食事療法

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糖尿病は食事で治す

糖尿病(1型を除く)は、薬で治す病気ではありません。食事で治す病気です。どんなに薬を使ったりインシュリンを打ったとしても、食事をきちんと取らなければ糖尿病からは改善されません。ここで重要なポイントは2点です。
カロリーは糖尿病食の基本であり、1日にたとえば1600kcal と医師から指示されたら、ちゃんとそのカロリーを守る必要があります。

もうひとつ大事なのが栄養バランスであり、一日の食事の中で、炭水化物、タンパク質、脂肪、牛乳、フルーツ、野菜を、指定された比率たゃんと取る必要があります。

糖尿病には炭水化物がよくないからといって、炭水化物をいっさい取らないなどという人がいますが、それは間違いです。根本的に低カロリーの食事をとり続けなければならないので炭水化物が足りないと活動できなくなりますし、必要なカロリー数をタンパク質だけで採ろうとすると、そちらの摂取量が確実に指定値を越えます。

フルーツはだいたい、りんご1片とか、バナナ半分とか、その程度です。フルーツでないと採れない栄養分があるので必ず採らなければならない。でも食べ過ぎはカロリー過多になるので難しい。1人暮らしだととても困ります。

牛乳もわりと難しいです。これは代替できるものはヨーグルトくらいしかないです。豆乳はお肉の分類になるので、代替物にはなりません。1日100-200cc程度を飲むことが必要。

ダイエット食と糖尿病食

実をいうと、ダイエット食と糖尿病食は、ほとんど同じです。

■基本
摂取カロリーを守ること
これが最も大事。その人の活動量や年齢から定まる1日の摂取カロリー量があります。それを守りましょう。
早食いしないこと
急いで食べると、血糖値をはねあげます。食事はだいたい10-15分くらいかけて食べましょう。
長時間かけて食べるのもNG
速く食べるのもよくないですが、時間を掛けて食べるのも良くない。コース料理などは糖尿になったら、もう食べられないものと思った方が良いです。
ながら食いは禁忌
映画を見ながらポップコーンを食べるとか、ゲームをしながらおやつを食べるなどという、ながら食いはいちばん身体によくないです。膵臓が休む暇もありません。
できるだけGI値の低いものを
GI値の低い食品は、急激な血糖値の上昇を抑えます。白米を玄米に(辛ければ七分搗きとかに)、普通の小麦粉で作られたものより全粒粉のパンに、と変えるだけでも結構な効果があります。
ローカロリーのものから食べ始める
食事の時、いきなり御飯を食べるのではなく、最初にサラダなどを食べてから食べ始めると、サラダによって空腹感が緩和されているため、結果的にあまり食べなくても済みますし、血糖値の上昇自体かせ緩やかになります。

年齢とカロリー

中年期に糖尿病をやりやすいのは“基礎代謝”の認識が欠けているからです。人間の日々の消費カロリーの中で実は基礎代謝というものがかなり大きな部分を占めています。実はこれは年齢とともに低下していきます。高校生の基礎代謝は男子で1600kcal, 女子で1300kcal くらいありますが、50代になると男性で1400kcal, 女性で1100kcalくらいまで落ちます(スポーツ選手や肉体労働者は筋肉が多いのでこの平均値より高くなる)。ですから、若い頃と同じつもりで食べていると、カロリーが余ってしまうんですね。年齢とともに食生活を改めないといけないのですが、これができない人が多いので、糖尿をやってしまう。

プラスではなくマイナス

ダイエットでもそうですが、しばしば「これを飲めばダイエット成功」みたいな広告をしているものがあります。しかしこの世の中に、何かを“プラス”してダイエットや糖尿に良いものは存在しません。

ダイエットや糖尿で大事なのは“マイナス”することです。コーヒーや紅茶は基本的にノンシュガーで飲みましょう。甘味無しでは辛いという人はパルスイートなどのローカロリーの甘味剤を使う方法もあります。またノンシュガーでも牛乳を入れると結構飲みやすくなります。

またおやつを食べた場合は、その分のカロリーをその次の食事から引かないとダメです。

食事をする時は、自分で各々の皿のカロリーとかを計算して、だいたい500kcl程度に収まっていることを確認してから食べましょう(御飯1杯がだいたい2単位=160kcal)。

糖尿をやった以上“お代わり”というものは、あなたの辞書から消え去ったものと諦めてください。

炭水化物よりタンパク質を

炭水化物より、タンパク質の方が同じくらい食べてもカロリーは低いです。ですから、食事を摂る時は、どれがタンパク質で、どれが炭水化物か、よく見分けましょう。

野菜は、ノンカロリーの物が多いのですが、ジャガイモ、かぼちゃなどは、米や麦と同じです。ハイカロリーですから注意しましょう。

おでんでは、いわゆる“練り物”はほとんどが白身魚でできていて、タンパク質が主体です。しかし、おでんネタにも、餅巾、関東の竹輪麩、ジャガイモ!など、炭水化物でほとんどできているものがありますので、そういうのを避けましょう。大根とかこんにゃくとかはほとんどカロリーがありません。こういうのを主に狙うといいです。

