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←↑→ 宇宙への招待(9)月


月は地球の唯一の衛星です。

赤道半径が1738km。これは地球(6378km)の3.7分の1。体積では49.4分の1に
なります。密度が3.34と小さいので(地球5.52)、質量では81.3分の1です。
このため月の表面での重力は地球の約6分の1になります。例えば100gの物
を月の上で秤にかけると17gの目盛りを指します。

地球からの距離は38万kmで視角は約31分(視半径15分33秒)。これに対して
太陽は1億5千万kmで半径69万kmであるため視角約32分。つまり太陽と月は
地表からほぼ同じ大きさに見えます。

月の自転周期と公転周期は完全に一致していて27.321662日です。そのため
月は常に地球に対して同じ面を向けていますが、このような現象は別に珍し
いことではないことは今まで見てきた通りです。

こういう現象を引き起こしているのは地球と月の間に働く重力(潮汐力)の
作用ですが、この潮汐力のために地球の自転は現在10万年につき1秒の割合
で少しずつ遅くなっていっています。僅かな数字とも思えますが積み重ね
れば1億年で1000秒つまり17分。10億年で2.8時間に相当する遅れです。
もっと精密な計算によれば実際には40億年後には地球の自転周期は40日!!
にまで伸びてしまい、そこで潮汐力のバランスが取れて、それ以上は遅れは
発生しないようになるとのことです。その時は、地球も常に月に対して同じ
面を向けていることになり、地表では月は常に同じ位置に輝いていること
になります。そして裏側にいる人たちには月は決してその姿を見せないこと
になります。要するに月は40億年後には静止衛星になってしまうわけです。
(冥王星とカロンは既にこの状態になってしまっています)

さて、現在の月の公転周期は前述の通り27.321662ですが、地球自体が太陽
のまわりを公転しているため、太陽の光を反射して生じる満ち欠けの周期
はこれより長い29.530589日になります。これを朔望月といい、公転周期=
自転周期のほうは恒星月と呼び分けています。太陰太陽暦の1ヶ月の平均
の長さはこの朔望月になりますので、太陰太陽暦では1月は29日または30日
です。

月は木星や土星などの衛星にくらべても、また地球と比較的似たタイプの
火星の衛星と比べてもそのサイズが異常に大きく、通常の衛星の形成過程
でできたとは思えません。そのため、起源については昔から色々な説が
ありますが、どれも決め手を欠いています。それを少し挙げてみましょう。

(1)親子説(分裂説)

 地球ができかかっていた時期にその一部が何らかの原因で飛び出して
 しまい、それが月になったというもの。しかし「原因」が分からない。

(2)他人説(捕獲説)

 海王星のトリトンと同様、月は元々楕円軌道をまわる小惑星であった
 が、地球に接近した時にその重力に捉えられてしまった。しかし月の
 成分は地球のマントルの成分と共通項が多く、他人と考えるのは困難。

(3)兄弟説(集積説)

 地球ができた時期に、そもそも宇宙塵の集積が2つの極に別れて起こり
 連星として地球と月が生まれたというもの。以前はかなり支持者がいた。

(4)衝突説

 最近兄弟説をしのぐ勢いを見せている仮説。基本的には分裂説なのである
 が、その原因として巨大天体の衝突を挙げている点では捕獲説にも似ている。
 要するにできかけの地球に他の天体(火星程度の巨大な小惑星)が衝突し、
 その時地球のコアとの衝突は避けられたもののマントル部分の物質を
 大きく削り取って、それが集まって月になったというもの。




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