- 空き三角(あきさんかく)
- [愚形]の項参照。
- 1間とび(いっけんとび)
- 石を完全に連絡させず、道をひとつ置いて打つこと。特に2線目上、または3線目上の一間とびは安全な連絡である。白はそのままでは切りに来ることができない。
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├┼┼┼┼┼┼┼┤
┌┬┬┬┬┬┬┬┐
├┼┼┼┼┼┼┼┤
├┼┼●┼●┼┼┤
├┼┼┼┼┼┼┼┤
- 1線(いっせん)
- 碁盤の外側の一周の線。
- 2眼を作って生きる(にがんをつくっていきる)
- 眼が2つある場合は絶対に取られない。これに対して「1眼(いちがん)では死」。
- 2間びらき(にけんびらき)
- 石を完全に連絡させず、道をふたつ置いて打つこと。しばしば3線目に打って出城とする。
- 2線(にせん)
- 碁盤で一線から一路内側の一周の線。
- 2345(に・さん・し・ご)
- ひとつ眼の状態を打ち上げるのに必要な手数。2目の眼は順番に埋めて2手で打ち上げ。3目の眼も同じく順番に埋めて3手で打ち上げ。4目の眼は打って行くと途中でこちらが石を取られる場面があるため、5手必要になる。→58612
- 58612(ごは・ろくじゅうに)
- ひとつ眼の状態を打ち上げるのに必要な手数。5目の眼を打ち上げるのには8手、6目の眼を打ち上げるには12手必要。→2345
- 悪手(あくしゅ)
- とても良くない手。相手が正しく対応すればかなりの損害が出る手。→好手、妙手、強手、失着、緩手。
- アゲイシ(揚げ石)
- 完全には囲まれていないが事実上死んでいる石のこと。終局時に取り上げてアゲハマとして相手の地に埋めることができる。
- アゲハマ(揚げ浜)
- 対局中に取った相手の石。自分の碁笥のふたに入れておき、終局後相手の地の中に埋める。小さい地から順に埋めていくと数えやすい。
- アシダ(あしだ)
- 古い囲碁用語で「ゲタ」のこと。高下駄のこと。
- アタリ(あたり)
- [活路]がひとつしか残っていない状態。つまりそこに打たれると石は取られてしまう。「白がアタリを掛けた」とは黒があと1つで取られてしまう状態。「黒がアタリになっている」とは黒があとひとつで取られてしまう状態。
- 厚み(あつみ)
- 中央に向いている強い石のエリア。
- アテ(当て)
- 石を打って相手を[アタリ]にすること。
┌┬┬┬┬┬┬┬┐
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├┼┼┼●●┼┼┤
├┼┼┼┼○●┼┤
├┼┼┼▲○●○┤
├┼┼┼┼●○┼┤
├┼┼┼┼┼┼┼┤
- 生きている石(いきているいし)
- 絶対に取られない石
- 一眼(いちがん)
- 「眼」がひとつしか無いこと。そのままでは生きれない。
- 一間とび(いっけんとび)
- →1間とび。
- 院生(いんせい)
- 日本棋院のプロ養成機関。およびそこに在籍している人たち。応募資格は14歳未満の男女で年齢に応じた棋力が必要。
- 打ち上げ(うちあげ)
- 相手の石の逃げ道を全てふさいで取ってしまうこと
- 打ち欠く(うちかく)
- そこに打つことにより相手を[カケメ]にしてしまうこと。
- 打ち込み(うちこみ)
- 相手の勢力範囲に打って侵略を開始すること。
- 打ち過ぎ(うちすぎ)
- まだ必要のない手を打ってしまうこと。どこかにいづれ打つ必要がある場合でも、碁ではそれを打つのにちょうどいい機会というものがあるもので、それ以前に打つことは、他の場所でみすみす相手に先手を渡すことにもなり、不利である。
- 打って返し(うってがえし)
- 捨て石を打って、それを取らせることにより自陣を有利にすること。むろん相手がそれを取らなかったら、もっとひどいことになるようにしてから捨て石する。
- 追い落とし(おいおとし)
- 自分のアタリにされている石を逃げたら、逃げた石まで一緒に取られてしまうこと。トントンとも。
- 追いかける(おいかける)
- 相手の石を取りにいくこと。基本的に隅へ追いつめるか、味方がいる方向へ追いやる。
- 応手(おうしゅ)
- 相手の手に対して応じる手。相手の攻撃に対してうまく応手を打たないと被害を拡大する。相手の悪手に対してうまく応手すればかなり稼げる。相手の失着に正しく応手すれば、即相手は投了である。
- 大石(おおいし)
- 大量の石。こちらの大量の石を一度に抜かれてしまったような時「大石を抜かれる(取られる)」と言う。まぁ、その数手前に何か致命的なミスをしているということですね。
- オオゲイマ(おおげいま)
- ケイマの更にひとつ先に打つこと
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├┼┼┼┼●┼┼┤
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├┼┼┼┼┼┼┼┤
├┼┼┼┼┼●┼┤
