女子の長距離は一時期タブーとなっていました。これはオリンピックで選手 がゴール後倒れるという事故があり、女性には長い距離は無理ではないかと いう話になってしまったためです。
しかし女子選手は市民マラソンなどから少しずつちゃんと走れることをアピ ール。ここに画期的な公認の女子マラソンが開催されるに至りました。
女子のマラソンの記録はこの第一回の大会の優勝者ジョイス・スミスの場合 2時間37分48秒というものでした。しかし現在は2時間20分ほどまで来ており、 いづれは男子の記録を抜くのではないかとも言われています。なお、日本人 の最高記録はたぶん高橋尚子が昨年12月のアジア大会で出した2時間21分47秒 ではないかと思います。
(世界最高はその時点ではロルーペの2時間20分47秒でしたが、日本記録・ 世界記録ともに、その後もっといい記録が出てないかどうか、確認できませ んでした。どなたか確実な情報をご存じでしたら、教えて下さい)
なお、下記にこの大会のこれまでの優勝者のリストをあげます。
1979.11.18 1.ジョイス・スミス(英) 2:37:48 42歳。二児の母。
1980.11.16 2.ジョイス・スミス(英) 2:30:27
1981.11.15 3.リンダ・スタウト(カナダ)2:34:28
1982.11.14 4.ゾーヤ・イワノワ(ソ連) 2:34:26
1983.11.20 5.佐々木七恵(日本) 2:37:09 10位以内に日本人5人
1984.11.18 6.カトリン・ドーレ(東独) 2:33:23
1985.11.17 7.カトリン・ドーレ(東独) 2:34:21
1986.11.16 8.ロザ・モタ(葡) 2:27:15 ドーレは2位
1987.11.15 9.カトリン・ドーレ(東独) 2:25:24
1988.11.20 10.アウロラ・クーニャ(葡) 2:31:26 2位はヒピヒ
1989.11.19 11.リュボフ・クロチコ(ソ連)2:31:33
1990.12.09 12.謝麗華(中国) 2:33:04 3位は谷川
1991.11.17 13.谷川真理(日本) 2:31:27
1992.11.15 14.リズ・マッコルガン(英) 2:27:38 ドーレが2位
1993.11.21 15.ワレンティナ・エゴロワ(露)2:26:40 2位谷川,3位ドーレ
1994.11.20 16.ワレンティナ・エゴロワ(露)2:30:09
1995.11.19 17.浅利純子(日本) 2:28:46 2位エゴロワ
1996.11.17 18.藤村信子(日本) 2:28:58 3位マッコルガン
1997.11.30 19.伊藤真貴子(日本) 2:27:45
1998.11.15 20.浅利純子(日本) 2:28:29 2位市橋有里(同タイム),3位宮崎安澄
1999.11.21 21.?
第4回大会の時、2位に入ったエレナ・ツフロは41キロ地点で突然止まり、 ゼッケンを止めていた安全ピンを外して足をそれで刺しました。一体何?? と、みな驚いたのですがこれはソ連では有名なけいれんの処置法だったのだ そうです。
第5回の佐々木七恵は市民ランナーだったのがオリンピック出場を目指して SB食品に入社。瀬古を育てた中村監督のもとで練習をつみました。そして この大会に勝って翌年女子マラソンが初めて採用されたロサンゼルス・オリ ンピックに出場します。
第6回,7回,9回を制し、8回大会も2位だったカトリン・ドーレは現在暖 かいスペインで練習をつんでいます。昨年の大会にも出てきて先頭集団に加 わるなどいまだに健在ぶりをみせてくれました。
第13回大会。日本人として2人目の優勝者となった谷川真理も当時市民ラ ンナーでした。昨年20回大会では無許可でナイキのCMに出たとして選手 資格を停止され、特別参加の形になりました。記録は2:36:16。8位相当のタ イムで意地を見せました。
第17回大会では37キロ付近で浅利を含む3人の選手が転倒するアクシデ
ントがありました。しかし浅利純子はそこから立ち直って最後200mで逆
転して勝ちました。浅利は20回大会では最後まで市橋有里とデッドヒート。
結局1位と2位のタイム差なしでの勝利になりました。
今年の大会(21日)は来年のオリンピックの出場者決定の大きな要素のひとつ になります。日本の選手としては次のような人たちが出ます。
鈴木博美、千葉真子、山口衛里、盛山玲世、寺内多恵子、甲斐智子
鈴木は日本人選手中では最高記録の持主です。千葉は事実上の初マラソンです。
現在、オリンピックの代表(3名)として、夏の暑い時期に行われた世界選手権
で2位に入った市橋有里はほぼ確実視されており、残り2名の枠をめぐって激し
い争いがこれから数ヶ月間、繰り広げられていくことになります。
なお、外国からの招待選手としては主に次のような人たちがいます。
ファツマ・ロバ、ワレンティナ・エゴロワ、孫迎杰、ヤネ・サルマエ