欺だ」という風潮になるまで
は、完全な終息は困難なのかも知れません。
オレオレ詐欺で検挙された者の数は今までわずか200名程度に過ぎません。
捜査の困難な事件ですし1件1件の被害額は小さいものではありますが、
警察の奮起を期待したい所です。また必要なら銀行関係の法規の速やかな
改訂も期待したい所です。
(2004-10-06)
 
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