├┼┼┼┼┼┼┼┤
- オオゲイマガカリ(おおげいまがかり)
- 相手の石に対してオオゲイマの位置に打ってカカルこと
┌┬┬┬┬┬┬┬┐
├┼┼┼┼┼┼┼┤
├┼┼●┼┼┼┼┤
├┼┼┼┼┼○┼┤
- 大手合い(おおてあい)
- 日本のプロ棋士の昇段を決める正式試合。毎年春と秋に行われ、6〜8局を打つ。
- 置き碁(おきご)
- 実力の差のある人が対局する時、下位の人が最初にいくつか石をおいておくこと。ふつう星においていく。順番は下記の通り。
┌┬┬┬┬┬┬┬┐ ┌┬┬┬┬┬┬┬┐
├┼┼┼┼┼┼┼┤ ├┼┼┼┼┼┼┼┤
├┼4┼8┼1┼┤ ├┼4┼8┼1┼┤
├┼┼┼┼┼┼┼┤ ├┼┼┼┼┼┼┼┤
├┼6┼9┼5┼┤ ├┼6┼┼┼5┼┤
├┼┼┼┼┼┼┼┤ ├┼┼┼┼┼┼┼┤
├┼2┼7┼3┼┤ ├┼2┼7┼3┼┤
├┼┼┼┼┼┼┼┤ ├┼┼┼┼┼┼┼┤
└┴┴┴┴┴┴┴┘ └┴┴┴┴┴┴┴┘
┌┬┬┬┬┬┬┬┐ ┌┬┬┬┬┬┬┬┐
├┼┼┼┼┼┼┼┤ ├┼┼┼┼┼┼┼┤
├┼4┼┼┼1┼┤ ├┼4┼┼┼1┼┤
├┼┼┼┼┼┼┼┤ ├┼┼┼┼┼┼┼┤
├┼6┼7┼5┼┤ ├┼6┼┼┼5┼┤
├┼┼┼┼┼┼┼┤ ├┼┼┼┼┼┼┼┤
├┼2┼┼┼3┼┤ ├┼2┼┼┼3┼┤
├┼┼┼┼┼┼┼┤ ├┼┼┼┼┼┼┼┤
└┴┴┴┴┴┴┴┘ └┴┴┴┴┴┴┴┘
┌┬┬┬┬┬┬┬┐ ┌┬┬┬┬┬┬┬┐
├┼┼┼┼┼┼┼┤ ├┼┼┼┼┼┼┼┤
├┼4┼┼┼1┼┤ ├┼4┼┼┼1┼┤
├┼┼┼┼┼┼┼┤ ├┼┼┼┼┼┼┼┤
├┼┼┼5┼┼┼┤ ├┼┼┼┼┼┼┼┤
├┼┼┼┼┼┼┼┤ ├┼┼┼┼┼┼┼┤
├┼2┼┼┼3┼┤ ├┼2┼┼┼3┼┤
├┼┼┼┼┼┼┼┤ ├┼┼┼┼┼┼┼┤
└┴┴┴┴┴┴┴┘ └┴┴┴┴┴┴┴┘
┌┬┬┬┬┬┬┬┐ ┌┬┬┬┬┬┬┬┐
├┼┼┼┼┼┼┼┤ ├┼┼┼┼┼┼┼┤
├┼┼┼┼┼1┼┤ ├┼┼┼┼┼1┼┤
├┼┼┼┼┼┼┼┤ ├┼┼┼┼┼┼┼┤
├┼┼┼┼┼┼┼┤ ├┼┼┼┼┼┼┼┤
├┼┼┼┼┼┼┼┤ ├┼┼┼┼┼┼┼┤
├┼2┼┼┼3┼┤ ├┼2┼┼┼┼┼┤
├┼┼┼┼┼┼┼┤ ├┼┼┼┼┼┼┼┤
└┴┴┴┴┴┴┴┘ └┴┴┴┴┴┴┴┘
基本的に級・段の差だけ石を置く。たとえば7級の人と3級の人が対局するときは4つ置く。差が1つの時は置き石はせずに、下位の人が黒を持って打ち始める。(置き石した時は白、つまり上位の人から打ち始める)。石を2個置く場合「2子置き」、3個置く場合「3子置き」などのように言う。通常置き石は9個までだが、最大25子の置き碁というのもある。プロと初心者の場合は36子置きというのもあるらしい。石の価値は1個につき10目分くらいあると言う。つまり36子置きというのはほとんど全面(碁盤は361目)相手に渡した状態で始めるようなものである。がこれでもプロが本気で打てば初心者側に勝ち目は無い。
┌┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┐
├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤
├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤
├┼┼●┼┼●┼┼●┼┼●┼┼●┼┼┤
├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤
├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤
├┼┼●┼┼●┼┼●┼┼●┼┼●┼┼┤
├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤
├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤
├┼┼●┼┼●┼┼●┼┼●┼┼●┼┼┤
├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤
├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤
├┼┼●┼┼●┼┼●┼┼●┼┼●┼┼┤
├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤
├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤
├┼┼●┼┼●┼┼●┼┼●┼┼●┼┼┤
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├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤
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┌┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┐
