SI(国際単位系)では大きな数、小さな数は次のように表されます。
■大きい数
101 da デカ deca
102 h ヘクト hecto
103 k キロ kilo
106 M メガ mega
109 G ギガ giga
1012 T テラ tera
1015 P ペタ peta
1018 E エクサ exa
1021 Z ゼタ zetta
1024 Y ヨタ yotta
■小さい数
10-1 d デシ deci
10-2 c センチ centi
10-3 m ミリ milli
10-6 μ マイクロ micro
10-9 n ナノ nano
10-12 p ピコ pico
10-15 f フェムト femto
10-18 a アト atto
10-21 z ゼプト zepto
10-24 y ヨクト yocto
キロキロ(kilo)とヘクト(hecot)出か(deca)けたメートルが弟子(deci)に追われてセンチ(centi)ミリミリ(milli)。
江戸時代の文献『塵劫記』に見る大きな数
101 十 じゅう
102 百 ひゃく
103 千 せん
104 万 まん
108 億 おく
1012 兆 ちょう
1016 京 けい
1020 垓 がい
1024 秭{禾予} じょ
1028 穣 じょう
1032 溝 こう
1036 澗 かん
1040 正 せい
1044 載 さい
1048 極 ごく
1056 恒河沙 ごうがしゃ(108極。以下同様)
1064 阿僧祇 あそうぎ
1072 那由他 なゆた
1080 不可思議 ふかしぎ
1088 無量大数 むりょうたいすう
恒河沙とは恒河(ガンジス川)の砂の数という意味。ちなみに宇宙全体の粒子(陽子・中性子)の個数は約1079なのだそうで、それをも越える数の呼び方が存在するというのもすごい話である。
塵劫記は1627年刊。著者は吉田光由。基本的には算術一般を説いたもので、和算の普及に大きな役割を果たした。
現在1秒という時間は『セシウム133原子の基底状態の2つの超微細単位(F=4,M=0およびF=3,M=0)の間の遷移に対応する放射の9,192,631,770周期の継続時間』と定められている。
逆に言えば、この放射1回の継続時間は10-10秒程度の長さである、ということである。
1999年年初現在の標準的なパソコンに搭載されているCPUのクロツク数はだいたい200MHzである。これはCPU内で使用されている時計が1秒間に200M=2億回時報を行っていることを示している。つまりこのCPUにおける時報の間隔は5×10-9秒ということになる。
「刹那(せつな)」という言葉がある。これは0.013秒である。また「一瞬(いっしゅん)」という言葉もある。これは0.36秒である。古代の人にとっては「刹那」や「一瞬」は非常に短い時間だったが、現代のパソコンのスピートからするとかなり大きな時間になる。
牟呼栗多(むこりった)=1/30日 2880s
臘縛 (ろうばく) =1/30牟呼栗多 96s
怛刹那 (たせつな) =1/60臘縛 1.6s
刹那 (せつな) =1/120怛刹那 0.013s
須臾 (しゅゆ) =1/30日 2880s
羅予 (らよ) =1/20須臾 144s
弾指 (たんじ) =1/20羅予 7.2s
瞬 (しゅん) =1/20弾指 0.36s
念 (ねん) =1/20瞬 0.018s
これらは仏典に書いてある時間の単位だが(上記の計算には異説もある)、仏典(仁王般若経など)には全てのものは刹那に生じて刹那に滅し、刹那に滅しては刹那に生じると書いてある。量子力学の不確定性原理である!!!
