02.初速度と到達距離

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問題 物体の放物運動で、初速度と到達距離の関係を確認せよ。

考察

以下は、水平面での場合を考える。高低差があると、とても難しくなる。また以下の計算で重力加速度は g = 9.8 m/s2 とする。

初速度 v 仰角 θ で物体を投じた場合、水平方向は v cosθで等速運動をする。垂直方向では、初速度 v sinθ、重力加速度 g の等加速度運動になるので、t 秒後の高度は v t sinθ - 1/2g t2 で計算される。

到達距離ではこの値がゼロになるから、
\( v t \sin{θ} = \frac{1}{2} g t^2 \)
t>0 なら \( v \sin{θ} = \frac{1}{2} g t \)
\( t = \frac{2v \sin{θ} }{g} \)
これを水平移動距離 v t cosθ に代入すると、到達距離は
\( d = \frac{2 v^2 \sin{θ}\cos{θ} }{g} = \frac{v^2 \sin{2θ} }{g} \)

この式からも“水平面で”最大の到達距離を得るには sin 2θ = 1 つまり θ= \( \frac{π}{4} \) (45度)にすれば良いことが分かる。(到達点の高度が高い場合はこれよりもっと上方向に投じる必要がある。バスケットのシュートは約50度の方向がいちばん飛ぶ)。

上記の方程式をθ=45度の場合で v について解くと
\( \frac{v^2}{g} = d \)
\( v = \sqrt{g d} \)

例えば、d=120mなら、v = 34.29 m/s = 123km/h ということになり、ホームランはこの程度以上の速度で打ち出されていることが分かる。

なお、場外ホームランの計算はスタンドにぶつからない軌跡を描くという条件があるので、結構難しくなる。

(2021-08-16)
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