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├┼┼●┼●┼┼●┼●┼┼●┼●┼┼┤
├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤
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├┼┼●┼●┼┼●┼●┼┼●┼●┼┼┤
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├┼┼●┼●┼┼●┼●┼┼●┼●┼┼┤
├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤
├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤
├┼┼●┼●┼┼●┼●┼┼●┼●┼┼┤
├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤
├┼┼●┼●┼┼●┼●┼┼●┼●┼┼┤
├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤
├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤
└┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┘
※36子の置き方、自信ありません。どなたかご存じの方、教えてください。
- オサエ(抑え)
- 相手の石がのびようとしていく面に接触しながら防ぐ手。
┌┬┬┬┬┬┬┬┐
├┼┼┼┼┼┼┼┤
├┼┼┼○┼┼┼┤
├┼┼┼┼○┼┼┤
├┼┼┼┼▲┼┼┤
├┼┼┼┼┼┼┼┤
- オシ(押し)
- 相手の石にノビを促す手。
- カカエ(抱え)
- 端から抱え込むようにしてアテること。
├┼┼┼┼┼┼┼┤
├┼┼●○●┼┼┤
└┴┴┴▲┴┴┴┘
- カカリ(かかり)
- 相手が[しまり]に打ってくるのをじゃまして先にシマリになる場所に打つ打ち方。
- カケツギ(かけつぎ)
- 次のような連絡の仕方(黒側)。白はイに打てば取られる。ロに打てばハに打たれて、そちら側にもカケツギを作られてしまう。
┌┬┬┬┬┬┬┬┐
├┼┼┼ロハ┼┼┤
├┼○○●┼┼┼┤
├┼○●イ●┼┼┤
├┼┼●┼┼┼┼┤
├┼┼┼┼┼┼┼┤
- カケメ(かけめ)
- 欠け眼。[眼]になりきっていないもの。
- カタカナ
- 現在囲碁の用語は多くがカタカナである。これを始めたのは戦後、藤沢秀行と横井利彦が創刊した「囲碁之研究」で横井氏の発案とのこと。この雑誌は2号で廃刊になった。
- カタツギ(かたつぎ)
- 完全に石が連続するように、ツグこと。
- 活路(かつろ)
- 石が生きる道(呼吸点)。石が中央にあれば4つあり、端なら3つ、隅にあれば2つある。活路が封じられてしまうと石は取られる。また活路の無いところに石を打つことは禁止されている(着手禁止)。ただし打つことにより石がとれる場合は別。中国語では「気」、英語ではliberty。
- 辛い(からい)
- 厚みより地をとることを目的とすること。
- 眼形(がんけい)
- 眼ができそうな形。
- 緩手(かんしゅ)
- 緩い手。相手が正しい応じ方をすれば相手にかなり有利になってしまう手。→強手、悪手。
- キカシ(利かし)
- 相手が無視できない手。
- 棋聖戦(きせいせん)
- ビッグタイトルのひとつ。読賣新聞主催。読売は以前は名人戦をしていたが、そちらを元々企画していた朝日に移して棋聖戦を作った。
- 棋譜(きふ)
- 対局の記録。黒と赤の2色のボールペンで記入し、赤字が白石を表す。碁盤上に打った順に数字を記入していく。コウの場合は欄外に注記しておく。赤にボールペンが無い時は○で囲って表すことも。
- 急所(きゅうしょ)
- 石の生き死にが変わるポイント。
- 強手(きょうしゅ)
- ひじょうに攻撃的な手。相手も脅かすがこちらも危険な手。→好手、妙手、悪手。
- キリ(切り)
- 相手の石の連絡を切ること。
┌┬┬┬┬┬┬┬┐
├┼┼┼○┼┼┼┤
├┼┼┼○●┼┼┤
├┼┼┼▲○┼┼┤
├┼┼┼┼┼┼┼┤
- 棋力(きりょく)
- 囲碁の力。日本のプロは初段から九段まで。数字が大きいほど強い。十段というのがあるがこれは段位ではなくタイトルの名前である。アマは段と級に分かれており、段は初段から八段まで。級は1級から24級までとも30級までとも40級までとも50級までとも。。。数字が大きいほど弱い。むろんプロの初段はアマの八段より強い。九段格とも十段格ともいわれる。ただしアマの段や級は発行している機関によりけっこうバラつきがあるとも。また、そもそもこれらは目安にすぎず、段位をもっていても、その段を取った以降あまり勉強していなくて腕を落としている人もいるという。囲碁サーバーでは段はD,級はKで表されており、正式戦の対戦成績によって自動的に上下するシステムのところもある。これだとかなり現在の実力を反映しているが、中には面倒くさがって正式戦にあまり出ず、結果的に表示上の段位は低いものの実はかなりの実力者という人もけっこういるらしい。