ダイエットしているからといって、ラーメンとかうどん・そばの麺だけ食べてスープを残す人がいるようですが、麺はほとんど炭水化物です。それに対してスープはミネラルやタンパク質がたくさん溶けています。つまり、麺だけ食べてスープを残すのは最悪の食べ方ということになります。

なお先頭に書いたように、タンパク質優先といっても、それだけに頼ろうとすると、結果的に摂取量オーバーになりやすく良くないです。

1日4回食の人

通常はたとえば1800kcalと指定されたら、朝昼晩の3回の食事で600kcalずつ食べるのがよいのですが、仕事の都合などでどうしても4回食になる人は1回の食事を4分割の450kcalとかにすればいいです。

空腹を紛らす方法

(1)コーヒーや烏龍茶など、カフェインのあるものは空腹感を抑えやすいです。
(2)野菜サラダ・海藻サラダなどを食べると、ノンカロリーなので良いです。
(3)どうしても我慢できない時は、おにぎりとか食べると良いです。おにぎりは腹持ちが良いので、食べたあと、長時間空腹感を感じずに済みます。パン・うどんなどは消化がよいので、お勧めできません。

脂肪には注意

糖尿病をしてから、外食などする時、いちばん神経を使うのが実は脂肪です。概して脂分があると、人間は「美味しい」と思うので、外食メニューには脂分の多いものが多い。特に町食堂などの料理には、大量に脂を使ったものが多いです。

家庭で料理する時も、できるだけ油を使わないようにしましょう。ダイヤモンドコートなどのフライパンを使うと、鉄のフライパンに比べて、かなり少ない油で調理することができます。レシピなどで、油やバターなどを使うことになっているものも、できるだけ減らして調理しましょう。単に温めるだけなら電子レンジを使えば、油を使わなくて済みます。

胡麻やナッツ

胡麻(ごま)は胡麻油を採ることからも分かるように脂肪分の塊です。またナッツ類はほとんどが高油脂です。これらはできるだけ食べるのは避けた方が良いです。

胡麻は「健康に良い」というのですが、概して「健康に良い」と言われる食べ物のほとんどが高カロリー食品です。昔は“栄養不足”が問題だったから、高カロリー食品で不足する栄養を補っていたんですね。糖尿の場合は、だからそういう「健康に良い」食品を避ける必要があります。

成分表示を活用しよう

ファミレス・ファーストフードなどのメニューには、カロリー、タンパク質、脂肪分などを明記したものが多いです。またメニューに書いてなくても、たいていホームページには掲載されています。それをチェックしておきましょう。個人的には、しばしば敵視されるマクドナルドは概して他のハンバーガーチェーンに比べると、ローカロリーのメニューが多いように感じています。美味しいという評価が定着しているチェーンのメニューは概して高カロリーです。

私は昔はミスドでは、オールドファッションがあまり甘くなくて、いかにもローカロリーのような気がして、そればかり頼んでいたのですが、あれってほとんど小麦粉でできているから、ミスドのメニューの中でも最も高カロリーな部類なんですね。むしろフレンチクルーラーとかの方が、よほどローカロリーです。一度ホームページの栄養成分表示を確認したほうがいいですよ。

お茶は救世主

昔ピンクレディーが「烏龍茶(ウーロンちゃ)を飲んでたら痩せた」と発言して、烏龍茶ブームが起きたことがありますが、烏龍茶は確かに脂肪分解促進効果もあるようですが、それより水分を摂ることが血糖値を下げます。水ではなかなかたくさん飲めないので、たくさんお茶を飲むのが良い。ただ、水分をたくさん摂ると、塩分が不足しやすいので、塩分を少し多めに摂るのが良いでしょう。

ただ、普通の食生活をしていると、塩分はむしろ摂りすぎになっていることが多い(醤油などにも入っている)ので、多くの人はあまり気にする必要はないと思います。

なお、元々糖尿の人は、頻尿になりやすいので、それで水分を摂ると更に頻繁にトイレに行きたくなります。でもそれで血糖値は確実に下がるんですよね。

捨てる勇気を持とう

1人暮らしの人はそもそも必要な栄養量の分だけ作るようにすればいいのですが、家族で暮らしている人はどうしてもその日その日のみんなの食欲の関係で余ることが多いです。それでもったいないというのでそれを食べて、食べ過ぎになるというのは、主婦などにわりとありがちです。

冷凍できるものは冷凍しましょう。かなりのものが実は冷凍可能です。カレーも“じゃがいもを除ければ”冷凍できます。生のキノコ類はたいていそのまま冷凍できます。冷凍に適さないものは冷蔵庫で保存しておき、翌日の昼などに食べればいいんですが、何日も経つと今度は傷んで食中毒の心配をする必要があります。

捨てる勇気を持ちましょう。特に子供の頃に厳しい躾けを受けている人は「食べ物を捨てるなんて」と思うのですが、その料理を捨てて無駄にすることと、あなたの健康とどちらが大切ですか?「もったいない」という感覚は大事ですが、そういう道徳観を優先して身体を壊したり、糖尿を悪化させてはいけません。

どうにもならない時は、食べ物和捨てる勇気を持ちましょう。
(2021-01-06)
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