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■性転換手術
ことば
日本では現在「性転換手術」の名前で通っているが、英語では最近は sex-change surgery とはいわず、sex reassignment surgery (SRS) という名前が一般的である。中には社会的な性適合のための手術なのだからということで、gender reassignment surgery (GRS)ということばを使う人もいる。
俗には、男性から女性への性転換手術はポールとボールを取って、ホールを作る手術だという。うまい言葉遊びだが実際に手術はそういう過程で進む。
性転換手術の技法はまだ完成したものではない。日々発展しているものと考えた方がよいであろう。
現代では一般に、リリー・エルベが受けたような、性腺の移植はおこなわない。提供者の確保が難しいこと、拒絶反応の問題があること、などがある。中国で移植手術がおこなわれたという報道もあるが、信頼度は低いものと思われる。しかし将来は「性器バンク」のようなものが作られ、組織的に適合しやすそうな人に性腺が移植されるようなこともあるかも知れない。その場合、ドナーカードに「性器」というチェック欄ができたりするかも知れない。
MTF
男性から女性へ(MTF - Male to Female)の手術はだいたい次のようにおこなわれる。
この方法が考案される前は、腸(S字結腸)の一部を使ったり、大腿部の皮膚を丸めて膣を作ったりという方法がおこなわれていた。腸を使用した場合、お腹に開腹の跡が残るのが不評であった。現代では膣欠損症の女性に対する造膣術においても、腸利用方式はほとんどおこなわれていない。
なお、この手術を受けた人は、膣が萎縮してしまわないよう、一生、膣にシリコン製の詰め物(ステントという)を入れておかなければならない。
この方法をpenil-invertion法という。陰茎皮膚で膣を作るので、ちょうど男性の陰茎を受け入れることのできるサイズの膣ができるのが特徴である。また神経が残るため、この膣はきちんと性感も残る。手術はできるだけ神経を傷つけないように細心の注意を払っておこなわれる。医師によっては膣を折り込む時に少し波打つようにして埋め込む。すると性交時に双方とも快感が増すのである。
FTM
女性から男性へ(FTM - Female to Male)の手術はだいたい次のようにおこなわれる。
しかしFTM性転換志向の人の場合、現状の手術の内容に期待せず、卵巣と乳房の除去だけで我慢している人も多いという。
女性から男性への手術というのは、男性から女性への手術に比べてあまりにも不完全である。この手術を受けても陰茎は勃起しない。どうしても勃起させて性行為をおこないたいという人には、男性の性的不能治療と同様に電動式の勃起・精液射出機構を組み込む場合もある。かなり不便ではあるが、なんとかなっている人もあるという。