- キリチガイ(切り違い)
- 互いに相手の石の連絡を切り合っている状態。
- 愚形(ぐけい)
- 愚かな石の並べ方。つまりそんな形を作るのなら、他に打った方が良いというもの。下記はその代表の「空き三角」
愚形
┌┬┬┬┬┬┬┬┐
├┼┼┼┼┼┼┼┤
├┼┼┼●┼┼┼┤
├┼┼┼●●┼┼┤
├┼┼┼┼┼┼┼┤
これで良い
┌┬┬┬┬┬┬┬┐
├┼┼┼┼┼┼┼┤
├┼┼┼●┼┼┼┤
├┼┼┼┼●┼┼┤
├┼┼┼┼┼┼┼┤
- ケイマ(けいま)
- 将棋の桂馬のようにひとつ斜め先に打つ連絡の仕方
┌┬┬┬●┬┬┬┐
├┼┼┼●┼●┼┤
├┼┼┼┼●┼┼┤
├┼┼┼┼┼┼┼┤
├┼┼┼┼┼●┼┤
├┼┼┼┼┼┼┼┤
- ケイマ締まり(けいまじまり)
- 実利線と勢力線を一路開いて構えること。
- ケイマのトビツケ(けいまのとびつけ)
- ケイマに対して次の◎の位置に打つこと
┌┬┬┬●┬┬┬┐
├┼┼○●┼●┼┤
├┼○┼○●┼┼┤
├┼┼┼○┼◎┼┤
├┼┼┼┼┼●┼┤
├┼┼┼┼┼┼┼┤
- ゲタ(げた)
- 直接アタリにせずひっかけるように石を打って相手の石を取ってしまうこと。ゲタで石を取ることを「ゲタにかける」といい、ゲタをかけようとして逃げられてしまうのを「ゲタが外れた」という。中国用語では「門」。
- 碁石(ごいし)
- 碁盤に打つ石。ふつう、黒石と白石を使用する。目の錯覚に考慮して、黒石の方が白石より少しだけ大きい。目の弱い人のために白ではなく緑で作られたものも。ワンセットは黒石181個、白石180個。黒石の最高級品は紀州の那智黒石、白石の最高級品は宮崎県の日向蛤。最近は少ないのでメキシコの蛤が多い。安物はガラス製。
- コウ(劫)(こう)
- 取ったり取られたりが永遠に続いてしまう形。永劫の劫からきた。この場合取られた後、一度別の所に打ってからしか次はとれない。これを「コウ立て」という。このコウ立てを相手が受けてくれた場合「コウが立つ」という。基本的にコウはコウ立てで得するように打つべきである。
- 好手(こうしゅ)
- 良い手のこと。→妙手、悪手、強手。
- 碁会所(ごかいじょ)
- 有料で入場して中でお互いに碁を打つ場所。プロの人が常駐したり時々来て、指導をしてくれるような所もある。
- 呼吸点(こきゅうてん)
- 石の回りの空いている点。呼吸点が相手の石で全て押さえられるとその石は取り上げられる。活路とも。
- 碁笥(ごけ)
- 碁石を入れておく丸い入れ物。最高級品は桑製。中級品はケヤキや桜、安いものは栗やプラスチック。取った石は碁笥のふたに入れる。
- コゲイマ(小桂馬)
- ケイマのこと。オオゲイマに対する言い方。
- コゲイマガカリ(小桂馬がかり)
- 序盤で相手が星に打ったのに対して、そこから小ケイマの位置の三線に打ち、かかるやり方。
- 後手(ごて)
- 対局において、白を握り、第二手を打つ側。(ただし[置き碁]の時は白から打つ)
- コスミ(小隅)
- 自分の石に対して、斜めの位置に打つ打ち方。中国用語では「尖」。
├┼┼┼┼┼┼┼┤
├┼┼○┼●┼┼┤
├┼┼┼▲┼┼┼┤
├┼┼┼┼┼┼┼┤
└┴┴┴┴┴┴┴┘
- コスミツケ(小隅付け)
- 自分の石にコスミながら相手の石にツケること。(その石に自分自身接触している時はハネという)
コスミツケ
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├┼┼┼┼●┼┼┤
├┼┼○▲┼┼┼┤
├┼┼┼┼┼┼┼┤
└┴┴┴┴┴┴┴┘
ハネ
├┼┼┼┼┼┼┼┤
├┼┼┼○●┼┼┤
├┼┼┼▲┼┼┼┤
├┼┼┼┼┼┼┼┤
└┴┴┴┴┴┴┴┘
- こすむ(こすむ)
- [こすみ]の動詞形。
- 碁と時空(ごとじくう)
- 碁盤は四角で地を表す。碁盤の目は19×19=361で1年の日数を表す。そして丸い碁石は天を表す。
- この一手(このいって)
- そうするしかない一手
- 碁盤(ごばん)
- 碁を打つ盤。19×19の目を持ち、一般に木製。高級なものは足が付いている。材質は榧(かや)の柾目盤が最高とされる。その次が榧の板目盤。安いものは桂製。初心者用では13×13や9×9の盤もある。
カド┌┬┬┬┬┬┬┬┐カド
左上隅┼上辺┼右上隅
├┼┼┼┼┼┼┼┤
├┼┼┼┼┼┼┼┤
左辺┼┼中央┼右辺
├┼┼┼┼┼┼┼┤
├┼┼┼┼┼┼┼┤
左下隅┼下辺┼右下隅
カド└┴┴┴┴┴┴┴┘カド
(上記は特に断らない限り黒から見てである)
- コミ(こみ)
