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宇宙への招待(4)地球・火星
地球は公転周期は365.2564日です。あれ?と思われる方もあるかも知れませ ん。暦に詳しい方には1年の平均の長さが365.2422日であることはあまりに も有名です。その差は0.0142日つまり約20分27秒の差は「歳差」と呼ばれる もので、要するに春分点が2万6千年周期で天空を一周しているために発生す るものです。正確な公転周期の方を恒星年といい、365.2422日の方は回帰年 といいます。 自転周期の方は23時間56分04秒です。これが24時間にならないのは地球が自 転とともに公転しているため。要するに地球の1日というのは、地球が太陽に 対して次に同じ面を向けるまでの時間のことでこちらを太陽日、正確な自転 周期の方は恒星日といいます。 地球の半径は約6400km。衛星は1個で月(moon)といいます。この月のことに ついては後ほどまた単独で取り上げますが、この月の半径は1700kmもあって 母星とのサイズ比では異様に大きな衛星です。そういう意味ではそもそも 地球と月というのは連星であると考えることもできます。実際月はあまりに も大きいため、月が地球の周りを回っているという考え方では月の運動を 正確に計算することができません。『地球も月も、両者の共通重心の周りを 回っている』と考えざるを得ないのです。月の重さは地球の81分の1で公転 半径は38万kmですので、両者の共通重心は地球の中心から4700kmずれた点 (これはまだ地球内部で地下1700kmのマントル部分)にあります。 なお月の公転周期は自転周期と完全に等しい27.3217日です。このため月は いつも同じ面を地球に向けています。 火星は地球のすぐ外側の惑星です。公転周期は687日、自転周期は24時間37分 です。地軸の傾きも25度(地球は23度)で地球と似た数字を示します。ただし 1年の長さは地球の倍近くありますが。 星の半径は3400kmと地球の約半分で密度も地球より低い(3.93 地球は5.52)為 地表での重力は地球の約3分の1です。生物の存在に関しては過去には発生し たかも知れないが現在は存在しないというのが現段階での大方の意見と思わ れます。 火星には多くの峡谷があることが古くから知られており、かつてはこれが 「運河」と呼ばれて、それは火星人が造ったものではないかとも言われてい ました。実際これらの地形はプレートの動きによって生まれた地溝帯の他に 水の浸食作用で生まれた地球と同様の渓谷の跡がかなり含まれていると考え られ、火星にはかつて(最近の説ではほんの1000万年ほど前まで)は水があっ たことは確かなようです。なお火星にも大気はありますがかなり薄いもので す。主成分は二酸化炭素のようです。大気があって水があったということは 火星ではかなりの気象現象が起きていたということにもなります。 火星の衛星はフォボス・デイモスといいます。火星は英語でMars(マーズ)と いいますが、これはローマ神話のマルス、ギリシャ神話のアレスに相当しま す。火星の衛星の名前はこのマルス(アレス)の二人の息子の名前から採られ ました。これはどちらも自転方向と同じ方向に回っています。また公転周期 と自転周期が一致していますので、いつも同じ面を火星に向けています。 内側の衛星フォボスは公転周期7.7時間。火星の自転周期(24.6時間)よりも 速いので西から昇って4.2時間で東に沈む計算になります(南中から南中まで の時間は11.1時間)。デイモスの方は公転周期は30.3時間(同131.5時間)。火 星の自転周期に近いため火星表面から見た動きはゆっくりで、また火星の自 転周期より長い時間で回っていますからフォボスとは逆に東の空から昇り、 59.7時間(2.4日)もかけて西の空に沈むことになります。その間フォボスに 7〜8回も抜かれてしまうことになります。また火星の1日の長さより長いこと から、デイモスという衛星は地上にいる間に満ち欠けを完全に1回見せてくれ ることになります。(朔望月はフォボス7.7時間, デイモス30.3時間) なおフォボスの公転軌道半径は火星の半径の2.76倍の9375kmですが、通常 半径の2.44倍付近が「ロシュ限界(Roche limit)」です。しかもフォボスは 段々火星に近づいていきつつあることが知られており、今のままでいけば 1億年以内にはフォボスは火星の引力に捉えられて破壊されてしまうことに なります。宇宙のタイムスケールからすれば、フォボスはもう死の寸前の 星です。 なおこのふたつの衛星はどちらも球状からはかなり外れた楕円体をしており その半径はフォボスが27×21×19km, デイモスが15×12×11kmとなっています。