劫(こう)という時間の単位がある。「永劫」の「劫」である。160km四方の巨大な升に芥子粒を満たし、100年に1粒ずつ取り出して、全てなくなる時間を「芥子劫」という。また、160四方の巨大な石を100年に1回ずつ薄い布でさっと拭いた時、摩耗して石がなくなってしまう時間を「盤石劫」という。この芥子劫も盤石劫も、本来の劫よりも短いとされる。
実際問題として、芥子粒のサイズを1ミリ四方と考えると、芥子劫は4×1026年になる。
ブラフマー(梵天)にとっての昼が1劫、夜が1劫であるという。そしてブラフマーにとっての100年がヴィシュヌ(那羅延天)にとっての1日であるという。これは劫を芥子劫で計算しても、3×1031年になる。わが宇宙の年齢はまだ1.5×1010年にすぎない。
なお、ビッグバンの発生後、10-6秒ころまではクォーク以下の世界、1/100秒ころまでが核子以下の世界、1000秒頃までが原子核の世界、50万年頃までがイオンの世界、2〜3億年までが原子の時代、それ以降が星や銀河の世界ということである。
人間はだいたい1.5〜1.8mくらいの身長なので、だいたいメートル単位の物体である。その人間の体を作っている細胞は10-4m程度。細菌はもう少し小さく10-6m程度、ウィルスになるともっと小さく、10-7m程度になる。
化学の世界の最小単位である原子のサイズは水素原子の大きさが10-10m(昔はこの単位をオングストロームと言った)。科学的性質を表す物質の基本単位である分子のサイズはそのだいたい100倍程度のサイズまで。水素の原子核(陽子)の大きさは10-14m。つまり原子核はほとんど隙間だらけである。原子核を野球のボールにたとえれば、原子の大きさ、つまり電子が飛び回っている範囲は500mほどになる。
この原子核はクォークから構成されているが、クォークのサイズは10-18m。これより細かい構造はまだ解明されていない。結局「モノ」というのはほとんど空間でできているのだ。これは非常に示唆に富むことである。
江戸時代に書かれた須弥山の図を見ると、太陽と月の距離は地球から4万由旬と書かれている。由旬は40里というから、これは640万キロになる。
実際は地球から月までの距離は38万キロ、太陽までの距離は1億5000万キロなので、月の距離に関してはまぁいい線いっているが、太陽の距離には遠く足りない。
西洋にはサンダルフォンという巨大な天使がいる。この天使は人が足元から頭までの距離を歩くと500年かかるそうである。昔の人の足は速いからこれを時速8kmで計算すると、サンダルフォンの背丈は3500万キロになる。これはちょうど水星の軌道半径くらいのサイズである。
太陽系程度の大きさを扱う時にはキロで話していると面倒なので「天文単位」というものを使う。これは地球の軌道半径のサイズで、1億5000万キロである。天文単位で各惑星の軌道半径を測ると、次のようになる。
水星 0.39
金星 0.72
地球 1.00
火星 1.52
セレス 2.77
木星 5.20
土星 9.55
キローン 13.63(短径8.45)
天王星 19.22
海王星 30.11
冥王星 39.54
ハウメア(2003EL61) 43.03
キューブワン 44.22
マケマケ(2005FY9) 45.35
エリス(2003UB313) 67.78
1996TL66 84.24
キューブワンとは1992QB1のことで、この星は「初めて実際に発見された」エッジワース・カイパーベルト天体です。ffortune内ではこの星はペルセフォネと呼ばれていましたが、一般的な名称ではありません。結局この星は固有名が付けられないまま QB1 をそのまま呼んでキューブワン(Cube one あるいはCubewan)という名前が広まってしまいました。
1996TL66は最初に発見されたSKBO(Scattered Kuiper Belt Object)です。
太陽系の外側まで行くと、とても天文単位などでは測れない世界になってくる。ここで登場するのは「光年」という単位である。これは光が1年かけて進む距離のことで、光の速度は秒速30万キロなので、これはキロに直すと9.46×1012kmになる。天文単位で言えば約6万天文単位である。
太陽系の外の天体として最も近いところにある、ケンタウルス座アルファ星(藤子不二雄の「パーマン」に出てくるスーパーマンの星である)が4.4光年。恒星の中で最も明るい星シリウスが8.6光年。
しかし、この辺りはごくごくご近所の星であり、ウルトラマンの星M78星雲(オリオン座)は1600光年、銀河系の中心までの距離は2万8000光年、最も近い星雲である大マゼラン星雲までは16万光年、その次の小マゼラン星雲が20万光年。しかしこの両星雲は銀河系に付随した星雲のようなもので、お隣の星雲となると230万光年離れたアンドロメダ星雲になる。ここが松本零士の「銀河鉄道999」の終着駅。
この銀河系・アンドロメダ星雲は姉妹のような銀河であるが、この2つを中心として半径300万光年程度に30個ほどの銀河が集まっていて、これを局部銀河群と呼んでいる。この局部銀河群の外に出ていくと、理科の教科書によく写真が載っているM87星雲は5900万光年。これは銀河群の上の銀河団というスケールになる。M87(乙女座銀河団)は銀河団としては近いものであり、1305+2952という名前の銀河団は55億光年の距離にある。
銀河群はだいたい直径150万光年程度のもの、銀河団はだいたい直径1000万光年程度のものをいう。そして更にそれらが集まって形成される直径1億光年程度のものを超銀河団という。銀河系付近からM87付近までの範囲は円盤状の超銀河団を形成していて、その直径はだいたい7000万光年程度である。超銀河団からはずれた部分に逆に1億光年スケールの直径で星がひじょうに少ない領域があり、これをボイド(超空洞)と呼んでいる。宇宙の構造はこのあたりまで分かっている。
最も遠い距離にある天体はクェーサーである。非常に遠い距離にある割には異様に明るい天体であり、その正体はまだ解明されていない。かなり巨大な銀河集団であると考えられる。距離は150億光年近くまであり、これより遠い距離の天体はもし存在したとしても相対性理論により光が地球に到達できない。いわばそれはもうこの世の存在ではないということになる。つまりクェーサーが観測できる限界の天体というわけである。
この宇宙で最も大きなスケールが適用されるものがクェーサー。最も小さなスケールが適用されるものがクォーク。なにか名前が似てる????