- 最終的に白の地に6.5目を足すこと。碁は先手の黒が有利なので、公平にするために昭和年間にもうけられたルール。日本では以前は5.5目だったが2002年に6.5目に改められた。国によっては違う数を使うところもある。韓国ルールでは6.5目。台湾ルールでは7.5目。なお、13路盤や9路盤でもコミは普通変えない。面積が狭い分、先手有利による影響も小さくなるからという解釈である。また実戦においてもそれでちょうどいいことが経験的に知られている。
- コモク(小目)
- 四隅の星から一個ずれた点。全部で8ヶ所ある。
- 五目の生死(ごもくのいきしに)
- 五目空いている形は真ん中に打った方が制する。
┌┬○○○○○┬┐
├○○●●●○○┤
├○●●┼●●○┤
├○●┼*┼●○┤
├○●●┼●●○┤
├○○●●●○○┤
├┼○○○○○┼┤
┌┬┬┬┬┬┬┬┐
├○○○○○○○┤
├○●●●●●○┤
├○●┼*┼●○┤
├○●┼┼●●○┤
├○●●●●○○┤
├┼○○○○┼┼┤
- サガリ(下がり)
- 碁盤の端の方に向かって石を伸ばす打ち方
├┼┼┼┼┼┼┼┤
├┼┼○○●○┼┤
├┼┼┼┼▲┼┼┤
└┴┴┴┴┴┴┴┘
- サバキ(捌き)
- 相手の勢力圏の中で動いて、取り敢えず生きれるような形をつくること。
- ザル碁
- 碁笥をザルで代用する庶民の碁の意味で、転じてヘボ碁のこと。
- 三々(さんさん)
- 隅から数えて縦横3つ目の点。星の外斜めの点。相手の隅に侵入するのに使われる。
- 三大棋戦(さんだいきせん)
- 棋聖(読売新聞)・名人(朝日新聞)・本因坊(毎日新聞)
- 地(じ)
- 白石または黒石で囲まれた勢力地。白石で囲まれた所は白地。黒石で囲まれた所は黒地という。[目]で数える。
- シチョウ(四丁)
- アタリの連続で相手を追いつめていくこと。基本では階段状の追いかけっこになる。四丁は400mで、長い距離を追いかけていくという意味。中国用語では「征」。
- シチョウアタリ(四丁当たり)
- 相手のシチョウを崩すような打ち方。たとえば追いかけられそうな先に石を打つ。その場合、そちらに追いつめようとしても逃げられ、しかも自分の石が弱くなってしまうので追いかけられない。シチョウ崩しとも。シチョウアタリの待ち石に対しては、それより前に石を打って防いだりシチョウのコースを途中で曲げたりする。激しい攻防である。
- 失着(しっちゃく)
- それを打ったことにより即敗戦が決まるような手。むろん相手がそれに気づいて正しく応じればの話。→敗着。
- 実利(じつり)
- 確実な地のこと。
- 実利線(じつりせん)
- 3線のこと。1線に石を置いても陣地は作れないから、必敗線という。2線に石を置いても1つしか陣地ができないから、敗線という。3線に石をおくと2つ陣地が取れて何とかなるので、これを実利線という。4線に石を置くと、3つも陣地が取れるので、これを勢力線という。33に石を打つことは自分の陣地の宣言になり、44に石を打つことは攻めて行こうという意志表示になる。また3線目にひとつ飛びに3石打った状態も強い防御になる。
- シノギ(凌ぎ)
- 相手の勢力圏の中で生きること。
- シマリ(しまり)
- はじめに布石で隅の方に打った石を補強するため、1〜2目あけたところに打つこと。
→かかり
- 手談(しゅだん)
- 手で談話するということから、碁の対局のこと。同様の言葉に下記のようなものがある。
- 烏鷺(うろ)
- 烏は黒い鳥、鷺は白い鳥なので、白と黒で碁のこと
- 爛柯(らんか)
- 柯は斧の柄、爛は腐る。昔中国できこりが仙人の碁をみていたら、いつのまにか斧の柄が腐っていた。つまり何百年も経過していたという話から。
- 橘中(きっちゅう)
- 橘を割ってみたら中で仙人が碁を打っていたという話から。
- 忘憂(ぼうゆう)
- 碁を打っていると憂いを忘れるので
- 定石(じょうせき)
- 良いとされている打ち方。将棋では定跡という。
- 女流四大タイトル(じょりゅうよんだいたいとる)
- 女流本因坊(共同通信)・女流名人(夕刊フジ)・女流鶴聖(共同通信)・女流棋聖(スカイパーフェクTV)
- 死んでいる石(しんでいるいし)
- 取り除かれなくても、逃げ道のない石
- スベリ(滑り)
- 自分の石から相手の石の下へ潜っていくような手。
- 捨て石(すていし)
- 相手の勢力範囲に打って、わざと取らせようとする石。
- 整地(せいち)
- 終局後、地を数えやすいように並べ直すこと。できるだけ四角形になるように、また10目単位の地にすると数えやすい。
- 星目(せいもく)
- 星9個に置き石をすること。
- 勢力線(せいりょくせん)
- 4線のこと。→実利線
- セキ(せき)
- 先に打った方が負けてしまう状況。どちらも手が出せない。この場合、終局してもそのままにしておく。
中国用語では「持」。
セキだったはずのものが状況の変化でそうではなくなる場合、セキ崩れという。
- 絶妙手(ぜつみょうしゅ)
- ものすごい妙手。相手が全く思いも寄らなかった打ち方で形勢が一気に逆転したり、大差から一気に追い上げたりする手。これのすごいのが「神の一手」?
