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↑ スノーボード


★今日の特集 ウィンタースポーツの世界(6)スノーボード-1

スノーボード(snowboard)は大雑把に言えば、1本の板だけで滑るスキーです
が、長年スキー界の長老?たちから異端扱いされ、国際スキー連盟(FIS)と
国際スノーボード連盟(ISF)の対立も、かなり根深いものがあるようです。
しかし1998年の長野五輪では、ようやくスノーボードも正式種目として取り
上げられ、その地位は次第に広い認知を得るようになってきています。

スノーボードは初期の頃はスナーファー(snurfer)と呼ばれ1965年にアメリカ
でShervin Popperという人が作ったのが最初であるとされています。これは
スキー板を2本ボルトで留めたものでした。

基本的にポッパーが考えていたのは「雪上サーフィン」であり、サーフィン
をする人たちの冬季の練習用の道具という考え方でした。彼はこの道具が
売れると見込んで量産ができる準備までしていたようですが、当時はまだ
反響はそれほどではありませんでした。

本格的にこの道具が普及しはじめるのは1970年代になってからです。Dimitrije
Milovich, Tom Sims(*1), Bob Webber などといった人たちがそれぞれ独立に
スノーボードを開発、少しずつウィンタースポーツ関係の雑誌で取り上げられ
るようになっていきます。特にMilovichのスノーボードは初めてスキー板同様
のエッジを採用したものでした。1970年代末期になるとこの流行がヨーロッパ
にも飛び火し、ヨーロッパでもスノーボードのメーカーが生まれました。

 (*1)Tom SimsはPopperより2年早く自分でスノーボードを制作していたらし
   いが、当時は彼はまだ中学生で、それを売り出すことはできなかった。

スノーボードの普及に大きな役割を果たしたとされるのが1985年の007の映画
「美しき獲物たち(A view to a kill)」です。

この映画のおなじみ冒頭のサービスシーンでボンドはシベリアのロシア基地に
潜入して殉職した同僚003の遺体から新型ICを回収するのですが、この時警備兵
に追われたボンドは最初スキーの片方が折れて1本だけで滑った上に、その後
破壊されたスノーモービルのソリ部分をスノーボードとして使って雪上を滑り
降り、脱出に成功します。この時のBGMもサーフィン・サウンドです。

スノーボードの大会は1981年にコロラド州で行われたのが最初とされますが、
頻繁に行われるようになったのは1986年頃から。1987年にはスイスで初の国際
大会まで開かれました。この時の競技種目はスラロームとハーフパイプです。
この頃からスノーボードの国際団体が幾つか設立され、1989年頃までにISA
(国際スノーボード協会,International Snowboard Association)に統一されて
いきます。これが1991年には更にISF(国際スノーボード連盟, Internatinal 
Snowboard Federation)になっています。この付近の団体の統合・改組の流れ・
年代については論者によって経緯が微妙に異なっていますが、だいたい、
こういったところだと思われます。

スノーボードは初期の頃は他のスキー客に迷惑だとされ、使用禁止にしてい
たスキー場も多くありました。現在では使用者のレベルが上がってあまり迷惑
を掛けなくなってきたことと、そもそも使用人口が増えてスキー場としては
商売上締め出しを続ける訳にはいかなくなってきたことから、専用コースを
設ける所を含めて利用できるところが増えており、更にはハーフパイプ(*2)を
設置している所も増えてきています。

 (*2)スノーボードの競技場で、パイプを半分に切った形状をしているので
   この名前がある。クォーターパイプというのもある。詳細は2回あと。

★今日の特集 ウィンタースポーツの世界(7)スノーボード-2

スノーボードの競技種目は、スノーボード自体の歴史が浅いため、色々と生ま
れては消えていっています。ソルトレイク五輪で行われるのはハーフパイプと
パラレル大回転になっています。

長野では大回転はスキーの大回転と同様に普通のタイム制だったのですが、
ソルトレイクではパラレル方式(デュアル-決闘-方式とも呼ばれる)で行われ
ます。これは二人の選手が同時に滑って勝った方がトーナメントの次に進む
システムになっています。このとき、利き足や雪の状態による有利不利が出に
くいように、コースを替えて2度滑り、合計タイムによる競争になっています。
事前の成績により、最も強い人と最も弱い人が一回戦で当たるようにトーナ
メントは組まれます。デュアル方式は当たった相手との駆け引きが勝負の
要素として入ってくることになります。

斜面系の競技では、過去の国際大会では滑降、モーグルなども行われたことが
ありますが、最近ではあまり実施されないようです。これはやはり、ずっと
スキー場から閉め出されていたため、練習場所がなかったためかも知れません。
将来的にはまた復活してくる可能性もあると思います。

スラローム系では、一般に回転(スラローム)と大回転(ジャイアントスラローム)
が実施されています。回転ではゲートの間隔は10〜15m, 大回転では20〜30mと
いったところのようです。この数字は大会によってもブレがあるようです。
また、ゲートの部分がスノーバンクになっている、バンク回転(Banked Slalom)
も最近実施されるようになってきました。

またスキーのモーグル状のコブ斜面の競技は消えたものの、色々な障害物や
ジャンプ台・ゲートなどが入ったコースを滑り降りる、障害物競走のような
ボーダークロス(Boarder Cross)も行われています。これは同時に4〜6人が
滑ることになっており、その間の駆け引きも行われます。

ほかには、スキーのエアリアルにも似たワンメイクジャンプも人気がありま
す。これは2m程度の高さのジャンプ台(キッカー又はテーブルトップ型)から
飛んで空中演技を行うものです。

ハーフパイプについては次回。

★今日の特集 ウィンタースポーツの世界(8)スノーボード-3
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ハーフパイプというのは上記のような断面をした半筒状の競技場です。
(この左半分あるいは右半分だけのものをクォーターパイプといいます)

簡単に各部分の名称を。

プラットフォーム ハーフパイプの上の平らな部分。
リップ      プラットフォームの(内側の)端。
バーチカル    リップから降りていく垂直の部分。壁とも。
トランジッション バーチカルに続くなだらかにカーブしている部分
         上記では文字絵なので直線的に描いているが、
         実際はここは丸くシェイプされている。ここの出来
         がハーフパイプの使いやすさを決めると言われる。
ボトム      ハーフパイプの底の平らな部分

ハーフパイプはそれ自身斜面に作られており、下の方は壁が低く、上の方は
高くなっています。ですから初心者はまず下の方で練習し、上達するにつれ
上の方でも滑れるようになっていくという仕組みです。プラットフォームから
ドロップインして、色々滑ってからドロップアウトすることになりますが、
混雑している時は、ちゃんと声を掛け合い、入る時には明確な意志表示をして
入るようにしたものです。曖昧な入り方は、無用なケガを招きます。

遊び方としては、基本的にハーフパイプの中で色々と滑ったり、壁に滑り上が
って空中でターンして戻ってくる(エアターン)演技をしたりする訳ですが、
この空中での演技が上級者には見せ場になります。

体を折り曲げて手でボードをつかむワザ(グラブ)、回転するワザ(スピン)、
宙返りするワザ(フリップ)、縦回転(3D)などがあります。このそれぞれに
色々な種類があって、組み合わせた高等ワザも多数あるわけです。


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