- 攻め合い(せめあい)
- 互いの石が囲い合い、取り合おうとしていること。
- 先手(せんて)
- 対局において、黒を握り、第一手を打つ側。(ただし[置き碁]の時は白から打つ)また、対局中にどちらかがそこに打てば主導権を取れるような時にこちらの手番になっている状況。
- 第一手(だいいっしゅ)
- 先番の人が最初に打つ手。自分の手元にチョコンと打つのは覇気が無く、相手が右利きならこちらから見て左側が打ちやすいのでそちらを親切に空けておこうというので、右上隅に打つことが多い。通常は小目か星に打つ。星に打つのは呉清源と木谷実が開発した「新布石」である。山下碁聖は第一手五五という、他は誰もやらない特異な打ち方をする。
- 互先(たがいせん)
- 置き石をしない対局のこと。先手後手は[握り]で決める。あるいは実力がわずかに違う人の場合は、握らずに上段者が白を持つ(後手に回る)。
- タケフ(たけふ)
- 次のような連絡の仕方。入って来ようとするとおさえられるので、これも強い連絡の仕方。
┌┬┬┬┬┬┬┬┐
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- たすき型(たすきがた)
- 両方がたすき掛け状態に布石したもの。
黒の初手、右上隅に対して、白が対角線上の左下隅に打ってくるとたすきにはならない。
黒初手右上隅・白二手左上隅と打たれても、黒の第三手が右下隅ならたすきにはならない。
つまり、たすきになるのは両者がその戦い方に同意した時のみである。
- 駄目(だめ)
- どちらの地でもない交点。地を数える時は手番順に交互に詰めていく。どちらの地でもないから勝負に影響しない。これを詰めるのは地を数えやすくするため。駄目を詰める途中では相手の石を取らないのがマナーである。相手が気づかない時は他の場所に打って「つないで下さい」と教えてやる。
- ダメ(だめ)
- 石を取られるのに必要な目の数。黒が3目打てば白が取られてしまう場合、白のダメは3という。絡み合った場面で、たとえば白のダメが3、黒のダメが2だったら白が強いことになる。
- ダメヅマリ(駄目詰まり)
- 石の回りがほとんど埋まってしまっていて、身動きできない状態。
- 中押し勝ち(ちゅうおしがち)
- 相手が投了したこと。「なかおし」ではない。
- 中盤(ちゅうばん)
- 布石と寄せの間。
- 長考(ちょうこう)
- 次の一手を打つのに長時間考えること。素人の対局ではとても嫌われるが、プロの対局では数十分考えることもある。時間制限のなかった江戸時代には丸一日考えることもあった。
- 継ぎ(つぎ)
- 自分の石を連続するようにすること。完全につながるように継ぐことをカタツギ、相手が切って来たら即取れるようにつぐことをカケツギという。
- 作る(つくる)
- [整地]すること。
- ツケ(付け)
- 相手の石にくっつけて打つこと。
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- 繋ぐ(つなぐ)
- 石を直接連絡させること。つながった石は生き死にの運命を共有することになる。
- ツブレ(潰れ)
- 大石を取られたりして、大きなダメージを受けた状態。相手が互角以上の人なら投了するしかないようなところ。
- 詰め碁(つめご)
- 部分的な石の活き死にの練習問題。部分的な戦術の勘を養うのに役立つ。
- 鶴の巣籠もり(つるのすごもり)
- 下記のような図形。黒は逃げられない。放っておくしかない。
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- 手合い(てあい)
- 囲碁の対局のこと
- 手合い割(てあいわり)
- 囲碁の対局の際のハンディの付け方
- 互先(たがいせん) 上座の者が握り先後を決め、次の対局では先後逆にする。
- 先相先(せんあいせん) 棋力が少しの差の場合に、3局単位で先後を循環するもので、1局目と3局目は下位の者が黒を持ち、2局目は白を持つ。
- 先 もう少し棋力が離れている場合、下位の者が常に黒を持ち先番となる。
- 置き碁 もっと棋力が離れている場合、下位の者が黒を持ち、最初にいくつか石を置いてから始める。
- 手がある/ない(てがある/ない)
- 生きる手段、逃げる手段がある/ないこと。
- 手順(てじゅん)
- 打つ順序
- 手筋(てすじ)
- 部分における打ち方のテクニック。
- 手抜き(てぬき)
- 相手の打った手を無視して別のところに打つ手。
- 手番(てばん)
- 打つ番。
- 天元(てんげん)
- 碁盤の中央に打たれた点。
- 天元戦(てんげん)
- ビッグタイトルのひとつ。前身は日本棋院選手権。
- 投了(とうりょう)
- 自分で負けを認めること。だいたい勢力が固まり勝てないと判断したら投了するのがマナー。微妙な場合のみ最後まで打つ。投了すると相手の中押し(ちゅうおし)勝ちとなる。
- トビ(飛び)
- 自分の石から間をあけて打つこと。1つ開ければ一間トビ、2つ開ければ二間トビ。
- トントン
- 追い落としのこと。
- ナカデ(中手)
- 囲われた石の内部に打ち、眼がひとつしかできないようにする手。
- 七大タイトル(ななだいたいとる)
- 棋聖(読売新聞)・名人(朝日新聞)・本因坊(毎日新聞)・十段(産経)・天元(三社連合)・王座(日経)・碁聖(共同通信)
- 並べる(ならべる)
- 過去の対局などを実際に自分で石を置いて再現してみること。強い人同士の対局を並べるのはいい勉強になる。
- 握り(にぎり)
- 一方(目上の人)が白石を握り、他方がそれが偶数か奇数かを当てる。奇数だと思ったら(半先,奇数先)黒石を1個、偶数だと思ったら(丁先,偶数先)黒石を2個置く。当たったら当てた人が先行(黒)、はずれたら握った人が先行(黒)。なお力に差がある時は力のある人が白を持ったり「置き碁」にする。
- 逃げる(にげる)
- 相手が石を取りに来た時、それを妨害すること。
- 逃げられない石(にげられないいし)
- 終局の時、逃げられない石は取り除き、相手の地の中に埋める。
- ヌキ(抜き)
- 相手の石を完全に包囲して、その石を盤上から取り上げること。取った石は自分のアゲハマとなり、整地の時に相手の地に埋めて相手の目を減らすのに使える。あと1手で抜ける状態をアタリという。
- 抜き跡(ぬきあと)
- 石を取った跡。
- ノゾキ(覗き)
- 相手の弱点の近くに打って、ツギを強制する手。
- ノビ(伸び)
- 自分の石の隣りに打って補強する手。
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- 敗線(はいせん)
- 2線のこと。→実利線
- 敗着(はいちゃく)
- 局後検討してみたところ、その一手の失敗により敗戦が決まったような手。打っていた時点ではお互いそんなに悪い手とは思っていなかったかも知れない。→失着。
- 入る(はいる)
- 相手が囲っている中に打つこと
- はかす(履かす)
- ゲタを打つこと。
- はがす(剥がす)
- 相手の石を盤上から取り上げること。
- ハサミ(挟み)
- 相手の石に対して両側からはさむような形になるように打つこと。
- ハサミツケ(挟み付け)
- 挟んでツケること。
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- ハネ(はね)
- 自分の石に斜めに、そして相手の石にくっつけて打ち、相手の石の進行を妨害する手。
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- ハネツギ(はねつぎ)
- 寄せの定石のひとつで、ハネて相手がオサえて来たところをツぐことで自分の地を増やす手法。
- 盤面○目(ばんめん○もく)
- コミを入れずに純粋に盤面上の目の数を言ったもの。盤面で8目黒が多ければ、コミを引くと黒が2目半勝っていることになる。
- ヒキ(引き)
- 相手の石の並びに対して手前に引く手
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- 左上スミ(ひだりうわすみ)
- 左上の隅のほうのこと。「ひだりうえすみ」ではない。
- 必敗線(ひっぱいせん)
- 1線のこと。→実利線
- ヒラキ(ひらき)
- 布石の段階の打ち方で、隅のシマリのあと、辺にそって勢力を広げるような打ち方。
- 秒読み(びょうよみ)
- 制限時間のある対局で、自分の持ち時間を使ってしまった後、30秒または60秒の間に次の一手を打たなければならない状態。対局時計を使っている場合は秒読みは電子音で知らせてくれる。計時係のいるような大きな対局では、係りの人が10秒、とか20秒、とか最初は10秒単位に声を出し、最後の10秒は1,2,3,4,...と1秒単位で言うので、ここで9までの間に打たないと時間切れの負けになる。NHK杯の場合は、最初から持ち時間が無いので秒読みが行われるが、最後まで読まれてしまった場合「考慮時間」を1回使ったことになる。この考慮時間を最初に与えられた分全部使い切ると、ほんとに秒読み中に打たなければならなくなる。
この秒読みを最後まで読まれてしまうと時間切れの負けになるが、実際にはどうしても制限時間内に打てないなら投了すべきだろう。
- 布石(ふせき)
- 囲碁の序盤のこと。最初の十数手。
- 不戦勝(ふせんしょう)
- 相手が対局に来なかったため、来なかった方の負けとするもの。プロの対局では1時間遅刻すればその時点で相手の不戦勝とのこと。
- 平行型(へいこうがた)
- 両方が平行して布石したもの。
- ボウシ(帽子)
- 相手の石から中央に向かって一間の位置に打ち、中央進出を阻止する手。
- 棒つぎ(ぼうつぎ)
- 縦または横に石を連続させてつなぐこと。もっとも強い連絡である。
- ホウリコミ(放り込み)
- 相手の地の中に打って攻撃する手。
- 星(ほし)
- 碁盤の上で黒い丸がマークされている9ヶ所の点。特に真ん中のものは天元という。
- ポン抜き(ぽんぬき)
- ひとつの石を最小の手数で取ること。
- ポン抜き30目(ぽんぬきさんじゅうもく)
- ポン抜きされることは30目陣地を取られるに等しいという意味。
- 曲がり4目(まがりよんもく)
- 横に連続して4つ目がある眼は取られないが、曲がって4目空いている場合は、傷が付いていると危険な場合もある。
まっすぐ4目
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曲がり4目(生き形)
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曲がり4目(死に形)
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*に白を打たれると全部死ぬ。
- マネ碁(真似碁)
- 相手の打った手に対し、天元から対称な位置にうち続けること。太閤碁とも。むろんずっとうち続ければそのうちつぶされて負けるので、相手が緩手を打った所を狙って通常の打ち方に移行することになる。
- 見合い(みあい)
- 斜めに連絡している時の空いている地のこと。下図の*部。
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├┼┼●*┼┼┼┤
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- 右上スミ(みぎうわすみ)
- 右上の隅のほうのこと。「みぎうえすみ」ではない。
- 妙手(みょうしゅ)
- 相手が思いも寄らなかったような良い手。そうめったに出ないが、これを打たれると大差が付いたりする。→好手、悪手、強手、絶妙手。
- 向かい小目(むかいこもく)
- 布石の方法で、左右向かい合った位置の小目に打つもの。その時、相手は両星に打ったりする。
- 眼(め)
- 自分の石で作った中空の部屋。眼が2つある陣地は絶対に取られない。眼がひとつしか無いと、そこに打たれて全部取られてしまう。ただしどさっと空間があって、その気になればいつでも眼を二つ作れるような場合は例外。眼になりきっていないものは「カケメ」という。ひとつの中空の部屋の端だけがカケメになっていることもある。下記は最小の生きた眼。
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- 名人戦(めいじんせん)
- ビッグタイトルのひとつ。昭和37年讀賣新聞が創設。のち朝日新聞に移行。元々朝日が企画したものだったが担当者の退職で計画が頓挫。読売の正力松太郎が援助してくれてスタートしたもの。
- 目(もく)
- [地]を数える単位。碁盤の交差点1個が1目である。
- 目算(もくさん)
- 対局中に自分と相手の地が、このまま行けば最終的にどうなるか計算して形勢判断すること。
- モヨウ(模様)
- まだ完全に囲ってないので地にはなっていないが、影響力の大きい所。
- 緩い手(ゆるいて)
- →緩手(かんしゅ)。
- 寄せ(よせ)
- 囲碁の対局の終盤。中国用語では「結」。
- 眼あり眼なしの攻め合い(めありめなしのせめあい)
- 絡み合った攻め合いの場合で片方が眼を持っている状況。むろん眼を持っている方が強い。
- 四死六生(よんしろくしょう)
- 碁盤の隅に横に石がつながっている場合、四個なら死ぬが六個なら生きる。→六死八生
- 四目の生死(よんもくのいきしに)
- 四目空いている形は生きる場合と死ぬ場合がある。
死に形
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生き形
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├┼┼┼┼┼┼┼┤
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ここで黒は*に打たなければならない白に打たれると全部死ぬ。
- ラッパツギ(らっぱつぎ)
- 二カ所に対して同時にカケツギになるような打ち方
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イに打たれてもロに打たれても即取ることができる。
- 両アタリ(りょうあたり)
- 一手で二箇所同時にアタリにすること。どちらかは確実に取れることになる。
- 六目の生死(六もくのいきしに)
- 六目空いている形は真ん中に打った方が制する。
板六はこのまま生き
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花六は*が急所
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なお、板六は隅にできている場合は、真ん中にひとつ石を打って置かないと死ぬ。
- 両がかり(りょうがかり)
- 序盤で相手の隅付近の第一手に対して、両側からかかって打つこと。
- 両先手の攻め合い(りょうせんてのせめあい)
- どちらでも先に石を打った方が勝利できる局面のこと。
- 連碁(れんご)
- 複数の人同士でチームを作り、順番に打っていく碁。卓球のダブルスのようなものだが3人とか4人とかで回すこともあるし、お祭りのような時にはもっと多人数の場合もある。
- 連絡(れんらく)
- 石と石のつながり。連絡するように打つことを「つぐ」または「つなぐ」という。
- 路(ろ)
- 碁盤に描かれている線。縦横ともに19本ある。
- 六死八生(ろくしはっしょう)
- 碁盤の端2線目に六個並んだ石は死ぬが八個並んだ石は生きる。八個並んでいれば、攻められてもまっすぐ4目残せるからである。7つの場合は自分の手番であれば生き、相手の手番なら死ぬ。なお、碁盤の隅なら四死六生になる。
死に形
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生き形
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- 割り込み(わりこみ)
- 相手の石の間に打つ手。
- 割り打ち(わりうち)
- 相手が大きな模様を作るのを阻止する手。